〖お前に格好良さがあるとお前が思っても、それは他人が認めない限り自己完結した妄想と変わらないんだよ。何もかっこ良くないから好かれないんだろうがよ!〗
意外な返答のあまり、俺はちょっと驚いて思考が一瞬止まってしまう。
〖お前に格好良さがあるとお前が思っても、それは他人が認めない限り自己完結した妄想と変わらないんだよ。何もかっこ良くないから好かれないんだろうがよ!〗
自分がかっこ良いと思ってても他人がかっこ良いと思ってないから好かれてない、か。
一理ある。だが、これを認めて良いものか?
いや……正しいなら認めないと。
考えてみよう。
〖大体、強○しないことが賢いと思ってんのか? ありえねえよ〗
チンギスハンは首を横に振る。
〖女は陰キャオタクとかより不良の方が好きなんだよ。ロードロード、お前、朕以下だよ。強○魔より格下の陰キャオタクになってて恥ずかしくないのか? 罪深いとさえ思うぞ!〗
少し、カチンときた。
むかつく。
ここまで言われて黙ってられるか。
「お前以下とか言うなよ、この強○大王。そこら辺の老若男女でお前より罪深い奴なんていねえよ。お前、普通どころかちょい悪未満だよ」
チンギスハンは俺を鼻で笑った。
むかつく……。
〖子孫を残せない弱者の分際でほざくなよ。朕も弱者男性かもしれない。いや、弱者男性だよ。強○に成功し続けただけの非モテ不細工だからな〗
世界最強の『無敵の人』だもんな。
遊牧民とかいう失うものが事実上、最初からない部族。
妻も強○被害者ってのが評価をややこしくしてしまう。
〖しかし、人生に本気になって強○したからお前より格が上なんだよ。悔しかったら自分の国の人口より多い子孫を造ってみろよ。モンゴルの人口は三百三十万人くらいだけど、朕の遺伝子持ちは千八百万人くらいいるんだ。大体五倍くらいだぞ〗
すげえ数だな、何度聞いてもそう思う。
チンギスハンは溜息し、
〖いるよな。結婚できない癖に「しない」って言う奴。そういう奴はしないんじゃなく「できない」なんだよ。結婚も強○も本質は同じだよ。出来るか出来ないかって線引きがある。本当に強○出来る強さがあるなら、男なら強○するはずだ。ロードロードは強○をしないんじゃなく、できないんだよ!〗
「なんだと……」
倫理観が違いすぎる。これが遊牧民の覇者の考えか。
チンギスハンは真顔で俺に言葉を続けた。
〖そういえば儒教の孔子は「正直に生きるのが良い」って言ってたそうだぞ? 自分が損をするのに本音を話したりすることはかえって正直ではないと〗
あー、言ってそう。
そんな奴だから孔子のこと、好きになれないんだよね。
上下関係を礼節と言い張って同調圧力作るのには良い教えなんだろうけど、好感度はマイナスの教えだわ。
「お前、孔子好きなの?」
〖いや、その……朕ほど正直に生きた男はいない! それを言いたいだけだ」
「お前は儒教的に正しいと主張するけど、強○まで正しいと主張するのか?」
〖いや、それは……主張できないな。やっぱ朕もブス遺伝子を無理矢理孕まされると思うとぞっとするよ。犯されるなら美女にされたいわ〗
「チンギスハンは不細工だから強○しちゃいけないっていうことだよな?」
〖そうだ。あとな、朕は悪がはびこるのは仕方ないと考えてて、強○はその一種だと考えてる。ただ権力者は取り繕ってるだけで朕はそれが剥き出しなだけ。権力者は皆朕と同じでやることやってるって言いたい〗
「権力者は皆、チンギスハンと同じ?」
〖うむ〗
「どういうことだよ」
〖全員では無いけど、いかれた幼女強○サロンを幾つもの国で見てきたよ。その度、国王とか宰相とか取り繕ってる奴らの中にも朕と同じような奴がいるのを知った。朕はそいつらと同じってことは理解して欲しいんだ〗
「……世界を駆け巡っただけあって、色々見てきたんだな」
〖そりゃ、最強遊牧民だからな〗
言いたいこと、もうこいつも色々言っただろう。
正直、イエス様と話す以上に疲れるぜ。
話題がねー、ちょっと反社会的過ぎるんだよねー。
「そうか。でさ、あの……そろそろ倒していいか?」
〖……もうちょっとだけ、話聞いてくれてもいいか?〗
「お前の話、長いんだよね」
〖あのな。正直、この話題にこんなに付き合ってくれるのは古今東西でお前だけだよ〗
草原覇者の目から弱々しい涙がぼろぼろと流れる。
メンタル弱い系の最強パワータイプって怖すぎ。
生前、マジ敵対した国は地獄だっただろうな。
〖朕、歴史でずっと腫れ物扱いだったから……この話題になると皆、臭いものと見なして蓋をするから、朕を相手にしてくれなくて……ロードロード、相手にしてくれてありがとう〗
「どういたしまして」
チンギスハンは悲しげな顔をする。
〖……朕は強○をした。それは、悪であるのだろう。だが、それなら女もまた悪だとも思う。最後にそれだけ、主張したい〗
「は?」
土曜日更新できなかったの、この話が原因なんです。
「なぜ人が強○してはいけないか」
当然ながら、人が人を殺してはいけない理由と同じで「法律」「倫理」に違反してるからってのが社会の態度としては正解でしかないんです。でも、主人公が問われた場合、「本人なりの答え」が必要だと思うんです。
ロードロードが答えるのは何なのか? それに対し、悩んでしまったわけです。
殺人をいけないというのは、本人がそれをエモいとか「美しい考え」とか思うからこそっていう「個人的理由」もあるとハッピーは考えてて、強○もいけないっていう理由に対し真剣に応えなきゃいけないって思ったんですね。
結果、長くなった。
ロードロード的な「強○はダメ」って理由はもうちょっとです。
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