第八話 サバ読みエルフのブーイング
大幅に更新が遅れてすいません。期末テストの後始末に手間取ってしまったので⋯⋯。
買い物をした三日後。
煌夜は、エルフ達の住民登録云々するために出かけようとしていたのだが、またしても問題が⋯⋯
「そーいえば、四人ともその耳どうするの?」
ネタルがエルフの耳について指摘した。
もしこの耳を見られたら、かなり面倒なことになることだろう。
フードを被ることを煌夜が提案したが、顔は必ず見せなければならないだろうと、ネタルによって却下された。
「この世界でこの耳をしている人はいないと聞きましたからねぇ⋯⋯」
エルフ達の中で唯一話を聞いているアンヘルが、相槌を打つ。どうやら真剣に聞いてくれているようだ。
「今日暑くね!?煌夜ーアイスねぇーか?」
そんな雰囲気をぶち壊したのは、姉さんこと、芽依だ。
三人がどうしようか悩んでいるのだが、そんなことおかまい無しにアイスを要求している。
「⋯⋯確か冷凍庫にカリカリ君があるから、それを食ってろ。それと何かいい案出してほしい」
煌夜はそう言ったが、芽依は「はいはーい」と適当に返事して聞く耳を持っていない。具体的には、『聴く』レベルでお願いしたいが、せめて『聞い』てほしい。
そんな適当な芽依だったが、たまたまよい案を出した。
「エルフの皆さんは魔法使えるだっけ。思ったけど、耳の形を偽装するぐらいの魔法とかできそうじゃん」
確かに。
「確かにそうですね。なんで気づかなかったんでしょう⋯⋯やって見ましょうか」
アンヘルは両手の人差し指に、魔力的な白い球を浮かせ、それを自身の耳に当てた。すると、アンヘルの耳の形が、完全な人間の耳へと変化した。
「おーアンヘルやるじゃねえか。俺もやって見るか」
「じゃ〜私も」
「私もアンヘルと同じようにやってみようかな」
さっきまでろくに話を聞かずにポーカーをやっていた三人が同じように耳を変化させた。
「これなら大丈夫だろう。ナイス姉さん」
「そりゃどうも」
後は問題ないな。さっさと行ってさっさと帰るか。暑いしダルいしめんどいし。
in市役所。
「番号札n番の方ー」
「はーい」
「ロア、魔法よろしくぅ」
「はいは〜い」
ーーその後国籍等を魔法で偽装し、昔からあったことにしたりしたため、時間がかかった。
何?犯罪だと?
役所の人間が勝手に(魔法の力で無意識に)パソコンに打ち込んだだけだ。俺らは悪くない。OK?
そんなことより、なんか知らんが俺はアリシアとアンヘルに怒られているみたいだ。ちなみに偽装したことに関してではないみたいだ。俺が怒られているのは⋯⋯。
「何で私達が学校とやらに行かなくてはなんないの?」
「僕はあまり人の集まるところには行きたくないんですが?」
「コーヤのテレビ?で知ったけど、私達が学校で学ぶ必要ないじゃない」
「そうですよ。僕ももう、勉強はしたくありません」
アリシアとアンヘルは、口々に愚痴を言っている。仕方ないので、理由(適当)を説明する。
「いや⋯⋯エルフの隊長になるには、すごく勉強しないとならないというのは聞いたけどな。それでも、この世界の教育機関によって同じぐらいの年代に対して、どう接していけば良いのかを学んできてほしいんだ。必要性皆無の勉強もしなければならないが⋯⋯平均ぐらいの努力で大丈夫だ」
煌夜は理由(ネタルからの受け売り)を説明すると、二人は納得した。
「そうするにあたって、英語以外の教科を覚えてほしんだが⋯⋯。(言語翻訳の指輪で英語&国語は完璧)」
煌夜が高校のことを説明し出すと、面倒そうに聞いていたが、二人とも、なんとなく理解したようだ。
これにより、アンヘルは16のままだが、アリシアは17から16にサバを読むことになった。
よし、これでバッチリ。二人の意見を無視して歳をにした甲斐があった。これで二人には、この世界の常識非常識を学んでもらえることだろう。刃傷沙汰にでもなったらヤバイからな。
「ということでアリシア、アンヘル。編入試験の勉強、頑張れ」
煌夜はボールペンをクルクル回しながら、適当に言った。
「はあ、仕方ないわね⋯⋯」
「そうですね。けど、ポジティブに考えれば、この国の文化等を学べる良い機会になりそうじゃないですか。頑張りましょう、アリシア」
「そうだね」
アリシアとアンヘルは、ポジティブに考えることにして、編入試験の勉強を始めた。最初は面倒くさがっていたが、高校の試験対策の問題に興味が湧いたようで、黙々とシャーペンを動かしている。分からないことは、部屋のパソコンを使って調べるなど、煌夜は、適応力の高さに驚いた。
「あの二人、もうパソコン使えるようになったんだ。ここに来て一週間程なのにすごいねー」
ネタルがカリカリ君サイダーをかじりながら煌夜に話しかける。
「だな。適応力高すぎじゃねぇかと思うぐらいだ」
煌夜は苦笑いをして応えた。
そういえば何か忘れているような気が⋯⋯。
「そういえばダイアーとロア。コンビニに行ったきり帰って来ないけど大丈夫かな?」
思い出した。そいつらだ。
何かいないと思っていたが、忘れてしまった。
「出かけてから30分だろ?大丈夫だろ。こいつらは山でも遭難しねんだから、家の周りでも遭難したりしないと思うぞ?」
「だと良いんだけどねぇ」
ネタルは心配そうに呟く。
まあ、心配してないこともないし⋯⋯。
「姉さん。俺の金で何か買って良いから、ロアとダイアーの様子を見て来てくれないか?」
煌夜は、この部屋にいる人間の中で一番体力のある芽依に、交換条件を使用して、二人の捜索を依頼した。
「マジで!?じゃあ、アイスのハーレンナッツでも買おっかな。贅沢に3個ぐらい」
マジか。
まあそれくらいならいいか。
「はいはい。買っていいから探してきてくれよ?」
「りょーかーい」
芽依は、煌夜から財布を受け取ると、嵐のように去って行った。
「やっぱ姉さんは単純だな」
「それは僕も思う」
二人で苦笑いしながらため息をついた。
「そういえばさ⋯⋯」
煌夜は急に話題を変える。
「前に服を買いに行った時あったじゃん」
「ああ、あったね。それで?」
「その帰りなんだが⋯⋯まだ夜じゃねぇのに流れ星がはっきり見えたんだ。お前何か知らないか?」
「うーん⋯⋯確か⋯⋯テレビでもやってたよ。【怪奇】昼下がりの流れ星、てね」
ネタルは少し考えた後テレビで放送していたことをそのまま話した。
しかし、ただの流れ星が明るい時間帯に見えるか?普通なら、肉眼では見えないぐらいの光だと思うが⋯⋯そこまで強い光は流石に⋯⋯。
「なあネタル。もしかしたらだけどよ⋯⋯」
「⋯⋯そうかもね」
その後、流れ星のことを気にすることも無く、雑談しながら過ごした。
芽依とダイアー、ロアが帰って来たことで、また騒がしくなるなと思った煌夜だった。
お読みいただき、ありがとうございました!!




