第11話 (物理的に)ボコボコな状態で朝を迎えました。
復元機能があることを初めて知る(1敗)。
ヾ(⌒(_´๑・ω・๑)_ジタバタ
今回から新章です。
朝、食事を終えた俺たちは立体ディスプレイとにらめっこしていた。
さしあたって話し合うべき内容は寝床だ。
気にしないようにしていたが、森には虫が多いのだ。
頬とか首とか手の甲、とにかく身体中ボコボコにされた。
因みに今現在は大丈夫だ、ヴェルさんが治癒魔法を使ってくれた。
異世界ってすげぇ。
「森の主のヴェルさんや、寝床を決めるにあたり、どのくらい森から離れられるか聞きたいんだけど」
「ん~……森は食料もあって、便利なのだが先程のスズキの身体を思い出すと離れるしかないか……」
ヴェルさんは先程のボコボコだった俺の身体を思い出したのだろう、苦笑を漏らしていた。
ぶっちゃけ水辺近くで寝たのも要因のひとつではあるだろう。
因みにヴェルさんは無事……理不尽だ!
「森が見える場所が最大範囲だな、その距離なら元の姿になってすぐに駆けつけられる」
俺の肩から身をのりだし地図を円形になぞる。
背にご立派様が当たるが平常心だ。
だがしかし、理性的この状態が続くのはきつい。
「このディスプレイ、移動とか拡大とか出来ないのかな?」
「精霊を呼び出して聞いてみてはどうだ?」
ん? 精霊?
「コダマ達のこと?」
森の精霊であるコダマ達は現在笹舟で遊んでいる真っ最中だ。
実はコダマという名前ではないらしいが、俺の中で既に確定してしまっているので呼び方を変えるのは難しい。
「いや、この杖の精霊のことだ。そういえば、スズキは直ぐにその杖を使いこなしていたな。我輩は杖の精霊に使い方を教えてもらったのだ」
そっか、だからこの杖の使い方を詳しく知っていたのか。
フリーズする頭をすぐ再起動してすぐ精霊を呼び出すためボタンを探す。
ボタンは検索ページの右上端にあった。しかも歯車のアイコン。
さらに指をそこに近づけないとわからない非表示機能付き。
「こんなの気づかんわ!」
「ボタンで呼び出すのか。吾輩は使い方がわからず適当にいじったからなぁ」
しみじみ言ってるけど、それで見つけるのは凄いよヴェルさん。
とりあえずアイコンを触ってみると素敵機能が並んでいた。
【新しいウィンドウ】
【ブックマーク】
【履歴】
【設定】
【ヘルプ】
【終了】
「だから有名検索エンジンか!」
頭痛がしてきたので、さっさとヘルプを押す。
するとディスプレイからにょっきり青い物体が現れた。
見間違えるはずもなくどう見てもそれはデフォルメされたイルカである。
「はいどーも! 何について調べますか?」
「お前を消す方法」
「はっはっはっ! 私は調べるだけのイルカではありませんよ?」
こいつ……あのイルカを知っている……だと?
「ふむ、吾輩のときと姿が違うな……貴様はあの時の精霊か?」
「ですよ~♪ 所有者さんであるサトウスズキさんのお考えの通り、私は所有者に合わせてインターフェイスが変化しますので!」
「ちなみにヴェルさんのときは?」
「羽の生えた光る妖精だったかな?」
「リッスン!」
「はっはっはっ、サトウさん、そのネタは私にしかわかりませんよ~♪」
「逆に通じることにびっくりだよ」
「簡単なことです。サトウさんの記憶をコピーしていますのでツーカー並みに分かり合えているのです!」
本当に記憶までコピーしていたとは……というか、
「その記憶ってどこまでコピーしてるんだ?」
盆・ダンスのときのことを考えると、思い出と呼ばれるものが該当していると思っていたのだが、そんなネタまで拾ってくるってことはもう少し広い定義なのか?
「全部です」
……?
このイルカは何を言っているんだ?
またまったり更新していきますので、よろしくおねがいします。
(∩ˊ꒳ˋ∩)・*




