見てしまった、門兵二人
今、犯罪者二人の目の前には信じられない光景が見えていた。
「ここか?ここがいいのかー?」
「やめ、ふふ、やめて、アハハ、擽ったいてば!」
女性二人が、擽り合っている光景であった。
何故、こんな状況になっているのか。
それは、逃げ、ゲフン、向かっていた時だ。
「先輩、この道を通ったら足音で気付かれませんか?」
「確かに。よし、それならば人が寄り付かない場所を行くぞ!」
小声で話ながら、方向を変えた。
犯罪者と同じ思考をし始めている二人。
そうして、暫くの間は特に何も無く行けていた。
だが、そこに、
「ふふ、ふっ、ハハハ」
「ここがいちばんきくの?」
「ちょ、そこだけはやめてー!」
「ふふふ、そこかー?えい!」
「ひゃ!ハハハ、くす、やめ、ハーハハー」
小さくそんな声が聞こえてきた。
犯罪者二人にも声が聞こえたのか、足を止めて、聞こえてきた方向を向いた。
「なんだ?」
「気になるな?行くか後輩?」
「はい」
今、この辺りは自分達しか居ないと思っていた所からさらに、奥から声が聞こえてきたのだ。
気になるのは仕方ない。
その声が聞こえる場所に走って向かった。
「ハァハァ、今度は此方から行かせてもらうわ」
「えっ、い、いやぁ、やめて!ねぇ?」
「貴女が最初に仕掛けて来たんじゃない。自業自得よ」
「てをワキワキしながらちかづいてこないでー!アハ!アハハー!」
「ふふふ、後悔させて上げる」
声がハッキリと分かるようになると、誰の声だか分かった、犯罪者二人はしかし、信じられない気持ちだった。
「先輩、この声って…」
「そんな筈が無いだろう。本当だったら二人でいる理由が分からねぇ」
「そうですよね。でも、気になります!」
「よし、そうと決まれば行くか」
好奇心、ゲフン、決意をしてさらに近づいて、中を覗くと、
「ここか?ここがいいのか?」
「やめ、アハハハ、やめてー、アハハ、くすぐったいてば!」
女性二人が、擽り合っている光景に出くわした。
「先輩、やはり彼女達は……」
「あぁ、一番あり得ない二人だったな」
小声で話ながらも、中の様子を見ていた。
「アハハ、やめ、ふは、こん、ハァハァ、こんどはーこっちからせめるよー!」
「きゃっ!やめてー!アーハハハ!」
少しづつ服がはだけていくのを見た後輩が、鼻血を垂らして気絶した。
ブハァ! バタン!
「っ!誰!」
「アーハハハ、ハァハァ…」
後輩が気絶し、逃げることも出来ず。
諦めて、彼女達の前に出た。
「はぁ、俺だよ俺」
俺の顔を見た、一人は驚いた後、警戒を少しだけ解いたみたいだった。
もう一人は、警戒などしていないのか無邪気に笑っていた。
「なんで、貴方がこんな所に?」
「ハァハァ、なんでー?」
「これには深い分けがあってだな……」
先輩門兵が理由を話そうとすると、彼女達は、先輩門兵の肩に少女が担がれているのを見つけた。
「貴方まさか、その子を誘拐して来たんじゃないでしょうね?」
「ほんとうだ!ゆうかいしてきたんだー!わるいんだ!」
一人は、ゴミを見る目で。
もう一人は、無邪気に悪者だと決め付けていた。
「ぐっ!誘拐などしていない!ただ、運んでいただけだ!」
先輩門兵の言葉は、彼女達の誤解を解くには至らなかった。
「ふーん。それならどうして此処を通っているの?」
「そうだ、そうだー!」
その言葉に、反論できる言葉を見付けられず口をつぐんでいたら、さらに悪化の一途を辿って行く。
「ほら、反論できないじゃない。誘拐して来たのね。最低ですね」
「さいてー、さいてだよ!ひととしてダメダメだねー?」
「そうね。私も、門兵としては信じていたのですが、裏では犯罪行為をしていたとは、領主に報告しますね。男はこれだから信用なりませね」
「おぉー!いいね!」
その言葉に、流石に黙っている分けにはいかないかった、先輩門兵は反論した。
「裏も何もない!誘拐などしてないからな!ただ、嬢ちゃんから情報を得るために拷問部屋に連れていってるだけだ!」
「そんなこと言って、嫌らしい事をするつもりでしょ?」
「いやらしい!いやらしいーは、さいてなこおいだー!」
もはや、その辺の石ころを見る目になった、女性の精神攻撃は先輩門兵に大ダメージを与えた。
もう一人の幼女の純粋な言葉はさらに、痛かった。
「ぐっ!、分かった。そんなに言うならお前達がやれ!」
「えぇ、この少女は、私達がやるわ」
「ふふんー!まかせろー」
先輩門兵は、二人に少女を預けて、後輩を連れて立ち去ったのだった。
「行くわよ」
「はーい!」
門兵が居なくなったことを確認した女性は、幼女と少女を連れて向かったのだった。
擽ったい時の声って中々難しいですね。




