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不死身少年と死神少女  作者: YUKI
罪悪感と生神少女
12/32

ep11 視線の正体

2週間ぶりの更新となりました。YUKIです。

いきなり遅れてしまい申し訳ありませんm(_ _)m

これでも忙しかったんです!

ツイッターを見てくださってる方はわかってくださると思いますが・・・。

先に告知しておくと次回更新は来週の月曜になる予定です。

それではep11をどうぞ!


 青葉が家に着いたのは午後8時だった。


 岡崎が不安そうだったのでつい家まで送ってしまったせいだった。


 青葉「結局メルアドも交換しちまったしな・・・。」


 他人のアドレスを登録することなど何年ぶりだろう。


 なぜこんなにも簡単に教えてしまったのか青葉には分からなかった。


 綾川「青葉っ!いくらなんでも帰ってくるのが遅いわよ~。」


 突然名前を呼ばれた。綾川だ。


 青葉「・・・・・・はぁ。」


 綾川「ちょっと!なにため息ついてんの?」


 青葉「お前も俺の悩みの種の一つだ。」


 綾川「はぁ!?どういう意味よ!」


 青葉「そのままの意味だ。」


 なんでこいつはこんなにテンションが高いんだろう。


 だいたいこいつは今日1日何をしていたんだ?


 青葉はそこまで考えたときあることに気づいた。


 それは非常に単純かつ最も可能性が高い答え。


 青葉「・・・お前か?」


 綾川「はぁ!?今度は何よ!」


 青葉「お前が今日俺を殺そうとしてあいつを巻き込んだのか?」


 青葉はまっすぐに綾川を見た。


 目つきの悪い目で鋭く睨む。


 おもわず綾川はたじろいだ。


 綾川「な、何言ってんのよ!今日は力を使ってないわ。」


 青葉「本当か?」


 綾川「本当だってば!第一昨日言ったでしょ?


    私は一度に何度も死をもたらすことはできないって。」


 青葉「・・・・・・」


 なおも青葉は睨むのをやめなかった。


 綾川「まだ疑ってんの?いったい何があったって言うのよ。」


 青葉「・・・今日、万引き犯と格闘した。


    そいつはナイフを持っていて、俺と一緒にいた奴を人質にとった。


    幸いこちらに怪我は無かったけどな。」


 綾川「・・・つまり死の危険があったってこと?」


 青葉「そういうことだ。」


 綾川「おかしいわね。私は本当に死をもたらしてないわ。


    それなのにどうして?ただの偶然とも考えられるけど・・・。」


 綾川は本当に知らないようだった。


 青葉「・・・考えても仕方ないな。家に入ろう。」


 綾川「・・・ええ、そうね。でも気をつけなさいよ?


    私の力で死ぬ前にあんたに死んでもらったら困るのよ。


    また修行するのはこりごりよ。」


 青葉「心配の言葉として受け取っといてやる。」


 青葉はそう答え家に入り、綾川もそれに続いた。







 それから1週間が過ぎた。


 その間青葉は、何度か岡崎に買い物に付き合わされたり何故か一緒に帰ったりした。


 そのたびに青葉は自分の呼び方を変えるように岡崎に言うが


 まったく変えようとしないので、次第に諦めて結局”青っち”のままだった。


 これについても青葉は頭を悩ませたが、


 本当に気がかりなのはこんなことではなかった。


 この1週間の間、青葉は3回ほど死の危険に晒された。


 うち1回は綾川によるものだと本人が自白した。


 つまり1週間の間に2回、青葉は綾川の力とは関係なく死にそうになったのだ。


 それだけならまだいい。偶然という可能性もわずかにありえることだ。


 しかし、どうしても偶然では片付けられないことがあった。

 

 2回のうち2回とも、岡崎と一緒にいるときに死の危険に晒されたということだ。


 この前のひったくり事件と合わせて3回、岡崎も死にそうになったということになる。


 短期間にここまで死の危険に晒されることなどほぼありえないと言っていいはずだ。


 青葉は夕食の買い物についてきた綾川に自分の疑問をぶつけた。


 綾川「本当、不思議よね~。」


 青葉「他人事のように言ってるが、お前は俺に死なれたら困るんじゃないのか?」


 綾川「そりゃそうだけど見当がつかないのよ。


     私以外の死神候補生があんたを殺そうとしてるはずはないし・・・


     そもそも1人の人間につける死神候補生は1匹だけだし。」


 青葉「岡崎に死神候補生がついている可能性はないのか?」


 綾川「ないでしょうね。それならとっくにその岡崎って人は死んでるはずよ。


     まさかその人もあんたみたいな特殊な奴じゃないだろうし。


     ・・・あ、私オムライスが食べたい!」


 そう言うと綾川はかごに卵パックを入れた。


 青葉「急に話を変えるな。あと、勝手に夕食のメニューを決めるんじゃない。」


 綾川「まあまあ、いいじゃないの。どうせまだ決まってないんでしょ?」


 青葉「・・・はぁ。わーったよ。」


 結局わかったことは綾川の好物がオムライスであるということだけだった。




 帰り道。青葉と綾川は静かに歩いていた。


 青葉「・・・・・・見られてる、よな?」


 綾川「・・・ええ。視線を感じる。」


 青葉と綾川は同時に振り返った。


 誰もいないように見える。だが、微かに人の気配を感じた。


 青葉「誰だ?俺たちに何か用か?」


 綾川「隠れても無駄よ。おとなしく出てきなさい。」


 2人はまだ見ぬ追跡者に声をかけた。


 すると・・・静かに姿を現した。


 ???「・・・こんばんは。」


 視線の正体は10歳ぐらいの少女だった。


 長い髪の毛を風になびかせ、静かに佇んでいた。


 青葉「・・・?」


 青葉は予想とは違う追跡者の姿に戸惑いを隠せなかった。


 綾川「あなたはいったい誰?」


 綾川は少女に尋ねた。


 少女は顔をこちらに向け、ゆっくりと口を開いた。


 ???「私は橘由里(たちばなゆり)


      ・・・・・・あかりちゃんについている”生神”です。」


 物語は少しずつ、複雑な思いを伴って動き始めていた-------


感想等お待ちしております。

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