恋なんかしない。
この秋、私は恋なんかしないと、決めたんだ。
恋なんかしない。
恋探しってなに?
恋探しなんか知らない。
そんな課題、
絶対にやらないって決めているから。
じゃあ、この胸のときめきはなに?
知らない。
気づかない。
気づきたくない。
知らんぷりしよう。
だって、___
気づいてしまったら。
自分との約束、やぶることになるから……。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
久々に見たこの光景は、相変わらずという言葉がお似合いだった。
セミの鳴き声も落ち着いてきて、もう少しすれば、全くきこえなくなり、少し寂しい気もする。
夏休み明け。
登校初日から始まる授業は、ほぼほぼ先生の雑談だった。
夏休みの思い出話で盛り上がっている。
そんな中、話しは変わるが、と先生は言う。
「夏休みの課題地獄から脱出したところだろうが、一つ先生から、追加課題を出すぞ」
「えぇぇぇぇぇ……」
私もえぇぇぇぇぇ……。
課題が終わった今は天国だったのに!
どんよりした空気に変わることを、先生は気にすることなく、アリーナ席の子に声をかけた。
「リョウ、秋といえば何が思いつくかい?」
「えっ……?それは、栗とか、焼き芋とか、落ち葉とかまつぼっくりとか……」
「ほぉほぉ、食べ物は何の秋じゃ?」
「食欲の秋……ですかね……?」
「その通りじゃ!じゃあ、アミ!他には何があるかのぉ?」
「スポーツの秋とか、読書の秋とか、芸術の秋とか……です」
「そうじゃそうじゃ!良い感じじゃ!じゃあ、それらをまとめると何かね?スズ」
「うーん、……秋……ですね」
「んー、まぁそうじゃが……。これは少し難しい質問だったかのぉ。いいかい、答えは……。
『恋の季節』じゃああああああ!!!!」
・ ・ ・
ぽかーーーーーん。
いや、わかるかぁぁぁ!!
「ほらほら、よく考えてごらん。食欲の秋、誰かと一緒に食事したくならないかい?スポーツの秋、体育祭があるじゃないか。読書の秋、図書館は急展開の場所でもある。芸術の秋、文化祭があるじゃないか。何より秋のイベントであるお月見は、想っている人と隣で見たくなるだろぉ?つまり、秋は恋に最良ということだ!ここの学校に秋休みがないことを残念に思う生徒もおるが、このためにも、秋休みはないんだよ。そろそろみんな気づいたかもしれないが……」
ゴクッ……。
「わしからの追加課題は、この秋に『恋をすること』じゃ!!実って欲しいが、結果は求めない。とにかく、恋をすれば良いんだ。その気持ちが自分を変えるのじゃ。なるべくみんなにして欲しいが、そう簡単にはいかないことはわかっておる。だから、強制ではない。だが、この秋は恋を勉強するといいぞ。それをいうと、わしも学生時代はこう見えて、結構モテたのだよ」
と何十年か前の恋ばなを始めた。
窓を通り越した景色を見て、小さく呟く。
恋なんかしない。
恋なんか知らない。
課題なんかやらない。
気づいたら、まともに授業することなく、午前が終わっていた。
「お腹空いたぁぁぁぁ」
「アミ、それ毎回言ってるよ」
「だめ?笑」
「だめじゃないけど、耳にタコできるかも。笑」
「「いただきます」」
私たちは久々のお弁当を、光り輝く太陽の下で食べ始めた。
「コウトリ先生の追加課題やる?」
「ううん、私はやらない」
「絶対そう言うかと思った」
「だって、興味ないんだもん。アミはやるの?」
「やるっていうか、もうしてるっていうか」
「え?アミって恋する人なの?」
「まあね」
「ちょっと意外かも」
「まぁ、もう会ってないからね、ずっと片想いだし」
「どれくらい?」
「8年くらいかな」
「めっちゃ一途。好感度高い……!」
「いや、好感度とか狙ってないから!」
「結局伝えることなく、離れ離れになって、行方もわからず……。それでも、今もずっと初恋の人が頭にいる」
「会えると良いね。もしかしたら……、もう会ってたりして!」
「そんなわけ!」
その後も私たちは久々の会話に盛り上がっていた。
最後の授業が終わった。
このあと、私は委員会のお仕事。アミは、部活だ。
「部活頑張ってね」
「うん、ありがとう。委員会いってらっしゃい」
「いってきます」
そう言って、私たちはそれぞれの目的地へと向かった。
私は図書委員で、毎週月曜、水曜、金曜の放課後が当番。それで、一緒にやっているのが、隣のクラスのトア君。
なんだけど、まだ来てないみたい。
先に本の整理でもしておこうかな。
それから27分後……。
「遅い……」
「ごめん。久々だったから忘れてて。うっかり家に帰っちゃった」
「うっかりでも、家に帰るかぁぁぁ!!ってことで、27分お先に失礼しまーす」
「だからごめんって。俺一人にすんなよ」
「私一人にしたのに?」
「……確かに」
いや、納得するんかい!
何て言いながら結局私は、そのままやり続けた。
「今日コウトリ先生の授業あった?」
「なかったけど。何かあったの?」
「それがね~……夏休みの追加課題」
「え?まじ?……ワーク5冊追加とかじゃないよな?」
「うん、違う」
「じゃあ何?」
「この秋に恋をすること」
「……恋?なんだ、面白そうじゃん」
あのぉ、言ってることと、表情が一致してないんですど……。
「ヒナノはワクワクしないの?」
「しない。だって、相手がいないし」
「ふーん」
聞いといてその反応?!
「まぁ、相手ならたくさんいるだろ?俺とか……」
「十分あなたはもうモテてるでしょ?」
「あっ、バレた?」
そう!この人、なぜか、モテるんです。!!
そんなモテ男の隣に、生まれてから14年経った今も好きな人も彼氏もいない中学2年生の私。
真逆すぎて真逆すぎて、真逆すぎてます!(?)
ちなみに、モテ男も今はフリーらしい。
ということで、私、ここに誓います。
この秋、私は恋なんかしません!
もし私が恋をしたら、
その時は、笑って許してください。
もし、私が恋をしたら、
あなたのそばから離れます。
もし、私にそれができなかったら、
あなたのものになります。
でも、私は恋なんかしません!
恋なんか、絶対絶対絶対しないんだからぁぁぁああああ!!!
こんにちは!はづきです(*´▽`*)!!
第1話お読みいただき、ありがとうございました(((o(*゜∀゜*)o)))!!!
初の連載小説です( ◍•ᴗ•◍ )!
秋を舞台にお話をかきたいなぁ、と思って考えて、降ってきたのが、○○の秋です。!
ぜーんぶ組み合わせて恋に絶好の季節だー!!
てことで、連載小説スタートです!
短編では入りきらないので、1話をサクッと読める長さの連載にします!最後までお読みいただけたらうれしいです(*˘︶˘*)!
お読みいただき、ありがとうございました!!
第2話もお読みいただけたらうれしいです(⁎>ᴗ<⁎)!
よろしくお願いします!




