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神々の世界で学園生活~ライセンスゼロの私が世界最強!?~  作者: 牛
8章 その物語は、突然に
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さよなら生徒会

今日は新生徒会執行部の発足の日だ。

それはつまり今日から私達は、この部屋には用無しというわけで。

まぁたまには引継ぎとかで顔を出さないといけないんだろうけど。

もうすすんでこの部屋に来ることが無くなると思うと少し寂しい気もする。

良い思い出も悪い思い出も色々あった部屋だしね。


そして唯一の特権、好きなだけ紅茶やお茶を飲んだりできるってことができなくなるのもちょっと惜しい。

あと、ここに来れば必ず誰かがいるっていう安心感。

でももう今日でこの部屋ともさようならだ。

また私達の溜まり場はカフェ神楽耶(かぐや)になるんだろうなー。

まぁそれはそれで、あまり変わり映えの無い日常っちゃ日常なんだけど。

テラスちゃんを新生徒会の会長に推す声が高かったけどさすがに皇帝陛下にそんなことはさせられないと却下されたらしい。


そんな訳で私達は生徒会室に持ち込んでいた私物を片付けている真っ最中。

とはいえ、私は湯呑とハチミツ黒砂糖飴くらいしか持ち込んでいなかったけど。

アカリは何やら部屋のあちこちでゴソゴソと何かを取り付けたり回収したりしている。

……たぶん盗聴器の配置の変更でもしてるんだろう。

言っても色々無駄なのであえてそのまま放置することにした。


とりあえず一通りの引継ぎを済ませた後、私達はカフェ神楽耶(かぐや)に集まっていた。

放課後にここに集まるのも何だか久しぶりだなぁ。



「ここに皆で集まるのも久しぶりだね」



月依(つくよ)も私と同じ感想をポツリともらす。



「まー生徒会室、居心地良かったもんなー」

「そうねぇ……ここじゃあんまり膝枕もしてもらえなさそうで残念だわ」

「まさかここでもヒルコちゃんに膝枕してもらうつもりなの?」



さすがに友人が公衆の面前でそれをやってるのを見るのは引くわー……。

何処までイチャイチャ馬鹿っプルぶりを披露するつもりなのだろう。



「いやいや、さすがにそんな毎日はやらへんよ?たぶん……」

「でもする気はあるんだ……」

「まぁ……カノがしてほしいちゅうならしゃあないやん?」



言いながら耳まで顔を赤くするヒルコちゃん。

まぁ二人がそうしたいってんなら別に止めはしませんけどね。

仲がいい事は良い事ですよ、はい。



「でもここにくるとあれだね。ついこれ食べちゃくなっちゃうのが困りものだよ」



目の前のケーキをつつきながら月依(つくよ)はぼやく。



「私も私もー。ここのケーキセット美味しいもんねー」

(わたくし)もここの和風ケーキは大好きです」

「ウチはケーキよりもやっぱあれやね。なぁテラスはん」

「うむ。タコ焼きはいいぞ。ここで食べればホカホカの作りたてだしな」



それぞれ目の前にある好きなスイーツ?について話を繰り広げる私達。



「ま、これからは放課後暇なときはここに集合だね。私とサクヤちゃんはここで勉強してるから」

「そうだね。私が来るのは相変わらず補習後だけどね」

陽花(ひはな)はんもカムイは一時間に一回はまともに使えるようになったんやし、もう少し気楽にやればええのに」

「そうはいっても、暴発したときの効果も知っとかないといざという時、使いこなせないしねぇ」



暴発カムイでも使いようによっては、正常カムイより使えるのも何個かあるのは実証済みだし。

それになんか私とカムイの補習してるキクリ先生は不思議と楽しそうにしてるしね。

いい先生に恵まれたなぁってつくづく思う。



「そろそろまた新しいあだ名にかえ時かな、もしかして」

「いやー、当分『狂気の爆発娘』でええんとちゃう?なんか一番しっくりきとるし」

「だから、私は狂ってないってば……」

「ま、今度新しいあだ名になる時は訓練室を完全に半壊させたときだね♪」

「……そうならないように努力します」



その会話に皆の笑い声がカフェ神楽耶(かぐや)の一角に響き渡る。

最近の暴発具合から言ってそうなる日も遠くない気もするけど。

その辺はキクリ先生に頑張ってもらおう、うん。


―――


夕食後、部屋に戻り。

月依(つくよ)が珍しく膝枕して欲しいというので。

私のベッドの上で膝枕をしてあげることにした。



「なーんか、気が抜けちゃった感じ」



私のふとももの上で私を見つめながら月依(つくよ)はぽつりとそう呟く。



「まぁ一年間、生徒会長してたからね。生徒の模範になるように気を張り詰めてたんじゃないの」

「んー……それもあるのかなー」



この一年。

月依(つくよ)はこの学園の為に色々頑張って来た。

私の知らないところで、本当にコツコツと。

そして皆の良い模範となるように頑張り続けてきた。

この一年あまり私に甘えたがらなかったのは、そういうのもあったからなんだろうな。

だから、これからは。



「甘えたいときには甘えて良いんだからね。月依(つくよ)



太ももの上の月依(つくよ)の頭を撫でながらそう微笑む私。



「ありがとう。お姉ちゃん。……大好き」



そう呟くと月依(つくよ)はすやすやと寝息を立て始めた。

普段なら寝ちゃ駄目って叩き起こすところだけれど。

今日一日くらいなら良いかな。



「一年間、本当にお疲れ様。月依(つくよ)



そう呟いて、私は月依(つくよ)のおでこにキスをするのだった。

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