第31話 必須アイテム
資料集めが甘そうな第3章。
恐々と書き書きしております。
_:('Θ' 」 ∠):_
癒しの権兵衛さんとのご挨拶もすんだのでこれからのスケジュールを考えることにした。
なんといっても今現在の俺達の生活は色々と足りていない。
「やっぱり石鹸と風呂から作ろうと思うんだ」
葉っぱを食べながら1人ごちると同じく鹿の生肉を食っているヴェルさんが大いに頷いた。
「吾輩も賛成なのだ!」
爛々なヴェルさんの眼を見て少し反省。
夜の集中講義……遣りすぎました。
「それで具体的にどうするのだ?」
「そうだねまずは……」
海へ行こうと提案しようとした直後、玄関の扉がノックされた。
2人とも『えっ?』とそちらを振り向いた。
「宅配便でーす」
なんだク○ネコか。
「あ、はーい」
「お、おいっスズキ!」
ヴェルさんが呼び止めるもむなしく、俺は扉を開けてしまった。
ちなみに俺が気づいたのは扉を開けた直後。
普通に考えて不用心すぎた。
が、まぁ開けてしまったのだから仕方がない。
引きこもり時代の条件反射というものだ。
「ん……?」
開けた扉の先には誰もいなかった。
代わりにナイフのようなものが革製の鞘に入って羊皮紙と一緒に地面に置かれている。
「不用心だぞ、スズキ」
「ごめん、でもこれ……」
俺はナイフと羊皮紙を拾ってヴェルさんに見せる。
「……ふむ。
あの神からか?」
「たぶん?」
半信半疑でとりあえず中に入って羊皮紙に杖を当てる。
書かれていた内容はこんな感じだった。
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サトウスズキ へ
玉鋼製作が難航中のため先にナイフだけでも渡しておく。
お前の世界の形の物を真似てみたが、こっちにはありそうでなかった思想の元に作られた改良のし甲斐があるナイフだな。
お前の世界には形だけでも用途に合わせた金物が多数ある。
先にそっちを作りまくることにした。
作り次第そっちに人をやって届けてもらうからよろしく。
ゴー
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「んじゃノックしてきたのってその使いの人だったのかな?」
「そうじゃないか? どうなのだ、杖の精?」
「たぶん……?」
イルカが変な顔でうなずく。
「? どうしたの?」
「その、誰が持ってきたのかわからなくて」
異様に不安がっているイルカ。
そんなの当たり前……
「当たり前じゃないか。触った人の情報が読み取れなかったとかそういうこと?」
「ご明察ですサトウさん」
「神様に近い人が持ってきたからじゃない?」
「あ、かもですな」
それもそうかーとイルカが納得する。
「それでスズキ、どんなナイフなんだ?」
尻尾全開でわくわくしているヴェルさん。
俺もちょっとそわそわしながら試しに抜いてみる。
「……サバイバルナイフ?」
それはB級映画でよく見た片刃がギザギザしているツバ付きのサバイバルナイフだった。
大型のシースナイフ
ボウイナイフ
サバイバルナイフ
用途の違いかなと思いつつ、この違いがいまいちぴんときていないです。
誤用してたらすまぬ……すまぬ……
(°ω°)<タスケテケスタ




