第6話 化物は訪問する
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さて、飯も食ったし、どこでやるんだ?」
大量の朝食を当然のように平らげた一樹が綾乃に問う。
「安心しろ、うちの道場を使えばいい。」
「あぁん?てめぇんち道場なんかあんのかよ?」
「ウチは次元流剣術の宗家だ。道場くらいは当然持っておる。」
「あぁ、あそこがてめぇんちだったのか。普通にお嬢様じゃねぇか…とんだじゃじゃ馬お嬢様だな。」
「はっはっはっ!よく言われる!」
「自慢する事じゃねぇたろ…」
頭を抱えながら呆れる一樹。
それを全く意に介さない綾乃も、かなりの問題児である。
大丈夫か次元流!?
「それより今から行くのか?」
「お前がよければすぐに行こう。」
「それはいいが、移動は?ウチからだと、まぁまぁ距離があるぞ?そもそも、てめぇはどうやってウチに来たんだ?」
影山家から綾乃の家までは20~30kmほどあるため、歩くにしても、そこそこ時間がかかってしまうのでる。
「安心しろ、家の者に迎えに来させる。ここに来たのも家の者に送らせた。」
「さすがお嬢様だな。めんどくせぇから足は俺が出す。そのかわり文句は言うなよ。」
「それは構わないが、お前は車などないだろ?」
「あぁ、バイクだ。」
「む?自動二輪か?それなら16歳で免許がとれるか。いいだろう!だが、大丈夫なのか?」
「安心しろ。なにやっても死ぬときは死ぬ。」
「おぉい!それを言ったら、みも蓋もないだろうが!」
「いちいちうるせーなぁ。乗るのか乗らねーのか、さっさと決めろ。」
「むぅ…仕方がない。乗ってやろう!」
「その言い方が気に入らねーが、まぁいい。んじゃあ行くぞ。母さんそういう事で行ってくるから片付けだけ頼むわぁ」
「はぁい、気を付けて行ってくるのよ!」
二人は立ち上がり玄関に向かう。
「所でどこにそのバイクはあるのだ?」
「ガレージがある。とりあえず靴持ってこい。」
「ふむ、わかった。持ってこよう。」
そう言って素直に靴を取ってきた綾乃。
「こっちだ。」
一樹はリビングの正面にある扉を開いた。
「ほぅ、室内にガレージが併設されておったのか。」
そう感心しながら辺りを見渡す綾乃に対し、一樹はガラガラガラとシャッターを上げていく。
「ほれ、靴を履いたらそこにあるヘルメット被れ。」
そう言って扉の横に置いてあるヘルメットを指し示す。
「また物々しいヘルメットだな…」
「はぁ?普通のフルフェイスだろ?ジェットタイプや半ヘルは俺が嫌いだからな。」
「そのジェットやら半ヘルがよくわからんが、何が嫌いなのだ?」
「ジェットと半ヘルは顔が丸出しなんだよ。もし、コケた時にてめぇの顔が、アスファルトのおろし金でゴリゴリに削れていいなら用意するが?」
「そ、それは遠慮願いたい…」
その場面を想像したのか、ひきつりながら返事をする。
「それより、それがお前のバイクか?」
その視線の先には黒と赤の二色に彩られたスポーツタイプのバイクがあった。
「あぁ、SUSUKI GSX―RR1300 SuperFalconをベースにエンジンと足回りをカスタムしてある。」
「ふむ、何を言っているのかよく分からないが、とにかく速そうだな。」
「まぁ、それなりにな。」
そう言いながらキーを挿して回し、エンジンをかける。
キュルキュル、フォーン!
よく整備されているのか、すぐにエンジンがかかる。
ボボボボ… リズミカルに鳴り響くアイドリング音。
そして回転数を示すタコメーターは15000rpmまで刻んであり、スピードメーターには350km/h
まで刻んであるのを綾乃は知らない。
「ほれ、このリュック背負ったらさっさと乗れ。」
「む?なんだこのリュックは?」
「ちょっと途中で寄る所がある」
「それは構わないが、どこを掴めば良いのだ?」
「どこでもいい、腰でも背中でも肩でも。とにかく落ちないように掴まれ」
「う、うむ」
返事をすると、リュックを背負いバイクに跨がると、先に乗っていた一樹の腰におずおずと腕を回す。
「掴まったか?動くぞ?」
「う、うむ!出してくれ!」
「よし、行くぞ」
カチャ!と言う音と共にアクセルを煽り発進した。
☆
家を出た後、暫く走り続けてほどなく目的地に着く。
「寄る所とはここか?モックではないか」
モスクドバーガー。通称モック。
世界中に展開するハンバーガーチェーン店である。
早い!安い!うまい!を掲げるファストフードの代名詞と言っても過言ではない。
「昼食の心配なら大丈夫だぞ?私が呼んだのだ。そのくらいは出させる。」
「はぁ?ちげーよ。言っただろ?俺は燃費がクソわりーんだよ。昼までもたねーの!」
「はぁ?お前の体は一体どうなっておるのだ…」
「うるせー!ちょっと行ってくるから待ってろ。」
「まぁ、そういう事なら仕方ない。わかった、待っておろう。」
そして一樹が店内に入り、数分後…
「待たしたな」
店名がプリントされた紙袋を持って出てきた一樹。
「構わない、気にするな。」
「よし、後ろ向け。」
「は?なぜだ?」
「はぁ?これをリュックに入れるんだよ!」
「おぉ!そういう事か!よしこい!」
そういうと綾乃は後ろを向いた。
そして一樹は持っていた紙袋を綾乃の背負うリュックに入れた。
「よし、んじゃあ行くぞ。」
「お前は私の家場所を知っているのか?」
「いいことを教えてやる。お前の家はお前が思っているよりも有名だ。良くも悪くもな。」
「む?そうなのか?まぁ、知っているのならいい。よし、出してくれ。」
そして二人はバイクに乗り、次元家に向かう。
☆
ファーン!ファーン!ファーン!
テンポ良くシフトダウンし、目的地の次元家の門の前で止まる一樹達。
木造の大きな門には「次元」の表札と「次元流剣術本部道場」の看板が掲げられていた。
「着いたぞ」
目的地に着いた一樹は、綾乃の乗る後ろを振り返るが、そこに居たのは顔をひきつらせた綾乃だった。
「お、お、お前はあほか!どれだけスピードを出しているのだ!軽く2、3度は振り落とされそうになったぞ!」
正気に戻った綾乃は一樹に猛烈な抗議をした。
しかし、一樹本人はどこ吹く風。
「知らねーよ、しっかり掴まっとけって言ったろ?それに全開には全然ほど遠いぞ?」
「そういう問題ではない!クッ!お前と言う奴は…!」
「それより、このやたらゴッツイ門開けてくれよ。」
「ったく、待っておれ。」
そう言うと、綾乃は表札の横に設置されているインターホンのボタンを押す。
ピンポーンと音がするとインターホンから声が聞こえてくる。
「あら綾乃ちゃん、もう帰ったの?」
インターホンからは上品な若い声が聞こえてくる。
「はい、母上。客人を連れて参りました!」
「あら、じゃあ、お茶のの準備するわね。」
「いえ、直接道場の方に向かうので大丈夫です。」
「そうなの?わかったわ。今、門を開けるわね。」
「お願いします。」
綾乃が言い終わるのと同時にガチャッ!っと音がすると、ギギギッ…と門の扉が自動で開きだした。
「ほうー自動かよ」
「ほれ行くぞ。」
門をくぐった先には石畳が敷かれており、その数十メートル先には、立派な日本屋奥が建っていた。
「また無駄にでけぇ家だな…」
「無駄とは失礼なやつだな。この家は代々受け継がれてきた家だぞ!」
「ふーん、んでコイツはどうすればいい?」
バイクを指し示し尋ねる。
「ふむ、その辺に適当に停めておけばいいだろう。」
「その辺って適当だな」
「ウチにバイクなど来たことないからな。まぁ、大丈夫だろう。」
「マジかよ…なんかあったら文句言うからな!」
「器の小さいやつだな。」
「チッ!まぁ、いいや。」
そうこぼしながらも門の脇にバイクを停める一樹。
「んで、道場ってあれか?」
石畳の途中から別れた道の先には、木造の立派な道場があった。
「そうだ。では行くぞ!」
「…はいよ」
返事を返した一樹は、先を行く綾乃の後ろを着いて行くしかできなかったのだ。




