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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
第三章『女王を喰らえ』

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第22話 『観測開始』

五つ目、獲得。

獅子女王を“越えた”瞬間。

世界は静かに――

そして確実に反応する。

管理は、監視から次の段階へ。

夜。

獅子王国の空は静まり返っている。

だが俺の胸の中は違う。

蛇・牡羊・蠍・王毒・獅子。

五つの星が、互いを求め合うように脈打っていた。

「安定してない」

リゼが真剣な顔で言う。

天秤が淡く光る。

「出力が跳ね上がってる」

「分かってる」

立っているだけで、地面が軋む。

抑えているのに、溢れそうだ。

その時。

空に、細い線が走った。

亀裂。

だが今までとは違う。

白ではない。

“透明”。

見えないのに、確実にそこにある。

レオーネが空を見上げる。

「観測か」

低い声。

次の瞬間。

頭の奥に、冷たい感覚。

何かに“測られている”。

「統合機構、再評価」

無機質な声が直接脳裏に響く。

姿はない。

だが確実に干渉している。

「五つ目到達確認」

「起動閾値まで、残り二」

空間が震える。

俺の五つの星が勝手に共鳴する。

無理やり同期させようとしている。

「拒否する!」

叫ぶ。

蛇を広げる。

だが今度は攻撃ではない。

“解析”。

管理者は奪おうとはしていない。

測っている。

計算している。

「未来分岐、再構築」

意味が分からない。

だが嫌な予感しかしない。

その瞬間。

視界が歪んだ。

周囲の景色が溶ける。

夜が昼に。

森が廃墟に。

俺は立っている。

見知らぬ場所。

足元には、崩れた都市。

空は完全に裂けている。

七つの星が、俺の胸で輝いている。

未来。

俺が七つに到達した後の光景。

「……これが」

喉が乾く。

背後から声。

「可能性の一つだ」

振り返る。

未来の俺。

冷たい目。

だが、前よりも少しだけ疲れている。

「見せられているのか」

「ああ」

未来の俺が言う。

「管理者は観測を始めた」

「七つに届いた瞬間、干渉は全面化する」

崩れた世界を見渡す。

「これはお前が“壊す”未来」

別の景色が重なる。

同じ七つ。

だが世界は再編されている。

国家の枠が消え、星が均等に分配されている。

「これは“再配置”を選んだ未来」

どちらも現実味がある。

どちらも、重い。

「選べと言うくせに」

俺は歯を食いしばる。

「選んだ瞬間、世界が壊れる」

未来の俺は頷く。

「だから器が必要だ」

視線が俺の胸へ向く。

「五つで観測段階」

「六つで干渉準備」

「七つで起動」

はっきりとしたカウント。

戻される。

視界が元に戻る。

夜。

獅子王国。

レオーネとリゼが目の前にいる。

「今、何が見えた」

レオーネが低く問う。

「未来だ」

短く答える。

リゼが息を呑む。

「未来視……?」

「いや、観測」

空の透明な裂け目が揺らぐ。

「統合機構、監視強化」

声が遠ざかる。

消える。

だが完全には消えていない。

見られている。

五つ目に到達したことで。

俺は拳を握る。

「二つだ」

残り、二つ。

レオーネが言う。

「慎重に行け」

「六つ目は危険だ」

王の直感。

正しい。

リゼが静かに言う。

「次はどこへ?」

候補はある。

水瓶。

未来予測の国。

あるいは――

天秤。

均衡そのもの。

俺は空を見上げる。

透明な亀裂はまだ薄く残っている。

「未来を見るなら、水瓶」

「均衡を知るなら、天秤」

迷う。

だが。

未来を見せられた今。

知るべきは、壊れた後ではない。

「水瓶だ」

決断する。

「未来を奪いに行く」

リゼがわずかに震える。

「未来まで喰う気?」

俺は笑う。

「選ぶためにな」

遠く、北の空で冷たい光が瞬いた。

水瓶の領域。

観測は始まった。

星座戦争は、次の段階へ。

第22話でした。

・五つ目で“観測段階”へ移行

・未来の可能性提示

・七つ到達で起動確定

・六つ目は危険域

・次章、水瓶編へ

ここから物語は“未来干渉”フェーズ。

戦いは力だけでは済まなくなります。

六つ目、最も危険な領域。

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