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始皇帝記 ~DG6~  作者: 小泉るか
デモゲ6-1
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DG6 097 存在価値

シグレ「次回の"武芸披露目"は37日後とのことです」


サトシ「うわ、先過ぎるな。別の手で行こう。だが工作するにも時間がかかるからなー。正面からいくか」


シグレ「正面からとは?」


サトシ「攻撃と認識されない程度に強行突破をする。最初はもちろん守衛に話しかけるし、誰かがでてきても殺さない程度に実力を示す」


シグレ「先日のようにはいかないと思いますが」


サトシ「そうだな。いち拠点レベルではなく国王だし、俺より明らかに強い奴がいるから難しい」


リサ「あらかたの調査は終わったのですから、帰るのも手段だと思います」


サトシ「そうか、そうなんだけどな。ベルグでは守るものが増えすぎて、もう大規模な兵を使った戦闘は避けたいとも思ってるんだよ。ぶっちゃけこの国の兵士を使ってミウとやり合うだけなら、俺たちには関係ないからな。だから多少危険でも潜り込みたいなって」



リサ「そういうことでしたら仕方ありません。しかし強行突破は危険すぎます」


サトシ「うーん。かといって襲撃して暗殺しても、この国をすぐに吸収できるとは思わないし、ミウもノーダメージで残ってるから面倒なんだよなー」


リン「暗殺する発想はなかった」


サトシ「そうか?兵器をあらかじめ複数展開して無差別に殺すだけならカナン王のときより簡単だ。だけど最強の奴と話してみたいからなー」


リサ「では国として交渉の席をも設けるのはどうでしょうか」


レキア「敵国として接することになれば本音も聞けなくなるのでは?」


リサ「確かに」



シグレ「私たちが慎重になっているのと同じように、相手も慎重にでると思います。2国間の戦争も長く続いているとはいえ出来レースのようなものとわかりましたし、それほど攻撃的な姿勢をとるとも思えません」


サトシ「そうだな。じゃあ正面から行くかー」


リサ「強行突破ではなく、説得に時間を頂ければ工作も試してみたいと思います」


サトシ「ダメだったらそれでいこう。工作結果と武芸披露目とやらのどちらが先になるかわからんけど」


リサ「ありがとうございます」


サトシ「戦闘以外のかけ引きは俺の分野じゃないから、その時は期待して任せるよ」


リサ「シバキさまのように上手くできるとは思いませんが、軍師専攻として結果をださなければ私の存在価値はないと思いますから」


サトシ「おいおい、一人でそこまで抱え込むなよ。俺にとってはシバキもリサも同じ妻だ。シグレもリンもレキアもそうだがな、なくてはならない存在なんだよ。誰一人欠けることだって許せないし、損得を考えた付き合いじゃないんだ。物事がどんな結果になろうが自分を否定するな」


リサ「…。言葉もありません(泣」




-夜 宿のベッド-



シグレ「明日は重要ですね」


サトシ「俺は楽しみだけどなー」


シグレ「サトシさまに恐怖はないのですか?」


サトシ「記憶にないなー。初めてで震えることはあったけど、武者震いって奴だろ。強敵やら危険やら相手に動けなくなるほどビビることはなかったよ。そういう術を試されたことはあって、気持ちはわかるけどな。シグレはあるのか?」


シグレ「私はあります。隠密として恐怖を抑え込む訓練は受けましたが、また同じような状況が来るのではないかと恐れています」


サトシ「何が怖いんだ?人によって違うと思うが、だいたいの人間は死を恐れるが、いざ悟れば死を受け入れるか、いつもより冷静な対処ができるもんだ」



シグレ「母が死んだときです。寂しくて悔しくて怖くて先も見えなくて、どうしようもない感情が一気に襲ってきて、泣くだけでずっと体が動きませんでした。大切な人がなくなると思うと。いえ、考えたくもありません」


サトシ「そうか。時空呪も蘇生呪もない世界だから仕方ないよな。生き返らせたいなら魔界に行ったときに言えばできたぞ。今だって開発団の中に蘇生呪持ちのナチュラルはいるはずだ」


シグレ「蘇生呪...条件はないのですか?」


サトシ「滅魂呪を使われるか、封魔エリアで死体の一部も残らないほどの死に方をすればダメだな。それと先に肉体を完全再生する必要があるが、それは再生対象の実際の存在を知らなきゃダメだし必要魔力も高い。だが再生にしても記憶読み取りにしても、俺もシバキもアスカもできるから心配ない」


シグレ「母が生き返る…(泣」


サトシ「よし。じゃあ帰ったら蘇生しよう。魔界と違って魔力が低いから、日数はそれなりにもらうことになるが」


シグレ「は、はっ、はいっ!(泣」

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