温かな日常の風景
なんとか、一時間のマッサージを乗り越えた私は、昼御飯を作りに姉さんの部屋を出る所だった。
「つ、辛かったー。でも、今回も乗り越えたぞ!」
あまりの達成感に叫んでしまった。
その事に気づき、慌てて口を押さえて、姉さんが起きてないか確認する。
「よ、良かった」
姉さんを見たが、気持ち良さそうに寝ていた。
今は目を会わせられないので寝ていて良かった、っと思ってしまう。
「ホッ、毎回の事だけど、何でマッサージの後は、寝ているんだろう?」
マッサージって睡眠効果あったっけ?
うーん、調べたこと無いから分かんない。
でも、気持ち良かったならいっか。
私は、そう思い、姉さんの部屋を出た。
「涼しい…」
部屋から出ると、廊下は涼しかった。
今日の温度は、ちょうどいい筈なのに。
やはり、マッサージをしたからかな?
っと考えつつ、階段を下りてリビングへと向かって行った。
ガチャ
リビングに入り、テレビを着けてから、冷蔵庫を確認した。
「今日の昼御飯は、肉じゃがと金平牛蒡とお味噌汁にしようかな?」
料理を決めた私は、さっそくエプロンを着て料理に着手した。
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トン、トン、トン
台所にはリズムよく、食材を切る音と、
ふ~ふ~
可愛らしい鼻歌が響いていた。
「ふ~ふ~、っともう、肉じゃがが出来ちゃった」
可愛らしい絵柄が入った、エプロンを着た少女?が、鍋を確認して驚いていた。
それほど、作るのに夢中になっていたのだろう。
「次は、金平牛蒡(金平牛蒡)を作ろう」
少女?はそう言って、金平牛蒡を作り始めた。
その姿を、台所の隣に置かれたテーブルから見る。
鼻歌を歌いながら此方に背を向けて鍋を確認したり、新たな料理を作り始めたり、包丁で食材を切る音。
全てが穏やかな時間に感じ、台所で料理を作る少女?が、新妻に見える。
そうしてホッコリと過ごす。
だが、ホッコリとした時間も終わりが訪れた。
料理の美味しそうな匂いが部屋中に充満し、部屋から漏れでていたのか、リビングのドアが開いた。
「ふぁ~、美味しそうな匂いね御華」
そう、少女?の姉だろう人の登場である。
「あっ、姉さん。起きたんだね、おはよう。ちょうどご飯出来たよ。食べる?」
「おはよう、食べるわ。御華の手料理だもの」
少女?の姉が、返事をして此方に来た。
そろそろ、帰らなくてはな。
寂しい気持ちを感じながらその場から消えた。
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「うん?」
今何か、居なかったかしら?
「どうかしたの、姉さん?」
御華は気付いていないみたいだし、気のせいかしら?
私は、そう思う事にして、御華に返事をした。
「何でもないわ。それよりも、今日の昼御飯は何かしら?」
「えっとね、肉じゃがと金平牛蒡とお味噌汁だよ」
御華は、寝ていた私に気を使ってなのか、暖まる料理にしてくれたみたい。
「ふふ、寝起きの身体に良い料理ね」
私の言葉に、御華は少し照れたのか俯きながら肯定の頷きをしてくれた。
「うん、そうだよ」
私はその様子を見て、愛しく感じたのだった。
何故か、さらに御華の顔が赤くなってる気がする。
「姉さん、その目線はやめて。恥ずかしくなる」
御華はそう言って、両手で顔を覆いしゃがんでしまった。
「ふふ」
ふふ、可愛い、っと感じつつも、それだと料理が冷めてしまうので、うぅ、っと呻いてる御華に話し掛けた。
「ふふ、わかったから、立ち上がって」
「うぅ、いや!姉さん、直す気ないでしょ!」
バレてしまった。
これは、中々強情かも。
「はぁ、分かったから、早く立ち上がって。じゃないと、せっかくの料理が冷めてしまうわ」
私の、この言葉に、御華は顔を上げた。
その結果、上から御華を見ていた私は、顔を上げた御華の、涙目の上目遣いを見てしまった。
固まった私に気付かずに、御華は料理の方をチラリと見た。
「確かに、早く食べないと冷めちゃう。姉さん、食べに行こ?」
固まった私に、御華は小首を傾げながら言ってきた。
御華の攻撃に私は、苦しくなってしまった。
「ぐっ!」
御華は私の突然の苦しみを見て、慌てていた。
「ど、どうかしたの姉さん?!」
御華の私を心配する声が聞こえて、このままじゃ駄目だ。
私は、そう思い、御華の声だけで苦しみから脱出した。
「だ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう、御華」
御華は、元気になった私を見てホッとしたようだった。
「それなら良かった。じゃあ、ご飯を食べよう?」
「えぇ、そうしましょう」
私は返事をして、御華と共にテーブルへと行き、向かい合わせになる席に座った。
「少し冷めちゃったけど、いただきます」
「いただきます」
二人で食材に感謝をしてから、食べ始めた。
エプロンの色と、絵柄は想像にお任せさします。
一応、作者のイメージを言うなら、明るい色のピンクに、ポケットの所に、ゆるキャラのウサギの顔を片方だけ絵柄が付いてるイメージです。




