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変わり者錬金術士アレイシアの研究日誌  作者: 大蛇山たんと


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宝石商の水銀 その3

「まず魔力の伝導。水銀という素材自体、そもそも魔力の伝導率の高さから魔導機の部品としても使われることが多いのは有名なのはわかるわよね?」

「ふひひ……もちろ~ん……そもそもうちの宝石や鉱石の加工にも、魔導機使ってるし~……。」

「この水銀は、通常の水銀よりも魔力の伝導率が高い事が分かったわ。」

「お~……それは、優秀な素材……?」

「でも、確か伝導率高いって、良い事だけじゃないですよね~……?」

「ええ、そうね。」


エクセの指摘通りだ。

伝導率は、単純に高ければ良いというわけではない。

伝導率が高すぎた場合、例えば同じ量、同じペースで普通の水銀みたいに魔力を送ると、伝わる魔力が多すぎたり、伝わるのが速すぎると魔導機のパーツが壊れる可能性もある。

つまり、そもそも「それ」を使用する前提で組み上げた魔導機の素材にしないと、普通の水銀とただ取り替える、ではいけない可能性が高いという事だ。


「流石に私が一から魔導機を組み立てる、というのはこの期間では無理だったわ。この水銀を利用した魔導機のパーツを用意するには資金も足りなかったし。」

「うへへ~……流石にそこら辺の資金提供は、出来ないからね~……。」

「そこももちろん把握済みよ。だから、今回は魔力の伝導率を中心にした話はこれくらいにしておくわ。」

「ふへ、なるほど~……?」


そう言うと、レポートの紙を進める。

次にレポートに書かれたのは……。


「次は、魔法に対する反応の実験よ。それぞれの属性に対する反応を確認したわ。」

「なるほど~……確かにマジックアイテムとかに使うなら必要な研究だもんね~。」

「私はマジックアイテムが基本の錬金術士じゃないけど、それでもポーション以外の錬金術を研究するなら必要だったからね。」


それぞれの反応を調べた結果だ。

火属性。

水のように沸騰し、火力を強くすると気体に変わった。

体内に残留すると危険、薬効は無くなってはいなかった。

水属性。

油のように水と分離した。

また、錆びに対して耐性があるのか、長時間水に浸しても錆びる様子は無かった。

それどころか、銀の特性である聖属性の特性と薬効を水が獲得し変質した。

氷属性。

氷属性である程度冷やすと固体化した。

銀とはやはり違うらしく、時間が経つと固体から液体状に戻っていた。

地属性。

結晶にして固めると、銀と同じように聖属性の特性を得た。

これは銀とも同じ特性であり、どうやら銀と同じ特性も持っているらしい。

風属性。

風属性は特に大きな反応などは無し。

強いて言うなら普通の水よりも重い液体なので、風属性に水銀を動かさせるのは、少し魔力の必要量が多いと推測している。

雷属性。

魔力の伝導率の高さ故か、雷属性の魔力を帯電する。

普通の水銀も帯電するが、当然この水銀の方が帯電する雷属性や磁力も大きい。

木属性。

木属性で作った植物にこの水銀を与えると、枯れるどころか育つのが速くなった。

木属性で作った植物だからか、それとも植物全般に作用するのかは不明。

植物の一部を取って調べたところ、水銀の一部が植物の中に僅かに混ざっている事が判明した。

魔力の伝導率が肥料のようになっているのか、それとも薬効成分が肥料の代わりになったのかhア不明。

通常の水銀の場合、水銀を植物に与えると木属性の魔力で作った植物でも枯れたりするのでそもそも性質から違う可能性もあり。

聖属性。

聖属性の魔力に反応するらしく、聖属性の魔力に近づいてくるという特性があった。

聖属性に物質を引き寄せるという特性は本来は無い筈だが、この水銀は引き寄せる事が可能な為、かなり強力な聖属性との親和性があるのかもしれない。

闇属性。

聖属性とは逆に、水銀が反発するという特性が発揮された。

聖属性との関連性から考えて、魔導機などに使用する時に、闇属性の魔導機などに使う場合はかなり工夫が必要かもしれない。


「……以上が、それぞれの魔力に対する反応を調べたレポートね。」

「ふへへ~……いいねいいね~……この短期間に、ここまで魔力の反応を調べていたなんて、流石仕事が速いね~……。」

「薬効の成分がそもそも聖属性の癒しの魔法という可能性もありますね~……凄いよ、アレイシアちゃんっ。」

「それはどうも。調べるのに骨が折れたわ。」

「ふひひ、それで、何か錬金はしたの~……?」

「それについては最後のレポートを見て頂戴。」


アレイシアに言われるままに二人はレポートを進めた。

そして、それに合わせて、アレイシアはとある物を出した。


「ふひ?なあに、これ~……?」

「剣の……柄?」

「まあ見て居なさいな。」


そう言いながら、アレイシアはその柄だけの剣を持つj。

そして、それを持って、二人から離れると……ひゅん!、とその柄を振った。

すると、その柄から剣が飛び出した。


「おお~。」

「ふひ、これは……。」

「魔力を通すだけで魔力の刃が出る剣よ。」

「おお~……。」


ジュエリはぱちぱちと拍手する。

その剣は美しく、そして、水銀とは思えないように、鋭く見える剣であった。


実物の水銀とは違う特性もあると思いますが、この世界の水銀は現実の元素の水銀とは違いますし、この世界の一般的な水銀とも違う水銀なので全然違う特性を持っていてもオッケーです。

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