第59話 閨の語らい
閨とか書くとちょっとアダルティに聞こえる不思議。
尚、スケベ要素はありませんのでご安心ください。
( ´・ω・`)_且
パーリィーナイも終演して、いつも通りヴェルさんとお風呂に入って床につく。
いつの間にかヴェルさんを腕枕しながら眠るのが普通になってきてしまった。
「良い歌だったのだ……。
スズキの世界にはあんなのがあふれているのか?」
「そうだね、いろんなジャンルの歌があるよ」
「楽しそうな世界だ……でもあんな映像のような爆発もあるんだろう?
あれは少し怖い」
「あれは創作さ。
戦争や事故でもないと現実じゃめったにお目にかかることはないよ」
「戦争……人族同士の争いか……そっちの世界でもあるのだな」
「まぁね。
人が3人集まれば派閥ができるって言われるくらいだから」
「ふむ……ではスズキは我輩派だな?」
にんまり笑うヴェルさんを撫でる。
「ハハ、アルさん入れれば3人だったね。
ヴェルさんなしじゃ俺生きていけないから当たり前だね」
「むぅ、何故そこで苦い顔をする。
喜ぶところだろう?」
「う~ん、男の矜持と言いますか。
もっとヴェルさんに頼りにされる男になりたいと言いますか」
「分けのわからぬ変なことを言うな、スズキは。
我輩、これでもスズキに頼っているのだぞ?」
そうなの?
「いまいち伝わっている気がせんなぁ。
まぁ上手く説明できる気もせんので、気長に分かってもらうとするか」
「あぁ……うん」
「その第1歩として我輩が床につく時は必ず貴様は同伴だ。
アルケニーのところへ行くのは無しだぞ」
「えっ、行った事もないし、行くつもりなんてサラサラないんですが……」
「なんだ。
たまに夜中に起きるからあやつの所に行っているものとばかり……」
「普通にトイレです。
さすがにちょっと心外」
「おぉ、スズキも不貞腐れるのだなぁ。
フフ、いいものを見たの……」
スッと腕を回され、ヴェルさんに抱き寄せられる。
「今日はいつもより夢見がよさそうだ……」
「それはそれは。
こっちはさっきの話を聞いてアルさんが出てくる夢を見そうだよ」
「夢の中も独占したいが、難しいだろうなぁ……ふあぁ……」
「そろそろ寝ますか」
「うむ……スズキ……また明日……」
「はい、ヴェルさんおやすみなさい……」
こうして夜の帳は静かに下りた。
鳥や虫の小さな音を聞きながら俺の意識も静かに落ちていく。
ふと何かの羽ばたき音が聞こえたような気がしたけど、俺もヴェルさんも気にもせずに互いの体温を感じながら夢の世界へと旅立っていった。
次回、新キャラ登場予定♪
(∩ˊ꒳ˋ∩)・*




