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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第二百六十二話 教会の奉仕活動で大事件が

 ちなみに、逃げていった貴族の父親を陛下が呼び出して注意を言ったそうです。

 シャーロットさん自ら主催する奉仕活動に参加したものにケチをつけることは、シャーロットさんを貶すことに繋がるとかなり怒ったそうです。

 合わせて、もし勇者様パーティの活動に文句を言ったら、今度はヘンリーさんの名を汚すとも言いました。

 ということで、この件が落ち着くまでは僕は単独行動を控えるようになりました。

 とはいえ、やることはたくさんあるので順番にこなしていきます。

 今日までカエラとキースがオラクル公爵家に滞在するのだけど、一緒にスラム街の教会で奉仕活動をすることになりました。


「えーっと、これをこうしてあれをあーして……」

「これも出そうかな?」


 スラム街の教会に着くと、カエラとキースがさっそく治療の準備を始めていた。

 実家でもたまに治療の依頼を受けるそうなので、手慣れた感じでマジックバッグから椅子とかを取り出していました。

 ヘンリーさんとスラちゃんは、兵とともにスラム街に根付く犯罪組織の壊滅に動き始めています。

 僕も、エミリーさんとドラちゃんとクロちゃんと一緒に廃墟の浄化をするので、シンシアさん、ナンシーさん、ギンちゃん、キキちゃん、シアちゃんがカエラとキースのところにいてくれるそうです。

 ちなみに、シャーロットさんも後ほど奉仕活動に合流することになっています。

 ではでは、さっそく浄化作業を始めましょう。


「アンアン!」

「おっ、クロちゃんここなんだね」

「アン!」


 建物のよどみは、クロちゃんが直ぐに嗅ぎ分けてくれます。

 ちょっとしたよどみでもクロちゃんなら嗅ぎ分けられるので、該当するところはドンドンと浄化していきます。

 こうして一時間ほど浄化作業をして、僕たちはスラム街の教会に戻ります。

 何事もなければ、そろそろシャーロットさんが教会に着いているはずです。

 そう思っていたら、教会前に僕たちが乗ってきた王家の馬車の他に豪華な馬車が一台止まっていました。

 更に言い争う声まで聞こえてきたので、これは絶対に良くないことが起きていると思わずエミリーさんと顔を見合わせてしまいました。

 急いで教会に駆け寄ると、なんとこの前大教会で僕に絡んできた貴族がカエラとキースに詰め寄っていたのです。

 というか、よく見るとカエラとキースが大きく両手を広げてあの貴族を通せんぼしていますね。

 そして、更によく見るとシンシアさんがシスターさんを治療していました。


「こ、これはどうなっているの?」

「「あっ、ナオお兄ちゃん!」」


 僕がみんなのところに近寄ると、カエラとキースがホッとした表情で僕のことを見ました。

 そして、あの貴族が僕とエミリーさんの顔を見て「げっ……」って表情を見せました。


「あのね、この人がシスターさんを突き飛ばしたんだよ」

「いきなり『炊き出しを手伝わせろ』って言ってきて、シスターさんが確認すると言ったら怒ったんだよ!」


 カエラとキース曰く、本当にたまたまシンシアさんとナンシーさんがいないタイミングで、例の貴族がシスターさんに詰め寄ったそうです。

 カエラとキースは治療をしていたので、直ぐにシスターさんを助けられなかったそうです。

 そんな時、シンシアさんが僕に声をかけました。


「ナオ君、治療を手伝って。頭を打っているのよ」


 シンシアさんに言われて急いで駆け寄ると、なんとシスターさんが血塗れで倒れていました。

 ドラちゃんもいるので、直ぐに僕が回復魔法でドラちゃんが聖魔法の回復魔法を放ちました。


 シュイン、ぴかー!


「大丈夫ですよ、直ぐに良くなりますよ」

「キュー!」

「うぅ……」


 既にシンシアさんとシアちゃんがある程度治療してくれていたので、治療の最中に怪我をしたシスターさんは意識を取り戻していました。

 そして、とうとうエミリーさんが激怒しちゃいました。


「兵よ、聖職者への暴行の現行犯でゴーマン伯爵家嫡男、ゴマスリーを逮捕せよ。厳しく取り調べるのだ!」

「「「はっ」」」


 エミリーさんが、怒りの表情で兵に指示を出しました。

 シスターさんに暴行した貴族は、大暴れしながらも兵によって後ろ手に拘束されました。


「ぐっ、たかが平民の聖職者を怪我させただけじゃないか。なぜ、貴族の中の貴族である俺が捕まらないとならないのだ!」


 なんというか、物凄くみっともない姿をさらけ出しながらシスターさんを怪我させた貴族は大声で叫んでいました。

 しかし、全てのことの成り行きを急いで駆けつけたヘンリーさんが見ていました。

 どうやら、ナンシーさんがヘンリーさんとスラちゃんを呼びに言ってくれたみたいですね。


「お前、新年の謁見後これで何回目の騒ぎだ? 貴族以前に、人として失格だ」

「ぐっ……」


 ヘンリーさんは、かなり珍しいレベルで激怒していました。

 ヘンリーさんの物凄い迫力に押されて、貴族は完全に怯んでいました。


「連行して、私とお祖母様主催の奉仕活動をぶち壊しにした件でも厳しく調べるのだ。また、大教会にも連絡するように」

「「「はっ」」」

「離せ、離しやがれ!」


 そして、兵は尚も抵抗する貴族を連行して行きました。

 その間に、僕のところにはスラちゃんとカエラとキースも加わってみんなでシスターさんの治療をしました。

 何とか意識を取り戻したみたいで、手足も軽く動かせますね。

 すると、一台の馬車が教会前に停車しました。

 間違いなく、シャーロットさんの馬車ですね。

 シャーロットさんは教会内の惨状を見て血相を変えていたけど、ヘンリーさんが事情を説明するとシスターさんの側に膝をつきました。


「そんなことがあったなんて、本当に申し訳ないわ。私からも謝罪させて下さい」

「その、い、今は動けますから……」

「動いては駄目ですわ。私の馬車で、大教会の治療院に運びましょう」


 ということで、一度生活魔法でシスターさんを綺麗にしてから担架で馬車に運ばれました。

 シャーロットさんとシンシアさんが、一緒に馬車に乗り込みました。

 うーん、これはとんでもないことになってしまったぞ。

 炊き出しは僕とエミリーさんとスラちゃんで準備することにして、治療はカエラとキースもそのまま手伝うことになりました。

 ヘンリーさんは急いで王城に戻ることになったし、今日はこのままドタバタしそうです。

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