20.四人の関係
読んでくださりありがとうございます!
……。
……まただ、またあの暗い空間だ。
……っ!?
前が急に明るくなった。……あぁ、目がぁ。
あたしはその場にしゃがみこんで、目をこすった。
「……。…………」
「………。……」
なんか、話し声が聞こえる。でも内容までは聞き取れない。もうちょい近くに行ったら聞こえるかな? (盗み聞きじゃないよ、知的好奇心だよ!)
あたしはようやく慣れた目を開けた。
まず目に入ってくるのは、大きな木。上を見上げても、緑の葉っぱが続いてる。更に後ろにはオレンジの空。水平線の近くは少し暗い。
でも、一つおかしなとこがあった。
「なんで太陽が無いんだろ……」
それなのに明るいって……。
そして、木の下の方も見る。
木の幹のとこに、黒髪の少女が座ってる。そこから少し離れたとこに白髪の少年が立ってる。
あたしは気付かれないように、コソッっと近づいた。
声が聞こえる位置まで来ると、二人の方を見る。
黒髪の少女は、少し短い髪を風に弄ばせている。風が吹く度に、黒髪がふわりと舞う。服は、黒いワンピース、白いチョーカーに黒いパンプスをはいてる。……なぜドレスじゃないんだろ……ゴスロリっぽいのに。
白髪の少年の方は少し長めの髪を後ろで緩く結んでる。服は、白地に、青いラインがところどころ入ったタキシードみたいな服と、黒い靴下、白い靴をはいてる。どっかの貴族の子供かな?
二人とも中学生くらいに見える。なんでこんなワケわかんないとこに?
「また来るよ。次も遊ぼうな、……約束だ」
「君は約束が多いのね、ふふっ」
たぶん、最初の声が白髪少年。……声が低いね。
次の声は、黒髪少女の少し高めの、暗い空間で聞いた声だ。
あたしは視線を感じて、上を見る。
そこには、深い青の髪を短く切った少女が微笑を浮かべながら、こっちを見てる。
そして、
「やぁ、懐かしいよね、あれ」
そう、黒髪少女と同じ声で聞いてきた。
「懐かしい……?」
何が? と聞く前に、少女がワンピースの裾をはためかせながら飛び降りてきた。
「うん。よく遊んだよね、一緒にさ。……ボクは君との約束を覚えているよ。まぁ、懐かしい昔話は、また後で。たぶん、もうすぐ会えるからさ」
今の話を聞く限り、目の前の少女はどちらかってことになるね。でも、あたしは……。
そして、次第に意識が朦朧とし始め、すぐに前みたいにはっきりしていく。
目を開けたら、
「……Zzz」
…… な ん か 主 サ マ が 近 く で 寝 て る ん だ け ど …… !
しかも、なんか手を握られてるんだけど。
心配だったんだね。まぁ、主サマの向こうのサラさんも寝てるし、二人が起きるまで寝よ……。




