第1章:力の代償
宇宙は絶対的な法則によって規定されているが、アシュラはその法則の歪みである。
異端者として生まれたアシュラは、世界の神聖な秩序に馴染まない。宇宙の力、天界のエネルギー、そして伝説的な存在によって支配される現実において、彼は自らの運命を真に支配するために、危険な道を歩まなければならない。
彼は彼らの地位を駆け上がるためでも、彼らのルールに従うためでもない。彼はゲームそのものを変えるためにここにいるのだ。
異変が天界に挑戦するとき、宇宙は二度と元には戻らない。
古の神々が沈黙してから、9年の歳月が流れた。
世界は彼らの声なしに呼吸することに慣れていたが、苦しみは深まるばかりだった。家族は子供を埋葬し、戦士たちは忘れ去られた戦場で血を流し、弱き者は虚ろな天に向かって必死の祈りを捧げた。
しかし、答えはなかった。
そして、9年目の夜明け――天が揺れ動いた。
空が、砕け散った。
無数の神聖な光の川が大地に流れ込み、あらゆる領域を天の生命力で満たした。神々の賭けは、人類に野火のように広がり、死すべき者の魂に織り込まれていく。
しかし、それは王や聖人を求めたのではなかった。
それは――傷ついた者を求めた。
泥の中を這いずり回る足の不自由な兵士は、生気のない足に力が戻るのを感じた。
悲しみに暮れる未亡人は、自分の涙が燃え盛る力へと昇華するのを見た。
飢えに苦しみ、死の淵に立たされた少女が、虚ろな瞳に光を満たしながら、ゆっくりと立ち上がった。
苦しみから、力が生まれた。
古の神々は嘲笑った。
これは決して祝福などではない。
ただの娯楽だった。
あらゆる苦難は扉となり、最も深い苦痛に耐えた者だけが、神聖なるプラーナの器となった。
その日から、苦痛はもはや単なる苦痛ではなくなった。
それは、力を得るための代償となった。
---
八年後……
朝の陽光が賑やかな街路を照らし、商人が客を呼び、車が混雑した交差点を流れていた。
アシュラにとって、人生は相変わらず苦痛に満ちた平凡なものだった。
彼は食料の入った紙袋を手に、小さな食料品店から出てきた。穏やかな表情で家路につく。
彼の右手のひらには、袖の下に隠れてほとんど見えない、かすかな印があった。
それは彼にとって、さほど意味のあるものではなかった。
そして次の瞬間、世界が爆発した。
近くの建物が炎上し、耳をつんざくような爆発音が街を揺るがした。ガラスの破片が路上に降り注ぎ、煙が空高く立ち昇り、恐怖の叫び声が四方八方に響き渡る。
人々はパニックに陥り逃げ惑った。
立ち尽くす者もいた。
アシュラの心臓が、ドクンと跳ねた。
考える間もなく、彼は恐怖に怯える群衆を押し分け、災害現場へと駆け出した。
走るにつれ、手のひらに熱い温かさが広がっていく。
彼が視線を落とす。
薄れていた印が、眩しく光り始めていた。
彼の目が細められた。
「二人の選定者……?」
彼は前を睨みつけた。
煙の向こう、燃え盛る路上で二つの人影が激しくぶつかり合っていた。彼らの魔力は、まるで稲妻のように空気を切り裂いている。
一人が瓦礫の中からよろめき出てきた。傷つき、激しく血を流している。
もう一人は、信じられないほど冷静に歩みを進めていた。両手をパーカーのポケットにしまい込み、ビーチサンダルで砕け散ったコンクリートの上を擦りながら。まるで、この破壊など何の意味もないかのように。
敗北した男が、ついに片膝をついた。
「ちっ……くそっ……!」
フードを被った人物が、薄笑いを浮かべる。
「まだ立っていられるのか? 見事だよ……だが、無意味だ」
アシュラはついに、その顔を捉えた。
腕に抱えていた食料品の袋が、指先から滑り落ちる。
彼の瞳が、驚愕に大きく見開かれた。
「……ダンテ?」
初投稿です!お読みいただきありがとうございます。
もし気に入っていただけたら、ブックマークや評価をよろしくお願いします!




