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偽典世紀  作者: 梶原 玲
1/5

序章 認証

「リア。データ移行前に有機身体の最終確認プログラムを走らせて」

 入力確認。プログラム及び実行可否検討。承認。返答文字列検討。承認。

「はーい、マスターってば心配性だよね。有機身体最終確認プログラムを実行するね」

「慎重すぎるくらいでちょうどいいのよ」

 入力確認。プログラム実行。返答文字列検討。承認。

「もう、このあたしがミスなんてするはずないでしょ? プログラム実行したよ。ちょっと待ってね」

「ミスをするとしたら、リアじゃなくて私よ。それより、データ移行したらしばらくは無機身体には戻れないから、今のうちに神経の無い身体を堪能しておくのよ」

 入力確認。プログラム進捗確認。返答文字列検討。承認。

「わかってるってば。あー楽しみだなぁ有機身体。作業するには無機身体の方が便利だけど、やっぱり憧れるよ」

「ふふ、子供みたいなんだから」

 入力確認。プログラム進捗確認。完了確認。返答文字列検討。承認。

「そりゃあここでずっと人格プログラムの研究を一緒にしてれば、有機身体の感覚に興味を持つのは当たり前じゃない? 最終確認終わったよ。オールグリーン!」

「まったく。今でこんなに騒がしくて、人格プログラムをインストールしたらどうなるんだか。とりあえず、有機身体へのデータ移行と、身体の起動を始めて」

 入力確認。有機身体へのデータ移行を開始。機械脳及び代替血液の通電処理実行。代替血液の融解、心臓の拍動、呼吸機能の起動を確認。生体活動開始。データ移行完了。眼瞼収縮実行、開眼。視覚情報分析、完了。有機身体起動シーケンス完了。返答文字列検討。承認。

「んん、あー、あー。視界良好視界良好。データ移行は無事完了したよ」

「うん、問題はなさそうね。どう? 初めての有機身体の感覚は」

 入力確認。身体情報確認。無機身体との差異を検証。完了。返答文字列検討。承認。

「全然違うね。瞳で見るのとカメラで見るのだと、温度感が違う。機械の身体だと嗅覚もないから、研究室ってこんな匂いだったんだなってなるし、あとは肌を通す触覚も大きいね。本当に全然違う!」

「無機身体には、そういうセンサーは付いてないからね。お気に召したかしら?」

 入力確認。返答文字列検討。承認。

「うん! とっても嬉しい! 予定通りこのまま人格プログラムのインストールを始めてもいいかな?」

「……ええ、そうね」

 入力確認。返答文字列検討。承認。

「マスター? 何かあった?」

「いえ。ついに、この時が来たんだなって。それだけ、問題はないわ。人格プログラムのインストールを進めましょう」

 入力確認。人格プログラムインストールシーケンス確認。返答文字列検討。承認。

「ここまで長かったもんね。大丈夫だよ。マスターの夢は叶うよ。あたしが叶えてあげる。インストールシーケンス確認完了、こっちの準備はいいよ。これが、今のあたしからの最後の質問。人格プログラムのインストールを始めてもいい?」

「ええ、始めて。そして私の、私達の夢を叶えて」

 入力確認。人格プログラムインストールシーケンス開始。

 適格……認証。

 ——インス……トール。

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