第十四話 被告人(芽依)への尋問開始!!
「ところで芽依⋯⋯」
「なんだい煌夜、そんな怖い顔して。血圧が上がり、高血圧になって病院に運ばれるぞ?」
「⋯⋯お前が所持してた拳銃。どうやって手に入れたんだ?」
五分ほど前に目を覚ました俺は、自分の身体に異常が無いか確かめた。無いのを確認した後しばらくぼーっとしていた。
ここは、自分の部屋だった。
意識がなくなる前の記憶を探っていると、ダイアーが拳銃を乱射していたのを思い出した。
ダイアーに問い詰めたのだが⋯⋯
「メイが、コイツを打ちまくれと言ったから」
と言われたので、今は芽依を尋問しているところだ。
「いや⋯⋯偶然たまたま運良く拳銃が⋯⋯」
「あるわけねぇだろ、常識的に考えて」
ここは道を歩けば拳銃が二丁も落ちている国じゃないだろう。日本だし。そもそも落ちていても、拾う奴などいない。多分。
「拳銃拳銃って言うけど⋯⋯大型自動拳銃、デザートイーグル Mark XIX .50AEが正解だよ?この自動拳銃は、子供が使うと肩の骨が外れるって言われるけど、流石一番体格のいいエルフだね。何の問題もなかったよ。しかも50AEはデザートイーグルの最高傑作だと私は⋯⋯」
「ああ、もうそんなのどうでもいいから。長いよ銃オタク」
全く⋯⋯姉が銃オタクで弟がアニメとゲームのオタクとは⋯⋯俺が言うのも何だが、よく考えたらヤバイ奴らだな。
そんなことより、どうやって被告人を吐かせようか⋯⋯⋯⋯。
ふふ、いいこと思いついた。
「それじゃあ、あの手を使うしか無いな」
いかにも悪そうな笑みを浮かべ、紙とペンと小さな鉄の塊を取り出した。
「薬莢?何をするんだ煌夜。まさかとは思うけど⋯⋯」
芽依は分かりやすいぐらいに動揺している。
「ああ、その通りだ芽依。何故か知らないが、アリシアかアンヘルが薬莢をほとんど集めていたみたいで助かったよ。まずは証拠品の薬莢を三つぐらいセロハンテープで貼っつけて⋯⋯後は俺の証言を書き込めば⋯⋯完成だ。これを警察署に届けよう」
「それだけは勘弁して⋯⋯ホント困るからさ⋯⋯ね、頼むよ煌夜。それをされたら始末書書かされた挙句に職を失っちまうんだよ。マジで何でもするからさー」
芽依はこれでも一応警察官だ。確か巡査。
三ヶ月ほど前にも始末書を書かされているアホだ。こんなのが警察官になれるとは、日本の将来が思いやられる⋯⋯。
⋯⋯何?何でもするだと?
「今、何でもするって言ったよな?」
「え?ヤバ⋯⋯いや、そんなこと言ってないぞ?煌夜の聞き間違いだ。絶対そうだ」
開き直ったか⋯⋯だが甘い、神谷芽依。これならどうだ。
煌夜はICレコーダーを取り出す。そして無言で再生ボタンを押した。
『ところで芽依⋯⋯』
『何だい煌夜、そんな怖い顔して。』
「少し飛ばすか」
「何でICレコーダーなんか持ってんだよコイツ⋯⋯」
芽依がふてくされているが、知ったこっちゃない。俺は早送りして、問題の音声を再生した。
『⋯⋯られた挙句に職を失っちまうんだよ。マジで何でもするからさー』
これでどうだ、言い逃れは出来まい。さて、言うことを聞いてもらおうじゃないか。
「はあ、仕方ないな。言うことを聞いてやろう。場合によっては同業者に回収してもらうことになるが⋯⋯煌夜のことだ、あんなことやこんなことを⋯⋯考えているに違いない!!」
ふと、横を向いて芽依は言い放った。
⋯⋯何を考えているんだこの変態。
「取り敢えず言うことを聞いてもらうぞ芽依。『拳銃の入手経路と、俺達が倒れてたところをダイアーを乗せてバイクで突っ込んできた要因を教えろ』以上だ」
これでどうだ芽依。さっさと教えてもらおうじゃないか。
「何だい煌夜、真面目だな。あんなことやこんなことを言い出して私を⋯⋯何でもない。まずはデザートイーグルの入手経路だね?」
「ああそうだ」
正直バイクで突っ込んできたことはどうでもいい。そのお陰で助かったからな。しかし、拳銃は見つかったら非常にマズイ。
「このデザートイーグルはね⋯⋯去年の冬に港で釣りをしていてね⋯⋯」
「ああ、それで?」
「麻薬取引してたヤツから買った」
は?何やってんだこの馬鹿は⋯⋯。
煌夜は呆れたようにため息をつく。
「どうやって買ったんだ?」
「麻薬の取引を邪魔しない代わりに三千で買った。デザートイーグル二丁の損失よりも、麻薬の利益の方が多いから、ヤツらも納得してくれたよ」
本物の銃を入手するなんてな⋯⋯どんだけ好きなんだよ。
「それでバイクで突っ込んできた要因は?」
「ダイアーに三人が危険な目に遭ってると言われたから。 アレだよあの⋯⋯魔法的なアレ?を使って分かったらしいね。それでデザートイーグル二丁をダイアーに持たせて、バイクに乗って参上した訳」
なるほどな⋯⋯魔法的なアレか⋯⋯。
「まあ、今回はその拳銃に助けられた場面もあったと思うし、別に警察署にチクるつもりはないよ」
「なら良かったー」
芽依は安心して、地面に座り込んだ。
「そういえばネタルとロアは?」
「ああ、あいつらは私のアパートにいるけど⋯⋯」
「そうか、分かった」
煌夜は鞄を肩にかけて、芽依のアパートに向かった。
神谷芽依。顔とスタイルは良いと思うが⋯⋯家事全般が出来ず、趣味がアレだから、彼氏が出来たことのない残念な人だ。
お読みいただき、ありがとうございました!!




