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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
第四章『観測と選択』

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第37話 『観測塔』

三日後。

水瓶王国、観測塔最上層。

街を見下ろす高さに、巨大な水晶円盤が浮かんでいる。

“生存確率 51%”

数字は維持されているが、揺れは消えていない。

水瓶王が中央に立つ。

「ここが六つ目の前段階領域だ」

床一面に刻まれた演算式が淡く光る。

リゼは入口で止められた。

「均衡は外で見ていろ」

王の言葉は冷たい。

リゼが俺を見る。

「無茶しないで」

「する」

即答する。

王が淡々と告げる。

「六つ目、水瓶は“観測そのもの”だ」

「触れれば、分岐が流れ込む」

「干渉が視界に入る」

俺は水晶円盤へ足を踏み入れる。

冷たい。

だが前の“確率中間層”とは違う。

より深い。

足元に無数の未来が広がる。

俺が選ばなかった未来。

俺が死んだ未来。

俺が七つに到達した未来。

全てが、流れ込む。

頭が軋む。

王の声が遠く響く。

「今は触れるな」

「耐えるだけだ」

未来が洪水のように押し寄せる。

俺の思考が揺らぐ。

蛇がざわつく。

奪えば楽だ。

六つ目に触れれば、制御できる。

だが。

触れない。

俺は歯を食いしばる。

未来は星じゃない。

ただの可能性。

一つを掴まない。

ただ、流させる。

王が言う。

「観測は支配ではない」

「理解だ」

視界に、透明な亀裂が現れる。

管理者の気配。

以前より近い。

俺を見ている。

測っている。

干渉準備。

膝が震える。

立っているだけで限界だ。

未来の中で、俺が壊れる映像が流れる。

精神崩壊。

選択不能。

器の破綻。

蛇が囁く。

――触れろ。

楽になれる。

六つ目に触れれば、この洪水を制御できる。

王の声が鋭くなる。

「まだだ」

俺は叫ぶ。

「分かってる!」

未来を掴まない。

否定もしない。

ただ受け止める。

数えきれない分岐。

成功。

失敗。

崩壊。

再編。

七つ到達後の世界。

どれも現実味がある。

だが今は――

選ばない。

床の光が強まる。

水晶円盤が軋む。

王が目を細める。

「観測負荷、限界値接近」

頭が割れそうだ。

視界が白く染まる。

その中で、たった一つの感覚。

リゼの天秤。

外から、かすかに均衡が流れ込む。

支え。

俺は立ち続ける。

未来の洪水が、やがて少しだけ落ち着く。

揺らぎが減る。

管理者の亀裂が、わずかに後退する。

王が静かに言う。

「……耐えたか」

俺は膝をつきながら笑う。

「六つ目、遠いな」

王が近づく。

「だが近づいた」

水晶円盤の光が消える。

観測塔に静寂が戻る。

“生存確率 52%”

わずかに、上がっている。

王が言う。

「六つ目は君を拒まない」

「だがまだ触れるな」

俺は立ち上がる。

ふらつきながらも、倒れない。

未来を奪わず、触れず、

耐えた。

六つ目との距離は、確実に縮まった。

観測塔訓練、第一段階終了。

第37話まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

ついに観測塔へ。

・六つ目前段階訓練

・未来の洪水

・干渉との距離縮小

・生存率52%へ

水瓶編は、力よりも“器”を描いています。

ここからさらに踏み込みます。

もし

「面白い」

「この章好き」

「六つ目どうなるの」

など感じていただけたら、

ぜひSNSやXなどで拡散していただけると嬉しいです。

読者の拡散が、新しい読者との分岐になります。

あなたの一言が、この物語の未来を増やします。

引き続き応援よろしくお願いします

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