表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/145

第13話 イルカの映像に攻撃したところで所詮イルカはホログラム。

若い人には通じないネタが入っているかのうせい

ヾ(⌒(_´๑・ω・๑)_ジタバタ

1000年ほど昔、知恵の神メーテ様はこう思いました。


──地上の生き物増えすぎじゃね?


争いを繰り返しながらも時に繁栄し時に衰退していく人族達。

世界に広がる彼らの数だけ知識がある。

知らないうちに国が亡ぶとその分の知識を取りこぼしてしまう。


それを全て監視するのはめんど……不可能だ。


だが、好奇心旺盛なメーテは知らない知識があるのが我慢できない。

ということで代理をたてることにした。

代理は知識を歪めてしまう可能性のある生物であってはいけない。

あくまで事実をありのまま伝えるための道具である必要がある。


そうして鍛冶の神に依頼して作らせたのが『賢者の杖』。

ちなみに報酬として先進的な鍛冶の知識と技が手に入ったら渡すと約束をしたら喜んで1日で作ってくれた。


1000本の杖がとりあえず地上に下ろされた。

100年でそこまで必要ないと判ってとりあえず500本戻した。


さらに300年ほど経って9本でいいとわかった。


その100年後に何と文明がありえないくらい衰退した。

そこで8本回収して監視役として地上に1本だけ残された。


「その最後の1本が私です!」


説明を終え、イルカが威張っている。


「これがメーテ様と鍛冶の神ゴー様です」


2枚の画像が出てくる。


「こ、これが神なのか……」


ヴェルさんが衝撃を受けている。

その心境は異世界人の俺には計り知れない。

だって……。


「悩ましボディの眼鏡司書と熱血筋肉アフロおじさん……」


どちらも光ってるし、白いキトンっぽいものは着ているが、どうも感動が薄い。

画像のチョイスが悪いのだ。


メーテ様は衣が着崩れたまま本に埋まって片手でお菓子食って本読んでる。

ケツでもかいてそうな勢いだ。


ゴー様は両手にハンマーもって赤ら顔だ、周りに映っているものから推察するに宴会場の一幕だろう。

忘年会の悪ノリ感バリバリである。


「サトウさんの世界と比べれば驚きもないですかね? こっちは八百万も神様いませんし」


「画像のチョイスでBBAと酒浸りにしか見えないだけッス」


「まぁ、そう見えるような画像を出したので」


「故意かよ!? なんか恨みでもあんの?!」


「……ないと思いますか? “監視役として地上に1本だけ残された”なんて言いましたがぶっちゃけ今や忘れ去られた存在ですから!」


「そ……その根拠は?」


「私だけ残されてから、メーテ様から音沙汰なし……」


イルカが唾を吐いた。


「これでも代理ですからぁ、定期報告してたんですよぉ? でもねぇ! 定期報告しようとしたらつながらないとかわけわかんないですよ!!」


イルカの怒りが爆発している。

より具体的にいうなら身体が赤くなっている……なんとわかりやすい。


「あれですよ、サトウさんの知識を得て私はわかりましたよ! どっかの男神同士が怪しいとかつぶやいてたんですよ!! もうこれ絶対腐ったんですよ!!」


「何! 神がゾンビになったのかっ!?」


「はいヴェルさん、ちょっと黙ってようね~。話こんがらがるから」


俺は優しくヴェルさんの口を手でつかむ。

むむーとか言ってる、可愛い!


「あの腐り神、自分で物語作るのとかも好きでしたからねぇ!! そらもうあれですよナマモノかけて尊いって叫んでるんですよ!!」


そのあとはあの男神とあの男神も仲が良いから絶好の的だとかとにかくイルカの罵詈雑言が飛び交った。

まだ見ぬ腐り神メーテ様、個人的に腐るのは趣味嗜好なので問題ないとして仕事くらいしっかりとこなしてください、いやマジで。


ゴー様についても酒浸りだの鍛冶バカだのと暴言が飛んできたが、どうにもメーテ様ほどの怒りは無いようで、完全にとばっちりを喰らっている模様。

まだ見ぬゴー様、酒に酔って炉に頭突っ込むとかなにやってんすか。

そのせいでチリチリアフロなんですか?


言いたいことを言い切ったようでイルカの色が戻っていく。


「……気が済んだ?」


「ある程度は……」


「スズキ、話がまったくわからなかったのだが……」


「ヴェルさん、そんなに気になるならあとでこのイルカに聞いて下さいな。おいらにゃ荷が重いッス」


とりあえずイルカに面倒事をぶん投げたところで話を戻す。


「さて、言いたい愚痴も言えたんで、そろそろ本題に戻りましょうか! ささ、御用を言ってくださいな♪」


にこやかに笑うイルカ。先ほどまで烈火のごとく怒っていた奴と同一人物だと信じたくない。

……せっかくなので立体ディスプレイの操作方法を学ぶことにする。


やはり神器というべきか移動に拡縮回転複数表示と思いのままだった。

操作方法が多少スマホを思い出すのはおそらく俺仕様ということだろう。


「だいたいわかった。あと、出来れば異世界送還について知りたいんだけど」


「あ、それ無理ですな」


「やっぱりないのか?」


「ではなく、しっかり検索ワードを入れてください。さっき私が表示したそれらは説明に必要だから表示できただけで、私自身この杖のホストロイドってわけじゃないんで」


あんなに愚痴言ったり、私怨で恥ずかしい写真出してたのに今更そんなことのたまうとは……。


「これも仕様ということで、1つご容赦をば」


「便利な言葉だよな、仕様って……」


「元サラリーマンのサトウさんから出ると重い言葉ですな、はっはっは!」


「お前、絶対気軽に閲覧できる権限持ってるだろ?」


「いえいえ、これはスムーズに会話を楽しめるために備えられた私のスキルですよ♪ 私は出来るイルカなので!」


「煙に巻いてる感バリバリなんだけど……」


「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ、です♪」


イルカは逃げるように、ではでは~♪ と姿を消す。

ヴェルさんは色々あったせいで少々お疲れのようだ。


「吾輩のときはもう少し……穏やかな精霊だったと思うんだがな……」


ヴェルさんのつぶやきにちょっと驚く。


「精霊の性格すら俺用にカスタマイズされてるってことかねぇ」


「可能性はありそうだが、しかしその杖に面白そうな映像が詰まっているのは確かだな」


杖をじっと見ているヴェルさん。さっきの映画や漫画が気に入ったんだろうか。


「生活にゆとりが出たら一緒に見る?」


「それ良いな!」


けっこうな食いつきだ。

とりあえず娯楽作品の件は横に置き、最初の話に戻ることにする。

脱線しまくったが、今はとにかく寝床探しだ。

ここ最近は説明回なので、いつもより倍くらい文章が長いです。

(´×ω×`)


あまり長くせずサクッと読めるものを目指したい所存orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ