妄想は悪化の一途(いっと)
似た所をグルグルしてる気がする。
夜の路地裏を少女がフラフラと歩いていた。
そんな少女を、暗闇に潜む者達は見ていたが、警戒心からか手を出さなかった……
いや、実際は不気味だったからだが。
暗闇に潜む者達の中をフラフラな足取りで通り過ぎて行く少女。
また、暫くの間、何処に向かって入るのかも分からない足取りで夜道を進んで行く。
だが、その歩みも終わる、
ゴン
壁にぶつかったのだ。
バタン
少女は倒れ、
「はっ!ここは何処だ?」
そう言ってすぐに起き上がった。
キョロキョロと見回す少女は、仮面も相まって、獲物を探す獣に見えた。
暗闇に潜む者達は、暗闇の中にあっても不気味に光る紅い瞳に恐怖を感じて、そそくさと少女から離れて行く。
少女は暫くの間、周りを見回していたが、
「うーん?何時の間に?」
落ち着いたのか、首を傾げて、頭に疑問符を浮かべた。
「最後の記憶は………確か、変な看板を見たような?うーん、そこから先の記憶が無いぞ?」
何度も、看板を見つけた後の記憶を思いだそうとしたが、思い出される事はなかった。
「謎だ……謎?謎と言えば、探偵。探偵と言えば、事件。事件と言えば、活躍の場………活躍の場!フフフ、素晴らしい考えを思い付いたぞ!」
考え込んでいたかと思うと、急に叫んだ。
それから、某有名な探偵がパイプを吸う時の態勢を取って、
「我は探偵、全ての事件を解決せし者…………」
などと、カッコつけた言葉を言った。
…………………
それから暫くの間、余韻に浸っていたが、
「ククククク、俺様の新たな力を見せつけに行くか………」
妖しげに笑い、歩き始めた。
その先に何かがあると言わんばかりに堂々と………
「うん?なんだここは?」
少女が辿り着いたのは、怪しげな地下に行く階段がある建物だった。
「怪しいな………うん?」
怪しげな階段を訝しげに見ていた少女の目に、倒れている物を見つけた。
「ふむ、悪道邪道?なんだこの組織は?」
堂々と悪道邪道と書いてる看板に、頭に疑問符が浮かび上がった。
暫く、どういう意味か考えたが、
「分からないが、フフフ、事件の匂いがするぞ……」
少女は、怪しげな階段を見ながらそう言って、入って行く。
カツ カツ カツ カツ カツ
階段を下りる度に、靴の音が反響する。
「フフフ、事件は間違いなく起こっている……」
何を以て、起きていると確信をしたのだろうか。
「それも、難事件だ。それを探偵たる俺様が解決する。ふっ、素晴らしい未来が確定されているな……」
少女の妄想が止まる所を知らない。
「難事件を解決した俺様の存在は全世界に知られ!逆らう者は居なくなる」
とうとう、可笑しな事を言い始めた。
「すでに未来は確定された。さぁ、難事件よ……かかってこい!」




