第七話 男だけのお買い物
活動報告通りに投稿できずすいません⋯⋯
ウニクロに着いた。
しかし電車で二駅の所へ行くのにこんなに苦労するとは⋯⋯。
まあいい。とりあえず適当に選ぶか。
「ここがこの世界の服屋か。すごく広いな」
「それにしてもやけに人が多いんですね」
ダイアーとアンヘルが口々に言う。二人はこの世界の服屋が珍しいようだ。
「俺には残念なことに服のセンスが良くないからな。比較的シンプルな服にするべきだと判断した」
「なるほど⋯⋯それは良い判断ですね」
「まあ⋯⋯そうだな」
実を言うと通帳無くしたからな⋯⋯新しく発行するまで金を銀行から下ろせない。だから安く済まそうなんて言えない⋯⋯。
「それじゃあ、まあ、適当に選ぶぞ」
三人は店内を散策することにした。
〜ただ男三人が服を選ぶだけなので割愛〜
「それじゃあ帰るぞ」
「はーい」
「分かった」
なんとか金は足りたか⋯⋯銀行だけでなく、家に余分な金を置いておいてよかったよかった。
煌夜は、財布の中の小銭と一枚の千円札を見ながら一安心した。
財布をしまうと、煌夜は二人を誘導して、ウニクロから外に出た。
「目がー目がー!!」
「なんですか?それ」
太陽の光が眩しかったので、某有名映画に登場する大佐の真似をしたが、二人には伝わるはずもなく、煌夜は少し赤面した。
「と、とりあえず駅に向かうぞ。あと1時間後ぐらいに宅配便が来るからな」
そう言い、煌夜は早歩きで駅に向かって行った。宅配便が何なのか気になるアンヘルだったが、結構急いでいるように見えたので、電車の中で聞くことにした。
二人は、早歩きの煌夜を追いかけて五分少々⋯⋯駅に到着。切符を買って電車にゴー。
「ふぅ⋯⋯疲れた疲れた」
「これだけで疲れるとは、情けないやつだな」
五分少々早歩きしただけで、電車の椅子に座り込む煌夜に、ダイアーがため息まじりにそう言った。
「仕方ないだろ。あんま外出ないんだしさ」
煌夜はそこまで気にすることなく答えた。
「あまり外に出ないわりには、太ってたりはしないんですね」
「確かにそうだな。外に出るのは週ニぐらいでダラダラしてるし⋯⋯気にしたこともなかったわ。ガキの時から、どれだけ食っても太らなかったからな⋯⋯そういう体質だからか?」
煌夜は思い出すようにダイアーに話したあと、誰にも聞こえないぐらいの大きさで、ため息をついた。
「それを女が聞いたら、殺されかねんな」
「はは、ごもっともだ」
苦笑いを浮かべた煌夜が、ふと、電車の窓の外を見た。すると、小さな光が流れ星のように落ちていくのが見えた。
流れ星か。良いことあるよう願っとくか。性に合わないけど。
「たーだいまー」
誰もいないマンションの一室で、煌夜の声がやや響く。
「誰もいませんよ?」
アンヘルが言う。
確かに誰も居ないな⋯⋯。
そう思ったが刹那
「僕がいるよ?」
「「「うおっ!!」」」
「いたのかよネタル。いるならいるって返事しろや」
「悪い悪い。それと芽依姉なんだけど、あと二時間ぐらいかかるってさ」
そんなに掛かるのかよ。
全く⋯⋯何でそこまで時間が掛かるのか、全然分からんな。
「女性の服選びが遅いのはどこの世界でも同じなんですね⋯⋯待つのって疲れるんですよ⋯⋯」
アンヘルがそう呟いた。その言葉に、煌夜が思ったことは⋯⋯。
「おい⋯⋯まさかお前⋯⋯女子と付き合ったりしたことがあるのか!?」
「それはその⋯⋯」
煌夜は、目を血走らせてアンヘルに質問するが、顔を赤くして答えない。かわりに、ダイアーが説明した。
「こいつはな、十六の若さで隊長に選ばれたからな⋯⋯それに、顔も悪くねぇ。むしろ良いほうだ。だから結構モテてたんだ、こいつは。エルフの街でデートなんかしやがってよー」
「べ、別に良いじゃないですか!?」
まさかアンヘルに彼女がいたとはな⋯⋯。
このリア充め、どうしてくれよう。
「それはそうと⋯⋯今は何歳なんだ?」
何となく気になったので聞いてみる。
「16です」
「ちなみに俺は25だ」
16と25か⋯⋯アンヘルはともかくダイアーはもっと若い⋯⋯18ぐらいに見えたんだが⋯⋯やっぱエルフだからか?
「この流れで言っておくかな。俺は20。ネタルも同じだ」
「五年離れているのだから、少しは敬ってほしいものだ」
ダイアーはしみじみと下らんことを言う。
「今は完全に俺の金でしか生活できない奴が何を言う」
このリア充とダイアーはほっといて⋯⋯。
「ネタルー今飯作るから、お前も食ってくか?」
「勿論。煌夜の料理は美味しいからね」
ネタルから自分の料理は美味しいと言われ、少しニヤけた煌夜は、冷蔵庫の中を探り始めた。
それと同じぐらいのタイミングで部屋のインターホンが鳴ったので、煌夜は、ネタルに取りに行かせることにした。
「しっかし、食材が微妙なもんしかねぇな⋯⋯ウニクロのついでに買ってこればよかった」
煌夜は、しいたけを持ちながら呟いた。