No.10番犬と白鳥
今更ですけど、これ技名がないと描写が苦しいですね。
ウサマルとかキョウには技名があるんですけど他の子にはないので応急処置をしたいと思います。
今シリーズは次回作の実験台になってもらいます。
次のリーグ戦で使用していきます
12月下旬 シャトランス・地下
「カンナさん、実験に付き合ってもらえますか?」
「呼び出しを受けたと思ったらなんですか?いきなり」
冬休み前、パパに一言、言ってからヨーロッパ支部のあるドイツへと向かおうと思ったのだがペルケレ先生に依頼を受けてしまった。
「実はレイカさん対策で守護霊か武器に新しい力を伝授したいと思っていまして。サンプルが必要なんです。「奥義」のね」
「成る程、守護霊と武器だけだと戦力が拮抗してしまうから“差”をつけるという事ですね」
「仲間はこちらの方が多いですけどね、と言う事でカンナさんよろしくお願いします」
ペルケレ先生が以前、ウサマルさんとの戦いで全員の武器を収めていたが、彼はママ以外全ての守護霊を管理し改造する事が出来るという。
ペルケレ先生が味方で良かったと改めて思った。
私は八咫烏さんの仲間を呼び出す《烏合の衆》を習得した。
攻撃も大規模偵察も可能だ。
後日 ドイツ・ベルリン中央駅
ドイツの首都ベルリンを代表する中央駅は一面ガラス張りで真上を見れば青空が見える。
周りの風景と一体化した駅は敷地以上に広大に見えるだろう。
身近な場所に例えるなら金沢駅と似ている気がする。
「初代守護者の出身に合わせてベルリンに事務所を置いているんだってさ。駅で待ち合わせしてるから来てくれると思うよ」
「はーい、シャトランスの生徒会メンバーども、こっちだよ」
「紹介するね。今回、協力してくれたシルヴェスタアース寮の初代寮長ファーブル・アンリエッタさんだよ」
アンリエッタさんは額のゴーグルをクイっと上げ、私達を見つめてくる。
守護霊は白鳥の様なので授業で教えてもらった通り水上機に変わるのだろう。
「今日はよろしくお願いします。他の方は事務所に?」
「そっ、番犬兄弟もいるよ」
番犬兄弟?と首を傾げているとヴァニラさんが教えてくれた。
「ほら、ヨハンナとマリアのお兄さん達よ。ケルベロスとオルトロスは番犬としてお話しに残ってるから」
「あぁ、成る程。そう言う事ですか」
そのあと、アンリエッタさんに案内され支部へとたどり着いた。
「しかし、OB会だからと言って事務所があると言うのは変わっているでござるな」
「皆んな散らばってるから集まる場所が必要なのよ。シャトランスは特殊だからね。卒業後も守護霊を持てる訳だし、悪用しないように交互監視が必要な訳。本命は守護者の捜索だったんだけど、苦戦してるのよね」
守護者4名の居場所はヤンさんからを言うなと口止めされている。
OBの中に敵がいる可能性があるからだ、今日はその見極めをさせてもらう。
室内に入ると見慣れた顔の2人がいた。
リーグ戦の時にお会いした、ヤコヴォスさんとイオアンさんだった。
「おっ、来たな。ようこそ、我がヨーロッパ支部へ。それで今日は何しに来たんだ?」
「いや、貴方達に会いたかっただけだから特にないよ」
「おい、ワット、何言ってるんだ!!会いたいって言ったのはお前じゃないか!!」
私は呆れ、ラントユンカー君はワットさんを肘で突いている。
その様子にイオアンさんは大笑いしていた。
「面白い奴らだな、でも良かったな。今年はリーグ戦再開するんだろ?俺達心配してたんだぞ?オクトール諸島に出入り出来なかったしな。お前たちが無事で何よりだぜ」
「ヨハンナやマリアから状況は聞いてたが、異質すぎて理解するのに時間かかったぞ。シャトランスの地下にいるなんて誰も分からないだろうが。あの人もなんで言わないんだ?」
「あの人って誰ですか?」
「本当にいるの?亡霊なんて?あんた達の勘違いじゃないの」
「本当に会ったんだよ。他の奴らだって見てる」
「(...成る程、分かった。ママの言っていた外にいる協力者が。思ったより身近にいる。気をつけないと)」
その亡霊が母である事を伏せ、2人のご機嫌伺いをする。
「でも、七不思議で校舎にいるって聞いた事があります。幽霊船はワットさんも見ましたよね?」
「うん、ハロウィンの時でしょ?懐かしいな。...亡霊も何処かにいるんじゃない?知らないけど」
「ちょっとやめてよ。私が可笑しいみたいじゃない」
「ほらみろ、やっぱり俺達は間違ってない。いるんだよ。彼女は」
「ねぇ、彼女って誰の事なの?」
「いつか会えると思いますよ。ヴァニラさん」
しかし、厄介だ。OB会の中に敵味方が混じっている状態だ。
番犬兄弟は黒だ。アンリエッタさんは白に見える。
そのあと、出来る限り情報を伏せながら最後に一つ質問する事にした。
「あの、他に亡霊を見たって言う人はいませんか?シャンランさんからグイフェイさんの事を聞いた事があるんですが、彼女は?」
「グイフェイ?同じ寮じゃないし、分かんねぇな。アンリエッタは知ってるか?同じ寮長だろ?」
「それを言うならあんた達もでしょ。そんな話聞いた事もないわ。アジア支部とは疎遠だしね。会って見ないと分からないわ」
「そうですか。ありがとうございます」
帰り際、アンリエッタさんに警告を促す為、送って欲しいとお願いし、6人で駅へと向かった。
No.10を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.11「真実」をお送りします。




