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第85話 カクシゴト

夕暮れ。

大方の資料を読んだヌマさんが帰ろうとしたので、せっかくなので食事に誘ってみた。


「わたしにしょくじはひつようありません」


「俺の世界には“医食同源”という言葉があります。

 疑うようなら検索をしてみてください」


その言葉に渋々と言う形で検索をかけているヌマさん。

ヴェルさんが俺の肩を叩いた。


「どういう意味だ?」


「簡単に言えば、日ごろからバランスの取れた食事と摂る事で病気の予防、治療をしようって考え方」


「バランスとはなんだ?

 腹いっぱい食べると何が違う?」


「実は食事にはたくさんの栄養素っていうのが含まれていて、それらをバランスよく適度な量をとることが健康に長生きする秘訣と言われているんだ」


「風邪になりにくくなると?」


「風邪だけじゃないよ、人間……いや動物は色んな病気をするんだ」


「我輩はなったことがない……」


「それは……ヴェルさんの身体が丈夫だからだと思うよ?」


「……」


ヴェルさんが俺の袖をつまむ。


「スズキ、頼むから病気をしてくれるな……?」


「ここに居る限りは大丈夫……かな。

 ヌマさんの病魔退散もあるし」


「……そうだな」


俺がヴェルさんの頭を撫でてはにかんで見せると彼女も少し笑顔を見せてくれた。

ヴェルさんもヌマさんと一緒になって杖の情報を学ぶことにしたようなので、俺も夕飯作りに取り掛かることにしよう。


……ヴェルさんは頭が良い。

きっと彼女は遠からず気づくかもしれない。

らしくない胸の痛みを感じつつ、俺は料理に集中しようとし


「いや、ホントに一緒に食事するの?

 あの方とッ?!」


青い顔のジルベルトが肩を揺すってきた。

やめろ、手許がぶれる。

ジルベルトさん、唐突に多くの国で信仰の篤い女神と食事をさせられる。

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