悪か?善か?
大袈裟なサブタイトルですが、男性はどっちだ?のことです。
追記
誤字脱字ありましたら、教えてくださるとありがたいです。
暫くの間、少女は固まり、男性は涙を流していた。
ある意味、混沌とした状況を終わらせたのは、男性の一言だった。
「ぐすっ、記憶を思い出せるように協力してやる」
いったい、男性の中では少女の記憶がどこまで忘れていることになっているのだろうか。
その言われた当人は、
「はぁ?!何を言ってるんだ貴様?」
男性の言葉が理解出来なくて、煽ってるとしか思えない問い返しをした。
「そうか、記憶が思い出せないから何を言ってるのか分からないんだな」
幸い男性は、「記憶を忘れているから知らないことになってるんだな」っと思ったので怒りは沸かず、逆に憐れみを抱いていた。
それは目線にもでており、少女を追い詰めていく。
「やめ、やめろぉ、俺様を憐れむなぁ~!俺様が間違っているのかぁ~?」
少女は、涙を目元に溜めながら、「自分が間違っているのか」と本気で思い始めた。
「あぁ、俺が協力してやる。だから、思い出そう」
男性は優しく頬笑みながら、少女に右手を指し伸ばした。
少女も、男性の言葉に答えるように手を伸ばしそうとした、
「うん」
返事を返して、後少しで手と手が触れそうになった時、
「兵士さん!あの人です!少女を誘拐しようとしてるのわ!」
「本当か!」
「あっ!少女が騙されてるぞ!」
「何!急げ!急げー!」
「「「オォォォオーー!」」」
女性の大声と、それに答える複数の男性の声が聞こえた。
「えっ……」
少女はその言葉の中に、聞き捨てならない言葉があり、無意識に呆然と呟いていた。
そんな少女の様子に気が付いていないのか、男性はもう一度言った。
「さぁ、一緒に記憶を取り戻そう」
少女には、今の男性が優しく頬笑み、手を指し伸ばした姿が悪魔に見えた。
少女は、男性から距離を取り、涙を溢しながら言った、
「い、いやぁ、来ないでぇ、誘拐犯!」
その言葉は、男性に精神攻撃を与えた。
「ぐはっ!……はぁはぁ、ひと、一つ言っとく、が、お、俺は、誘拐、犯、では、ない……」
瀕死になりながらも男性は、誤解を解こうと試みたが、
「だって、後ろの人達が誘拐犯だって言ってたよ?」
後ろを指しながら言った少女により、止めを刺されたのだった。
「グガッ!」
胸を抑え、左手を地面に付いた姿はもう、HP1しか残っていないと分かる程。
しかし、少女が指した後ろが気になり見ると、
「うそ、だろ……」
そこに居たのは、こちらに向かって来る兵士の姿だった。
ダダダダダダダダダ!
「捕まえろー!」
「「「「「「オォォォーー!」」」」」」
ダダダダダダダダダ!
兵士の大声と同時に、こちらに向かって来る速さが上がり、残りHP1の男性を取り押さえたのだった。
「捕まえましたー!」
「よくやった!」
「はっ!ありがとうございます!」
「うむ、押さえてる者以外は少女の護衛を!」
「「「「はっ!」」」」
兵長によって、速やかに誘拐犯を取り押さえ、少女の護衛に就かせた。
だが、欠点を挙げるなら、
うるさい
暑苦しい
強面
三拍子揃った兵隊なのが欠点だろう。
その様子を呆然と眺めていた少女に、
「もう安心していいぞ!」
大声を出しながら兵長が話し掛けて来た。
その時になってやっと、少女は助かったことに気づき、礼を言おうと立ち上がろうとしたが、
「うーん!……?うーん!………はぁはぁ、何で立てない?」
「腰が抜けたんだろう!無理に立たなくていいぞ!」
少女は兵長の気遣いで、座ったまたお礼を言った。
「あっ、ありがとうございます」
ペコリ
「気にしなくていいぞ!民を守るのが俺達の仕事だからな!」
兵長はそう言って、ニコリとした。
その後ろでは、
「俺は誘拐なんてやってない!」
「少女を誘拐しようとしてただろう!」
「はぁ?!記憶を無くしてるみたいだから手助けして上げようとしただけだ!」
「そう言って、騙して誘拐するつもりだったな!」
「本当に!誘拐するつもりなんてない!」
男性と兵士のやった!やってない!の争いが起こっていたのだった。




