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2章 25話「長年の謎が解ける話」



どうもこんにちは、キアーラ・カサッツァです。

子供の頃に運動神経が良くて、将来はプロ選手かと期待されるも、進学したら周りにもっと凄い人物がいて目立たなくなると言うのはスポーツ少年あるあるかと思います。

今まで注目の的だったのに、突然それらが失われた時の喪失感はどれくらいなんでしょうね?



「そもそもアイドルとはなんだと思う?」


この世の深淵を覗き込むが如き俺の質問に王虎は当然のように即答する。


「いや、知らんが」


これだから上質なタンパク源を日夜摂取している民は……。


「少しは考えろこの脳みそまで筋肉、略して脳筋め」


「……それ、強そうで良いな」


しまった。筋肉信者には褒め言葉だった。


「筋肉があれば大概のことは解決するからな」


「しねぇよ」


王虎が筋肉特有の過ぎた信頼を見せるので現実を突きつけてやる。


「いいや、するね。俺は衣食住を筋肉で手に入れた!」


「その分トッポさんとかが知恵を絞ってんだよ!」


アホめ! お前が考えなしに行動した分トッポさんが四苦八苦しながらフォローしてるんだよ! 本人からきいているから間違いないね。


「絞るにも筋肉がいるぞ」


トッポさんの苦労も知らず筋肉がバカなことを言う。


「いらねぇよ!」


俺が知恵を絞るのに筋肉の介在する余地はないと伝えると、王虎が突然キリッとした表情で口を開く。


「いや、筋肉を動かすことで集中力が高まり記憶力が上昇するし、何かを思い出したりなどの思考能力が高まる。頭を働かせる前の適度な運動は効果的なんだぞ? オススメはスクワットだ。足には多くの筋肉と血管があり血流が良くなるからな。血が頭に巡るんだ。さらに筋肉が多いと長生きしたりボケたりしにくくなるんだぞ」


突然饒舌になったぁ!

そして前世でも最近になって認識されてきた内容をさらっと言ってきた!

まさかの筋肉知識チート転生者か?!


「その知識はいったい誰から?」


恐れおののいた俺は好奇心から聞いてみた。


「ヴォーチェ婆さん」


はいでた! ハイスペックババア!

赤ん坊の取り上げかたから最先端の健康科学までなんでもござれの知識チート婆さんだ!


いや、ヴォーチェ婆さんには俺も物凄くお世話になってるんだけど、とにかく知識量が化け物なんだよ。しかも知識だけでなく経験も豊富で如才なく何でもこなすのが凄い。

普段は噂を垂れ流す傍迷惑な婆さんなんだが、いざとなった時の信頼度が半端ない。

あまりに引き出しが多いので転生者を疑ったほどだ。


『彼女は転生者でも転移者でも無いよ?』


とはルナの言。

曰く悪魔ゆえに魂の鑑定は一家言あるとのことで、見ればわかるらしい。

と言うことはヴォーチェ婆さんは素のスペックで異世界人(おれ)に迫る知識量ということになる。


『迫るどころか凌駕しているよね?』


亀の甲より年の功ということか……。

しかしこれで俺の長年抱いてきた疑問の答えが出た。


何故幼女の俺が不相応の知識を持っているのに割と受け入れられているのか?

それは正解は身近なところにアルティメット博識婆さんがいたからだったんだよ!


『な、なんだってー?(棒)』


いや、何度か知識の出所を聞かれて婆さんの名前を出したことがあるんだが、今思い返してみれば皆んな抵抗なく納得していた。あれはヴォーチェ婆さんなら知っていてもおかしくないという納得だったのか……。

そして婆さんが凄すぎて、俺くらいの幼女もまぁいるかな?くらいにハードルが下げられた結果だったのだ。


自分自身でも妙に納得のいく答えが出たが、やっぱり俺の周りはチートキャラが多すぎるんだよなぁ。

そんな再認識をした俺に更なるチートぶりを王虎が告げてくる。


「ヴォーチェ婆さんがいうなら間違いないだろう。あの婆さん100歳超えてるしな」


「マぁジでェ?!」


え?! あの婆さんそんな歳なの?!

いってても70歳くらいだと思ってた……。

え? 人間だよね?


「筋肉のおかげだろうな」


「あの婆さんそんなに筋肉ないだろう?!」


確かに矍鑠(かくしゃく)としているが、それは筋肉キャラではなかったはずだ。


「お前知らないのか? あの婆さんバキバキだぞ?」


驚愕の事実にびびる俺に更なる燃料を投下する王虎。

怒涛のツッコミが止まらない。


「バキバキなの?! 腰曲がってるじゃん?! 」


「前傾姿勢で背筋鍛えてるんだよ」


「嘘つけよ! そんな鍛え方あるかよ!」


「持ってる杖は30キロある」


「修行で使うやつ!」


「1秒で340メートル走る」


「マッハババァ!」


「相手の命を吸って若返る」


「豪血寺!」


「真っ直ぐ立つと身長が3メートルある」


「お前のようなババアがいるかっ!」


「実は真実しか言わない」


「それは嘘っ! それだけは嘘っ!」


それは分かるっ! 俺が何回あの婆さんに騙されたかっ!


「あぁ嘘だぜ。だが……マヌケは見つかったようだな」


「誰がマヌケだ!」


『君だね? 彼女に何回騙されたかわからないね?』


仕方ないんだ……忘れた頃にぶっ込んでくるのでつい騙されてしまうんだ……。

意気消沈して王虎の方を見るとニヤニヤしてる。


「何みてんだコラァ!」


凄みのあるガンを飛ばして威嚇する。

もう、王虎も奥歯をガタガタ言わせてしまうこと必至。


「バキバキなのと120歳なのは本当だ」


ガタガタガタガタ! なんの音だ? あ、俺の奥歯が震える音だ。

なんなんあの婆さん。スペックがやばい。

実はラスボスとかじゃないの? 怖えぇよ。

いつのまにか100歳から120歳に増えてるし。


そんな妖怪ババァがいたら賢しい幼女なんて影も薄まるよなぁ……。

そんな悟りを開いた午後でした。


『アイドルとはと言う話は進まなかったね?』


ちょっと心を落ち着けてからね?


お読みいただき誠にありがとうございます!


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