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店先に自転車を停め、引き戸を開けた。静かだ。目の前の木製のカウンターは無人である。
僕は店内に進んだ。何百回何千回と繰り返してきた行動。もう目をつむっていたって自分の部屋まで辿り着けるだろう。
それはそうと、店の裏へ進んでも尚静かだ。僕は店長は出かけたのだと推察する。車もバイクもあったので、おそらく徒歩で行ったのだろう。
僕は部屋に荷物を投げるように置くと、パソコンの主電源を入れた。イスには座らずに、テーブルの端の本の山から読みかけの一冊を手にすると部屋を出た。荒木さんがまだ出勤していないことには、僕が店番をするしかない。
僕は途中で台所に寄ってインスタンスコーヒーを淹れると店へ向った。カウンターに座り本を開く。
店長も、出かけるなら連絡のひとつくらい寄越してからにすればいいのに。内心でそう愚痴ってから、昨日の続きを読み始めた。




