表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/322

S065 吸血鬼にとってニンニクなどどうでもいい

世の中そんなもんです。

むかしむかしとある所に吸血鬼が居ました。

吸血鬼は今日もちょっとばかり稼ぎに行くかと思い村を歩きました。

すると吸血鬼が来たと思った村人たちはさっさと家に帰って出来るだけ会わないように閉じこもりました。しかし吸血鬼は村人に会いたくて仕方ありませんので一つの家に狙いを定めて訪ねました。


「やあ、いい天気だね。今日も野菜をたんまり売ってくれないかい?」


村人は『また来た』と驚いて後ずさりました。

村人はいつも吸血鬼と取引はするのですが騙されて損ばかりしているので会いたくありませんでした。

吸血鬼の方はと言えば村人と取引すると稼げるのでとても会いたいのです。

そして村人は言いました。


「きょ、今日は売るもんはねぇぞ。でもいい天気だな。こんにちは」


「そうですか、残念です」


嫌いな相手にも律儀に挨拶する村人を色々な意味で微笑ましく思う吸血鬼ですが稼げるネタがないので暇になり少し村人と話してみようと思いました。何事も日頃の付き合いです。


「それにしても本当に良い天気だね。今年の冬はまだマシなのかもね。夏は暑かったからね」


すると村人は何を馬鹿な事を言っているのだと言わんばかりに答えた。


「そういうときは冬は寒くなるもんさ。それにあれを見ろ。空にあの雲がかかる年の冬は寒くなるんだ。あんたも早めに冬支度をするんだな」


それを聞いた吸血鬼は小躍りしそうになりました。冬が厳しく雪が積もるという事は流通が滞る。滞るという事は品が不足して物価が上がる。つまり儲け時だと思いました。今の内にあちこちから買い溜めておこうと思う吸血鬼は良い情報を教えてくれた村人を一層好きになり大事に扱ってやろうと決めました。


「良い情報をありがとう!そうだ。家の前にニンニクを吊り下げておいてくれないか。俺の知人にも言っておくが、ニンニクを下げている家にはあまり無茶な取引をしないようにするから」


村人は吸血鬼がいきなり好意的になったのを疑いましたが別に損な事はないので、それくらいなら、と頷きました。


そして数日後、吸血鬼はまた村へやってきました。

さてさて、今日も稼ごうか、と思った吸血鬼はある家の前にニンニクがぶら下がっているのを見つけました。言ったとおりにしているな、とどこか暖かな気持ちになりながらふと村を眺めるとどこの家にもニンニクがぶら下がっているのでした。

吸血鬼は困りました。あいつ、皆に教えやがったな。確かに秘密にしておけなんて言ってないが、と思い、でもさすがに皆に広めるのはナシだろう、とも思いました。

そこで吸血鬼は思いました。そう、俺は『無茶な取引はしない』と言っただけだ。無茶じゃなければいんだ。それに黙っていれば良いのに周りに話したのを懲らしめよう。

吸血鬼は早速知り合いに『ニンニクがぶら下がっている所は無茶な取引じゃなきゃ大丈夫な狙い目な穴場だ』と広めました。

すると吸血鬼の知り合いはこぞって村に取引にやってくるようになりましたとさ。




「というような事は起きるのじゃろうか?」


「ああ、なるほど。そういえば勇者やお嬢様のいる世界では吸血鬼はにんにくが弱点だったのでしたか。」


「そうそう。じゃがの。わしも疑問じゃったんじゃよ?こういった話を知っているから。まあ、元々の話は約束があるからにんにくのぶら下がっている家には詐欺まがいの取引が出来なくなって吸血鬼が来なくなった、というハッピーエンドなんじゃがの。そこから吸血鬼はニンニクが弱点、という話じゃった。」


「そうですか。ですがまあその話通りと言えますね。迷信とはそうやって生まれるもので、誰かがある行動をしてご利益を得たから形を真似れば自分もあやかれるんじゃないかと縋るものですので。このニンニクの話は分かりやすいですね。本来はその村人だけの特別サービスのようなものをその村人が周りに積極的に伝えたのか話の中でつい喋ってしまったのかで広まり見分けがつかなくなったという事になり、お嬢様が言われました元の話では吸血鬼は約束は守ろうとした、という事ですね。そしてお嬢様が新たにお作りになられた話では妥当な行動を吸血鬼は取った、という事ですか。吸血鬼。この世界では実際に居ますがよく比喩にも使われる存在ですね。」


「あ、やっぱ居るの?」


「ええ。マナは生物に多様な進化を促したようで、創造神との交信が途絶えている現在ではその進化が制御されたものか意図しないものかの区別がつきません。その中でも吸血鬼の進化というものは特別に問題視されています。」


「なんかまずいの?」


「吸血鬼のような上位アンデットの始まりは自己の力でマナを操り進化するのです。今までと違う性質へと変化するというのは滅多にないですし、問題は悪質化、劣化していると言えるからです。本来進化とは能力を向上させ、より優れた存在となり神へと近づく変化です。しかしアンデッドは違います。アンデッドの意味はお分かりですか?」


「えーと、死んでない、生きている死者?」


「そうです。この場合の『生きている』というのは自分の能力で、自分の思考で、社会の中で生活出来る存在を指します。それが出来なくなると『死んでいる』と表現されます。兵士、役人、などのシステムに行動の基準を決められる者を比喩としては『アンデッド』と呼ぶ事が出来ます。自分の意思で行動していない者、という意味です。その中で欲望に忠実な者を特に『アンデッド』と呼称します。低位はゾンビ、スケルトン、高位は吸血鬼、リッチなど本来その種族、生物が取るべき行動を取らずに『生きている』とは呼べなくなった存在を指します。吸血鬼は他者の利益をその対象を害して奪い取る事から『血を吸う』という比喩と共に使われ、リッチは神の定めし死の運命を自らの意思で避けた者を指します。ゾンビなどは殺された、被害した結果生じるのでリッチとは言えません。

肉体的に死んでもいないが、自分の意思で生きているとも言えない、というのが比喩としての『アンデッド』です。そして同時に、先ほど言いましたようにその種族、生物が本来取るべき行動を自らの意思で止めた者も『アンデッド』と呼ばれます。

比喩としての吸血鬼ですが、他者の利益を搾取する事でいわゆる『血を吸う』と例えられる行為で延命します。この場合の延命とは生活的に追いつめられて破滅するという結果を先延ばしにする、という意味です。

蝙蝠に変身するとは、蝙蝠は哺乳類と鳥類の中間に位置し、つまり、2つの勢力のどちらにもいい顔をして利益になるほうに合わせる都合の良い存在だという事です。

霧になって逃げる、というのは都合が悪くなると、証拠を揉み消したり行方を眩ましたりして責任も取らずに逃げる事を指します。

魅了する能力というのは、話術、詐術により相手を自分の都合の良いように操り誘導する事を指します。あたかも惚れた相手の言う事だから多少不利益でも受け入れる、というような状況と似ているからです。

眷属化能力については一度で相手を破滅させるのではなく徐々に搾取する事で、その被害者も同じような吸血行為をする事でしか生きていけなくなるか、吸血鬼のノウハウを手に入れ同じ方法を選択するようになるという事です。その際に童貞、処女でなければならない、というのはそういった詐欺行為を今までした事のない未経験者だけがその吸血行為と比喩される詐欺行為で同じような詐欺行為を行うようになる為に、そしてその吸血鬼の指示でのみ操られるようになるがために眷属化すると表現されます。

回復能力ですが、これは吸血鬼本人が活動していなくともそれまでに行った吸血行為により犠牲者から常に利益を吸い上げる事が出来る為に多少の損害では倒す事が出来ない、その収入源を絶つ必要があるという事を表します。

では弱点ですが、光を嫌う、というのは『白日の下に晒される』という言葉通り、隠蔽していた犯罪行為が露見して罪を受け、処刑され燃やされ灰になるからです。

炎、ここでは火ですがこれは『否定』を指します。簡単に言えば訴訟、控訴などです。グレーゾーンを渡り歩いて犯罪スレスレのラインを探るためにそういった行為で負ける事を嫌います。これは言うなれば高金利の闇金やブラックスレスレグレーゾーンの金貸しなどが該当します。

未踏の建物には招待されなければ入れない、ですが、吸血鬼の吸血行為というのは詐欺行為であり合法的に法の死角をついて行われるものであり、犯罪行為と露見しないようにする必要がありますので、法に触れる不法侵入は出来ません。ですので招き入れない限りは内部で悪さが出来ない、という事になります。

水を恐れるのは、『水に流す』という比喩が罪を帳消しにするという意味を持ち、折角仕掛けた詐欺行為で継続的に利益を生み続ける事が出来るのにそれを帳消しにされたら困るからです。

生木の杭で心臓を刺すと殺せる、というのは、この場合の心臓とは吸血鬼の行動の原点である吸血行為と称される詐欺行為をしようとする意思を指します。『釘を刺す』という表現のように、悪事を働こうとすれば監視している人物が警告して止めさせる、という意味になります。生木という部分で、生きている者が常に監視する、という意味になり、そうやって詐欺行為を監視して止めさせれば吸血鬼は収入源を失い死ぬ事になります。

十字架を怖がるのは、宗教という団体に属する者に詐欺行為を働くと、その人物単体では知性が足りずに吸血鬼の詐欺行為を論破できずに吸血される事になっても、その人物が団体に助けを求める事で、普段から論戦に慣れている、そして権力を持つ団体の構成員である神父や司祭などが吸血鬼を撃退しに来るからです。

特徴として『鏡に映らない』というのは詐欺行為の本質が虚偽であり実態のないものだと言う意味です。

もし仮に吸血鬼という魔物がいない世界で魔物としての吸血鬼が実在するという話が流布されているとすれば、本来こういった詐欺師がいるという事から目を逸らさせる為に行われ、それが分からない知性の低い者を騙すために行なわれているかも知れません。

さてこの世界では吸血鬼がいます。彼らの内、真祖は魔法の力で不死の存在へと変化した忌むべき存在で、その理由は代償を他者に求めたからです。同族の命を吸い生き永らえる事を躊躇なく選んだ同族殺し、裏切り者と呼べます。こういった者は生前において、虚栄心が高く異常な程の自尊心を持ち合わせているか、他者を傷つける事に何の罪悪感も持たないかのどちらかになる場合が多いです。自分は特別で偉いから元々同族でも同族とは思わず同じような性質を持つ存在だとみなしていない、もしくはそもそも他者の命を奪って何が悪い、と言う存在です。後者においては知識が足りずに野盗やならず者になるケースが多いでしょう。

真祖は自身の魔力で吸血鬼になれる程の能力を持つために非常に強力な存在です。人間の中に稀に魔力が高く知能も高い存在が生まれ、その中の極一部が魔の誘惑に負け吸血鬼になる道を選ぶのです。不浄の土、無垢なる存在の命、を用いて、善性を持つ清き存在を殺めるという重い罪を犯し、その存在を不浄なる場所へと貶める行為により自身の属性を堕落させます。あくまでこれは例です。具体的にどのような方法になるかは実際に探求してみなければ分からないでしょう。

吸血鬼はアンデッドであり神の定めし法則から外れた存在ですので、神の加護を受けた武器や魔法で倒す事が出来ますが、高位のアンデッドは不浄の土にその存在を結び付けています。その関係を断ち切らなければ存在自体を消す事が出来ません。不浄の土を浄化する方法が主となりますが特殊な方法としてリンクそのものを断ち倒す事が出来るものが存在します。」


エールトヘンは話を終えようとしたが何か思いついたように話を続ける。


「そういえばこの話ではニンニクが何かのシンボルとして使われていましたね。注意しなくてはならないのは、そうやってターゲットを本人に気づかれる事なく周囲に知らせる方法が存在するという事です。このお話では本人に教えていますが、気づかれないようにマーキングをする方法というものは存在します。例えば、募金などをした後に身に付けられる何かの記念品などです。その記念品を身につけていると募金をしたと周囲に伝える事が出来、本人は善行を行ったと思っていますが、悪人は容易く情にほだされて簡単に金銭を消費する人物だと識別します。同じように家の玄関の目立つ場所にシールやマークを残す事で、その意味を知る人物にとっては貴重な情報源になったりします。」


そしてエールトヘンは締めくくる。


「そういった存在に出会っても困らないように今日もがんばりましょう。もし出会ってもキャメロンに任せれば大丈夫です。すぐに駆け付けてくれます。彼ら聖騎士はアンデッドの天敵ですから」


FAQにあるという11種ではないのでリッチは、直接著作権云々に抵触しないと思ったのでそのまま使う事にしました。なんか言われたら変えますが、ああいったものは利益の部分と訴訟費用及び放置する事で失われる利益という損失の天秤の結果で訴訟云々になるので問題ないとは思っています。


Rich(金持ち)->現実的な問題を現実的手段(金の力)で拒絶する

Lich(不死者の王)->神の定めし法則を現実的手段(魔法の力)で拒絶する


不浄の土->『土』は環境、土台を指します。犯罪の温床と化しても黙認される環境、を指します。隠蔽出来、隠れる場所がなくなると吸血鬼は生きていけません。


寄付、募金に関して否定的に書いていますが、寄付、募金の類で古い形式というのは、周囲は信用出来ない、という前提で、自分達の集団からその募金を必要としている地域などに人を派遣する、というものが主流でした。金銭だけ渡すと何に使われているか不明だ、という事で横領、浪費の温床となるからです。なので、信用出来る人物、大抵は同じ集団の者となり、その者に物資もしくは現地調達のための金銭を持たせて派遣する、というものです。これが募金などの原型です。現状の募金の形式は、ある団体に金銭を渡しますが、それがその利権を元に私欲を満たすための交渉をしないとは言い切れません。また、そういった団体が恒常的に活動するには、常に募金が必要になり、その団体を生かす、保護するために募金が必要になる、という矛盾が生じます。その集団の生活の為に寄付をする、という事です。悪い言い方をすれば物乞いに金銭を与えるのと同じ事になります。良い言い方では、募金という形態により、一種の雇用関係を構築する、と言えます。しかし、募金というのは災害などで一時的に状態が悪化したものを軽減するために行なわれるもので恒常的なものにたいして行うべきものではありません。

どこかの国で飢えているから食糧支援のための募金、などが目につきますが、それ自体が何の問題解決になっていない、という事です。解決しない問題の為に常に募金が必要になり、それはその募金で生活する団体の生活費を払っている事にもなります。この場合の正しい対処は、自分に投資する、です。自分に投資して自分の周りから生活を向上させ全体を向上させる。そうやって行動した集団による影響が問題を発生させている地域にも影響を与え、また、援助出来る余裕を生み出し計画的な支援につながる、という事です。目先の物事に騙されて焼石に水と言える状況を続けない事が大事です。と言っても現状で生死の境にいる人達は、そんな先の事はどうでもよいから早く助けてくれ、と言いたいでしょうが。こういった募金の罠は、他人を信じて簡単に金を手放す、そして金は生活に必要であり不足すれば生命の危機に陥るので容易く金銭を手放す者はリスクが向上します。そして募金を簡単にする者は金離れが良いから奢ってくれたり譲歩してくれたりするんじゃないか、と他者から思われて付け込まれます。

なので募金をする時はそう思われる可能性がある、という覚悟が必要になります。

また、募金は一時的に問題解決のための手段として行われますが、それは社会が準備金として災害対策が出来ていない事になります。もちろん準備しても足りませんが。そこに自分がより多く負担するという形になりますので、それだけ他者に競争で負ける要因になります。

また、これはまだこの作品の話でしっかり書いていませんが、集中封建型、と言われるような税金などを中央に集めて必要とされる場所に配る形態を取る社会では集めるのは確実に取れるだけ取りますが、配る方は政治腐敗などで均等にはなりません。自分は容易く金を手放すが、自分が社会の中で利益を得る事は不確実である、という事を理解して募金しているか、となります。こういった社会では社会の仕組みを高速に回せば回すだけ富の偏在化が生まれます。利息というシステムで富を偏在化させ、社会の予算の使われ方でまた富を偏在化させ、高度経済成長とあえて名付けて情報操作して高速に回転させる事が良い事だと錯覚させて富を偏在化させる。現在の募金というシステムもその一環であり、社会の矛盾に対しての補填を人助けのつもりでしているだけで、誰かのツケを払わされているだけかも知れない事をよく考えてするべきものとなります。


-->同じように家の玄関の目立つ場所にシールやマークを残す事で、その意味を知る人物にとっては貴重な情報源になったりします。

<--ひと昔前かふた昔前はN〇Kの受信料払ってますマークなんかはそういった指標でカモを探すための情報みたいに思われていたようです。好景気で財布のヒモが緩くなり、払わなくても良いよ、と言われているものに金銭を出す、つまりは余裕があるから物を売りやすい、善意で簡単に人を信じて金を払いやすい、という指標にされていたようです。"良い人"の解釈が"都合の良い人"とかそういった感じに受け取られるという事です。

ですのでどこかの公的機関が家の内外に貼り付けようとするシールやマークには少し注意が必要です。彼らにしか分からない暗号に使われている可能性があります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ