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みな、いなくなってしまった。残ったのは、僕だけだ。
壊れた宇宙船では故郷の地球に帰ることはできない。
やることがない、というのはこんなにも暇でつらいものなのか、と。
「何が面白いものはあるかい?」
「本があります」
それはもう読み終わってしまった。
「ボードゲームはどうでしょう」
自分より頭が良いと分かり切っているロボットと、チェスをする趣味はない。
「花の種がありますよ」
「それは面白いものなの?」
「もうネタが尽きたんですよ」
僕は溜め息を吐いて、外に出ると、花の種を植えた。それで、終わってしまった。
そう思っていたのに。