滝の帰還
そして、翌朝
滝さんを病院で迎えに行くのに誰がいいかと食堂にて今いる能力者全員集まり司令官と話し合いが始まっていた
なにも大げさにこんなことやらなくても、と内心俺は思っていたんだが…
司令官がこう話す
「滝も純もいないんだ、万が一道中2人が敵に襲われたりでもしたら大変じゃないか」
「それなら通信機使えばいいじゃないですか? それに、2人とも力が強いんでしょう?」
俺は思わず口に出してしまった
不味いと気づいて両手で口を塞ぐ
「強いんだがな、それが原因で狙われるから心配なんだ」
「兄貴の迎え、俺が行きますよ 実の兄ですし」
圭介さんが名乗り出た
圭介さんも、滝さん程ではないが力が強い
「うむ、頼んだぞ あと純の迎えは」
俺は椅子から立ち上がった
「俺が行きます!」
「大胡… いや、君はここで待機だ 敵に顔を知られている」
隣に座っていた雅人が口を開けた
「じゃ、俺が行きますよ」
「雅人か… 危なくなったら、すぐに連絡してくれ」
司令官は、心底心配していた
「雅人、11時ぐらいに待ち合わせしようか ロビーで」
「はい!」
皆それぞれ解散していった
朝が少し早かったので、自室でなんとなく居眠りをして早1時間後…
俺の通信機が鳴り出した
「なっ誰だ?」
びっくりして慌てて出ると、声の主は純さんだった
『俺だ、荒井純だよ!』
「純さん…おはようございます、どうしました?」
『おはよ、 もう少し支度したら俺と滝そっちに向かうから、みんなに伝えておいてくれ!』
そういうと、俺は仲間2人が迎えに行くという旨を純さんに話した
『おっそうか ありがたいな まあ滝の力を察知して敵が来たら面倒だしな 大胡、滝の体は貴明さんの力で凄まじい速さの回復力だったんだ 念の為、注意して欲しい』
それは、重大なことだと俺でも分かり、体が強ばった
「分かりました 司令官に話しておきます」
『司令官はまあ、勘づいてんじゃね? じゃ、俺たちそろそろ病院から出るから またよろしくな』
純さんはあくまでも明るい口調のままだった
「はい、よろしくお願いします!」
滝さんと純さんが帰ってくる…俺はそれだけで、安堵していた
司令官室に行く足取りが、今までと違って軽かった
「司令官!」
「おや大胡か」
「失礼します!」
中に入ると 智嬉さんが既にいた
「智嬉さん、お疲れ様です」
「ああ、ご苦労さん、よく頑張ったな、滝達がいない間 大分逞しくなったよ」
「いえ…ありがとうございます、でも、智嬉さん どうしてここに?」
司令官は腕組みをして話す
「うむ、私が滝と純が帰ってきても、引き続き諜報員を頼むと、お願いしたくてね」
「連続でまた敵が来たそうじゃないか、それでも大胡は頑張ったんだな! よくやったよ!」
智嬉さんは笑顔で俺を褒めていた
「あ…ありがとう、ございます!」
「ごめんな、すぐにでも助けてやりたかったんだけど、敵に見つかりそうになって逃げてたんだ」
司令官は智嬉さんの様子をずっとモニターで確認していたというが、司令官もどうにも出来なかったらしい
「まずいな…智嬉が諜報員として活動するのは難しいか…敵に見られてしまっては…」
すると、よく聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた
「なーに言ってんだよ司令官! それなら俺たちで敵を倒したらいいだろ?」
司令官には、声の主が影になっていて見えなかった
「だから相手は今までとはちが… 滝!!」
「ただいま帰りましたよ、司令官」
顔色はすっかりよくなっていた
やはりずっと1週間休んでいたのが良かったのだろうか
純さんも滝さんの隣にいた
「よ!司令官 智嬉!帰ったぜ!」
「純… 滝…2人とも…!」
「ごめんな、1週間入院してたんだ、これからは、全力で戦える!」
するとやはり、天井から敵の声が聞こえた
『ははは!! 待ちかねたぞ!!蒼山滝!!』
「その声は…ルイ…!!」
ルイは今にも滝さんを殺しそうな目つきで殺気に漂っていた
「滝の幸せのためなら…非常な手も使うと前に言ったな」
「ふ、卑怯な奴らだよな、お前達」
滝さんも相変わらず勝気な態度だった
「なら、覚悟してるな」
「え?…」
その時、目にも止まらぬ速さで、ルイは智嬉さんを滝さんの目の前で攻撃した!
「ぐあっ…」
智嬉さんは突然のことに体が構えていなく、敵の攻撃で体がよろめいた
「智嬉! 智嬉!!智嬉…っ!!」
智嬉さんはそのままうずくまってしまった
「くそっ、どうして…」
滝さんは司令官室の壁に立てかけてあった武器を握りしめる
「どうして俺ばかり狙う!!四天王!!」
病院から帰還したばかりだというのに、また戦いが始まった




