4月 学校生活1
俺は鈴木龍之介。普通の中学生だ。、、いや、訂正しよう。これは何か本の中の普通じゃない主人公がいうセリフだ。成績が中の上くらいという、成績は少なくとも普通、運動能力も体力テストギリAに入るくらいの、これを自慢できる程度の範囲の人間だよ。俺は平和に好かれていない。これが普通じゃないところだ。そんな俺でも平和で楽しい学校生活を謳歌したい。そのための、それだけの物語だ。
あらすじと同じことをいってしまったな。俺はこれを目標としたかったんだ。
鈴木母「朝よ〜!そろそろ起きなさーい!」
いつもの光景だ。母はいつも料理をしながら俺を起こすために声をあげる。目覚ましで目が覚め、軽く走ってきた俺に対して、毎朝そんなことを言う。
鈴木「ただいま母さん。先風呂入ってきていいか?流石に汗かいたままだと身体が冷めてしまうからな。」
鈴木母「あー、はいはい。いつものルーティンね。よく続くね〜。私なら3日で飽きる自信がある!」
自慢できるようなことではないことを自慢げに語る。母はそう言う人間だ。風呂場に行く途中、妹が寝ぼけながらキッチンに向かっていた。
鈴木「おはよう。」
月「うん。、、、おはよう、、、、。」
ユエという名前だ。中国語で月をユエというかららしい。月のように優しく照らしてくれる存在になって欲しいとのことでつけられた名前だ。そして俺の妹は完璧美少女だと贔屓目なしでもそう感じる。アニメかと突っ込まれること覚悟で言わせてもらおう。成績優秀スポーツ最強、家事スキルも高く、性格も良い。少し甘え上手なのがより庇護欲をそそられるらしい。らしいというのは俺の友人がそう言っていたからなのだが、甘え上手とは、どのような感じなのか少しみてみたい気もする。
月はコミュ力も高く、地域の人たちに挨拶してたまに世間話をして、学校の中でも聞き役にもなり、それでいて自分の信念は持っている。なんて完璧な妹なんだ。家では少し俺への扱いが雑だが、思春期だということなのだろう。そこを多めに見てあげるというのも兄としての宿命だろう。ちゃんと挨拶を返してくれているあたり、仲が良いと言えるだろうな。
長話だったか?シャワー浴びている間は色々なことを考えるんだ。これを聞いている読者への自己紹介もその一環だ。、、、ふぅ。さっぱりした。時計を見るとまだ6時30分だった。登校までは1時間ほどある。朝食を食べることにしようか。リビングに向かうと月がこっちに向かってきた。
龍之介「ご飯食べ終わったのか?」
月「うん。、、、髪整える。」
髪を見ると寝癖でボサボサになっていた。流石にまずいとおもったのだろう。月は部屋に向かった。
朝食はベーコンエッグに昨日の残り物のポテトサラダだった。そしてレンジでチンしてあたためた昨日夜炊いたご飯を食べながら、今日の天気予報を見る。今日は曇りのち雨で降水確率が80%だった。月にもあとで伝えておこう。
鈴木母「最近無差別殺人事件が起こってるんだって。世の中物騒だね〜。」
テレビを見ながら母はその内容を語る。その犯人はこの近くで逃走したまままだ捕まってないらしい。確かに物騒だ。
龍之介「母さんも気をつけなよ。」
鈴木母「誰に物言ってんのよ!いざとなったら大根一本でやっつけてやるよ」
龍之介「そんなドラ○もんじゃないんだからさ、、、。」
少し呆れた。どこに刃物に大根で立ち向かうやつがいるんだ。
今日は月の入学式だ。同じ中学に入って、今日は一緒に登校するそうだ。俺は友人にそう伝えておいた。この友人はなかなかに豪快な人間で、多少のことは許容してくれる人間だ。月がついてきてくるのをガッハッハ。と笑いながら許してくれた。電話越しなのに、耳がキーンとなるほどの声量でだ。
月「龍兄、お弁当持ってきて。」
龍之介「了解。これか?」
母が作ってくれたお弁当を持ってくる。月は朝は弱いため、お弁当を作ることはほとんどないが、俺は母さんの負担にならないように、一週間に二回くらいはお弁当を自分で作る。火曜日と木曜日だ。
月「うん。」
月は髪を整えた。ポニーテールにしているが、少しうねった髪の毛は月白色、、、金色のような白色のような、そんな中間の色だ。月はすでに着替えており、なかなかよく似合っている。
龍之介「行ってきます。」
あいよー、と母からの返事が返ってくるのを聞いてドアを閉める。最近通り魔がいるらしいからな。注意するに越したことはない。
道中、さまざまな視線が俺たちを包む。まず、俺と月の容姿の差だろう。俺は目つきが悪く、短髪で、髪もくすんでいる。一方で、月は美少女。それはよからぬことを心配されるだろう。脅されてそうだとか。余計なお世話だ。あとは、月に見惚れて、と言うのもあるだろう。俺に怯えたのかもしれない。目つき悪いしな。
月「あ。魚屋のおじちゃんおはようございます。今日は仕入れが終わったところですか?」
おじちゃん「おうよ。いい魚を仕入れたぜ。帰りまで残っていたら買ってくれな?」
下手なウインクをして冗談を言うおっちゃん。月は笑いながら、こんなふうに花屋とか八百屋とか一つ一つの仕事を覚えていて、さらには、どこどこのお母さんとか学年上とか学年下とか関係なく、顔が広い。どれだけ社交性があるのか気になるところだ。漫画でもここまでの社交性を持っているのは見たことがない。
曲がり角を曲がると、いつものように、雷麦が、リフティングしながら待っていた。
雷麦「ガーッハッハッ!春休み終わったが、元気そうで何よりだ。月ちゃんも元気にしてたか?」
月「はい。おかげさまで。、、いつも兄がお世話になっております。」
ライ麦は柔道部かと思わせるほどのガタイの良さで、豪快なサッカー部だ。コート真ん中から蹴ったボールがゴールポールをひしゃげさせたと言う伝説は、中学校一年の頃に実際にあった出来事であっという間に広まった。そこからしばらくは殺人キッカーと呼ばれていたが、本人は豪快に笑って、俺のシューズが赤いのは血塗れの赤だー!!とか言ってみんなを沸かせていた。たまに家に遊びにきたこともあるため、月とは面識がある。
雷麦「月ちゃんスポーツ何入るつもりなん?」
月「そうですね。悩ましいんですけど、バスケ部ってかっこいいなって思ったんです。だからバスケ部に入ってみたいな〜って思ってます。」
雷麦「いいじゃんか!バスケ部!いや〜俺もゴールさえ壊さなければバスケ部に入るのも良かったかもしれんな〜」
龍之介「お前根っからのサッカー好きだろ。」
そんなことを嘯く雷麦に軽く突っ込む。
雷麦「ガッハッハッ!さすが龍はわかってるな〜!」
俺のあだ名は龍だ。
(余談 月のバスケ部かっこいい発言は近くを通る男子数名に聞こえており、今年入るバスケ部の男子の人数が少し増えたらしい。)
そんな会話をしていたら学校に着いた。
これで1話は終了だ。こんなタイトルで内容が学校生活にすら入っていないのは悪いとは思うが、俺のペースで行かせてくれ。




