朝の終わり
朝御飯を食べ終わり、一旦食休みしようとテレビが置いてあるソファーに座った。
そしたら、姉さんも隣に座りに来た。
「ふぅ、御華、今日の朝御飯も美味しかったわ」
姉さんに褒められて私は、嬉しかった。
「頑張って、凝った、からね!」
隣に座っている姉さんに、もっと褒めて欲しくて、頑張ってと凝った、を強調して言った。
それを見た姉さんは、何故か微笑ましい視線になっていた事が気になる。
「ふふ、えぇ、御華は頑張って私に美味しい料理を作ってくれたわ。ありがとう」
姉さんに褒められた!ふふ、やったー!私は嬉しくて、立ち上がり両手を挙げてジャンプをした。
「フッフーン!そうでしょうそうでしょう!」
腰に両手を当て、胸を張って、どや顔を姉さんに向けて、スゴいでしょ!アピールをした。
そしたら、さらに微笑ましい視線が深まったけど、頭を撫でてくれたからそんなの気にならなくなっちゃった!
「えぇ、御華は凄いわ」
「えへへ」
姉さんの撫で撫では気持ち良くて段々と、眠くなって来た。
「うっん……」
ウトウト…
ハッ!
ウトウト……
ハッ!
ウトウト………
私は、姉さんに寄りかかりながら段々と睡眠に入って行った。
「ふふ、おやすみ御華」
意識を失う直前、姉さんの優しい声が聞こえた。
私もそれに応えるために声を出した。
「ぅう…おやすみ……姉、さん」
とても小さい声だったけど、良いよね。
私は、そう思いながら眠りに入って行った。
_________________
御華が眠りに着きしばらくたった頃。
「ふふ、ご飯を食べてすぐに眠るのは良くないけど、今回は見逃してあげる」
姉は御華を撫でながら言った。
また、しばらく撫でていた姉だが、家事を始める事にした。
「さて、家事を始めたいけど、御華をどこに移そうかしら?」
家事を始めようとしたが、御華をどこに移すかに悩んでいた。
人差し指を顎に当てて、首を傾げた。
「うーん?やっぱり、御華の部屋かしら?」
そう考えるものの、御華の寝顔が見れないから却下した。
他に、無いものかと頭を悩ませるが、思い付かなかった。
諦めて、部屋に運ぼうとして御華を見たら。
「ぅー、お姉ちゃん。えへへ」
可愛らしい寝言を言っていて、姉に対して大ダメージを与えた。
「うぅ!やっぱり、部屋に運んだ方が、家事に専念できるわね」
その破壊力がある寝言を言われて、認識を改めた。
このまま、御華を見える位置に置いたら私、家事が出来なくなる。
覚悟を決めた私は、御華を持ち上げ、部屋へと運んだ。
その道中でも、御華の攻撃が止むことがなかった。
姉にお姫様抱っこされた御華は、姉の服を掴み、スリスリとしてきたり。
寝顔は、幸せ、っと言わんばかりに笑顔だった。
寝言も破壊力が高く、リビングに戻って来る頃には姉は、瀕死だった。
「はぁー、はぁー、はぁ、はぁ」
なんとか息を落ち着かせ、家事に専念するのだった。




