おじいさんと星屑飴屋-番外編2-
大きな宇宙に漂う小さな飴屋さん。
今回は、おじいさんが少年と同じくらいの時のお話。
小さな惑星にあった蜜花飴屋さんは、笑顔が素敵なおばあさんがやっていました。
「今日は何の飴を買おうかな…またおばあさんの飴屋さんに来れて嬉しいなぁ♪」
「おや、今日も来たのかい?毎日元気だねぇ。」
「あ、おばあさん、こんにちは!今日は何の飴を売っているの?」
「今日はね、特別な飴を作ったよ。まだ誰にも教えていない、甘くて美味しい飴さ。」
「わぁ、どんな飴なの?食べてみたい!」
「ふふ、それはね、今までの飴の中に、桜のジャムを入れてみたものなんだ。おいしいよ?」
おばあさんは、お店の奥から桜入りの飴を持ってきてくれました。
その飴は、ほんのりピンク色でとても綺麗だったので、小さい頃のおじいさんは見とれてしまいました。
「うわぁ…本当に綺麗だね!おばあさん、ひとつもらっていい?」
「いいよ、たくさんお食べ。」
「ありがとう!僕もこんな綺麗な飴を作れるようになりたいな。」
「おや、飴屋になりたいのかい?そうだね…。」
「僕もなれる?」
「もちろんさ。だけど、それには作り方とか、材料とかを自分なりに考える事が必要だよ。わたしは花の蜜から飴を作るようにしているけど、他の惑星には色々な飴屋があるだろう?それと同じさ。」
「自分なりに考える…うん、分かった!僕、頑張るね!」
「頑張って美味しい飴をみんなに届けられるといいねぇ。」
おばあさんは笑って手を振ってくれました。
その日からおじいさんは、一生懸命美味しい飴の作り方を考えました。
途中で飴が焦げてしまったり、何故か辛くなってしまったり、途中で失敗をたくさんしてしまいましたが、おじいさんは ついに美味しい飴を作ることが出来ました。
一生懸命作った、星屑で出来た飴。その飴が今の星屑飴屋の始まりだったのです。
おじいさんと小さな飴屋さん。
あの時 頑張って作った飴のレシピを無くすことなく、今日も元気に飴を作っています。




