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Gift  作者: 如月双
Phase.5 Progressed編
62/77

Phase.5-12

血迷ったのかもしれない、連日投稿。


その代償はストックがなくなったことです。


Google日本入力、予測変換が出てきて何時も以上に速く書けますね。


もう少し速く導入すれば良かったかもしれません。

 それは突如起こった。


 激しい揺れ。

 最初は地震だと思っていた。

 だが、小さな揺れの後から来る大きな揺れが何時まで経っても来ない。

 その代わりと言っては何だが、大きな音。

 彼女―天野 凛にとっては懐かしい響きさえ感じられる。

 しかし、それは彼女にとって、己の育った世界に戻ってきたかのような錯覚さえ感じられる。

 そして、他の人物からすれば、子供向けの特撮映像でしか聞く事のないようなそれ。

 だからといって、それに対して何かが出来るかと言えば何もない。

 音のした方角を窓から眺めるくらいか。


 そこで起きている事実を前に固まるしか出来なかった。

 この国では、軍隊は存在しない。

 軍隊の代わりの存在があるのだが、それはあくまで他国から攻められた時に自国を守る為に結成されているものでしかない。

 だが、それでも他国に攻め入れば国一つ位は落とせてしまう軍事力を誇る。


「どうして…」


 どうして軍隊もどきが街を攻撃しているのだろうか。

 よく見れば、軍用の魔導を使用している。

 効果効率からみれば、現存する軍用CTの最新版に近いものと思われる。

 またしても、どうしてと呟いてしまう。

 彼女が調べてみる限り、この国の軍用CTは二世代程前のものを使用していたはずだった。

 二世代前のものでも十分に活躍出来るにしろ、更に脅威になっていることには違いない。

 こういった騒ぎに対応出来ない程、平和な暮らしになれている人間には自分達が矮小な存在であると自覚してしまうだろう。


 操られているわけでもなく、自ら望んでこの様な行動を起こしている。

 この国では軍を保有していないからこそ、二人で逃げてきたのだ。


 ◇


「一体何が起きている?」


 全方位を窓で覆われたオフィスではスーツ姿の人々が今この国で何が起きているのか、客観的に判断しようと各地に点在する支社から送信されてくる情報を集め、まとめている。

 送られてくる情報の殆どが断片的でそれを何とか繋ぎ合わせようと自分の元に来た情報と他の人の物とを照らし合わせる為にオフィス内を縦横無尽に駆け回っている。

 その中で、ぶつかりそうになっているが、それを気にする余裕は彼らにはなかった。


 分かっている事は、各地に駐屯している自衛隊が、自衛軍と名乗り、要所要所を抑えようと行動を開始している。

 そして、抑える為にかなり、荒っぽいことをしている事だ。


 そのオフィスを出て少し離れた所にある個室に中年の男女が部下がまとめている途中の情報を流し読んでいた。

 絶え間なく流れてくる情報を読んでいくだけても疲労していく。

 それに疲れ、娘に連絡を取ろうとも、回線が混んでいるのか彼女に繋がる気配はない。


「右翼が行動に起こしたとは思えないが…」


 むしろ、真っ先に己の関与を否定した位だ。

 使用しているのは水瀬グループで開発したCTではなく、どこかで秘密裏に密輸された軍用CTと言われている。

 海外では軍用CTを開発しているものの、技術の本質は何処までも言っても一般や法人向けのものなので、軍用に関しては動作効率の高いものは作られていない。

 認められているとすれば、とにかく頑丈で壊れにくいという点であろうか。


 ◇


「天野君、社長からの避難勧告だ。

 窓の外を見ていないで、君も速く逃げ給え」


 そう言うと我先に小太りの男は普段見ることの出来ない速度でオフィスを飛び出していく。

 それを追う様な事はせず、ただ、眺めていた。

 経験則から逃げた所で意味が無いと判断出来る。

 新たに手に入れた力を行使するには格好の的でしかない。

 出力が安定していなことから、まだ使いこないしてはいないが、それも時間の問題であろう。


 狙いは自分か、鏡介か。

 もしくはその両方。

 自分自身を高く見ている訳ではないが、自分の持つ技術や、知識は他の国でも喉から手が出る程もものだと思われる。

 加えて戦闘力も高い。

 闘い方にもよるが、この国に駐在している騎士にも劣らないはずだ。

 鏡介に関しても同じだ。

 彼は戦闘に関してのみだが、更に彼は後天的に実力を伸ばされた存在だ。

 彼の身体を調べれば、人の改造も容易になる。


「さて、私はこれからどうしようかな?」 

誤字脱字がありましたらご連絡下さい。


読んで下さり有り難う御座います。

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