2話
「――じゃあ今日はここまでとする」
考え事をしているうちに授業が終わる時間になっていた。
教室から出ようとした先生が立ち止まり、俺に話しかけてきた。
「九条、お前は明日からの授業どうするんだ?」
先生の言葉に周りのクラスメイトも反応し、ヒソヒソと話していた。
その中で、鬼塚を含めた数人はゲラゲラと笑いながら話に割り込んできた。
「先生〜そんなの聞いちゃ悪いですよ」
「まぁ〜一応な、九条にも授業を受ける権利はあるからな」
「良かったな九条。お前も受けれるんだってよ!まぁ受けた所で無駄だろうけどな」
先生と鬼塚の言葉に、それまで笑っていなかったクラスメイトまでクスクスと笑い始めた。
「――一応、受けよう思ってます」
情けなさと怒り、恨みの中でそう答えた。
「期待はするなよ」
そう言い残して先生は出ていった。
「だってよ、クズの孫。明日が楽しみだな?」
笑いながら俺の肩を叩き、満足そうに鬼塚達も教室から出ていった。
他のクラスメイトも続々とクラスを出て帰った。
俺は下を向いて、ただただ恨んだ。
「――あんたさ〜、いつまでそうしてる気?」
静かになったクラスで唐突に話しかけられた。
顔を上げると目の前によく知る女が立っていた。
彼女の名は一条アリサ
唯一俺に対して分け隔てなく接してくれるクラスメイトである。
「一条には関係無いだろ?」
俺の言葉にイラッとしたのか、声を荒げて言い返してきた。
「関係なく無いわよ。こっちだって全くの他人事じゃないんだから。自分だけが悲劇の主人公だと思わないでよ」
その言葉に反応して俺も声を荒げた。
「関係無いよ!どう考えたって俺と一条は違う。俺は九条で、お前は一条なんだから」
俺の言葉を聞いて一条は申し訳なさそうな顔をした。
「そう・・ね。言い過ぎた。ゴメン」
「いや、俺の方こそ・・お前に当たるのは違った」
しばし沈黙の後。
「帰ろっか」
「――あぁ」
お互い冷静になり一緒にクラスを出た。
特別話す事も無く、無言のまま2人で歩いていたが、俺の家に着いたタイミングで一条が口を開いた
「私はアンタがどうなろうが変わらないから。それだけ・・じゃあね」
そう言うと一条は俺の返事も聞かず自分の家へ帰っていった。
「――ありがとう」
家の前で1人呟いた。
部屋に入るとすぐベッドへ向かった。
横になり、天井を見ていると明日の事について嫌でも考えてしまう。
どうして俺が馬鹿にされ今こうなっているのか、それは又もやクソジジイ、もとい祖父が関係してくる。




