27.研究成果発表会
ノエール様の画策したメンヘラ男子との顔合わせから2ヶ月。
見事にあの時以来、顔を合わせることなく過ごしております。
国の将来に関しては知らん。自分たちで立ち直ってくれ。
最悪、宰相が別の方法で魔王の力を手に入れるなら、叩き潰すのに協力はするつもり。
でも、貴族政治のごたごたは勘弁な!
さて、今日は研究室の定期的な研究成果発表会です。
魔法学科の研究発表会で、ハスラー先生の研究室の生徒がそれぞれ研究の進捗なんかを発表します。
新しい魔道具の設計だったり、新しい魔法だったりとの報告ですが、私は学校に入ってから研究を始めた、自分の属性以外の魔法使用について発表するわけです。
「それでは、自分の属性以外、“他属性魔法の使用“について発表させていただきます」
私の番がきたので、教壇に立ち資料をみんなに配って説明を始める。
今日は説明回だ。覚悟してね。
さて、私がゲームで見た自分の属性以外の魔法を使う能力だけど、触媒となるアイテムに魔力を通すことで使用可能になることが分かった。
これはもともと、火龍の鱗に魔力を流すと、着火ができる程度の火おこしができるところから、解析を進めた結果だ。
この世界の魔法は、呪文によって魔法陣を作り発動する。
イメージが大切でどのように発動させるのかによって、同じ魔法陣でも効果を多少変更できることは、私の魔法の使い方を見てもらえれば分かると思う。
防御障壁の形状を変えてナックルガードにするとか、そういったことだ。
で、問題となるのは、自分の属性以外の魔法陣は呪文を唱えても再現できないこと。
だから、他属性の魔法は使えない。
ところが、火龍の鱗は自身が全身に火をまとうことがある為、鱗自体に火を起こす魔法陣のような回路が刻まれていたのだ。
だから、誰が魔力を流しても火が出る。
そこで、触媒そのものに、魔力の通り道を魔法陣上に刻めば魔法が使えるのではないか?と思ったわけである。
流石に火龍の鱗を何個も持っていなかったので、ファイヤフォックスという火山地帯にいる狐の魔物の魔核をつかって、初級魔法の火属性魔法の魔法陣を刻んでみたのだ。
ただし、表面を削っただけではダメで、魔力の通りをよくする材料を溶かし込む必要があった。
なんと銅!
魔力は電気だったか…
いや、金や銀のほうが効率は良かったんだけど、材料費がバカ高くなるので、上位魔法を使うため以外では使わないほうがよさそう。
これのおかげで、私は火属性魔法の初級魔法であるファイヤーボールが使えた。
ただし、ちゃんとした属性持ちの人が使うより威力が2割ほど落ちるけど。
ただ、おかげでネクロマンサーを倒すことができたので結果オーライというやつだ。
ゾンビやスケルトンはよく燃える。
ただ、問題は闇属性使いが人間に居ないので、魔法陣の解読ができるかどうかということがある。
今後の課題は、それら魔法陣の解読と、闇属性魔法を使うことによる人体への影響確認となる。
「以上で、発表を終わります」
「待ちたまえ、今ものすごくサラッととんでもない発表をしなかったか?」
ハスラー先生から呼び止められる。
「え?そうです?」
「エリーカ君、君は今火属性魔法のファイヤーボールが使えたと発表しなかったか?」
「はい、しましたね」
「聖属性の君が、火属性をつかえたのだぞ?大発見ではないか」
「でも出力が、普通の火属性魔法の使い手の2割減でしたので、大したことは」
「大ありだ!!君の発明を応用すれば、魔力量さえ何とかなれば、だれでもどの属性でも魔法が使えるということだぞ!!」
「んー…そうですね」
「例えば君が使える回復魔法が、誰でも使えるようになるんだぞ革命的じゃないか!」
「でも、聖属性の触媒がありません」
「…そうなのか?」
「使えるモノを見つけたのは、土と火と水だけです。可能性として、闇と風は見つけましたが、聖属性なんてどんな魔物を倒せば手に入るんでしょう?」
ハスラー先生が考え込んでしまった。
魔物に聖属性のモノはいない。
「だが、4大属性なら使えるのだな?」
「その可能性が高そうですね」
「まったく、私の研究課題をさらりと解決してくれて…もう卒業させたいコイツ」
「聞こえてますよ、先生」
結果的に、今回の発表で上半期の単位がもらえることになった。
闇属性と聖属性以外は先生が研究を引継ぐというので任せることにして、私は闇属性を何とかしようと思う。
ストックがガチでありません。
更新速度が落ちると思いますが、ご容赦くださいまし。




