表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/101

50




何の気無しに姉の部屋のドアを開けてみた。姉の部屋は僕の部屋の先にあり、そうしようと思わない限り姉の部屋に近付くなど無いことだった。

姉の部屋はあらゆる物に埃が積もっていたが、それらは姉が出て行った当時と全く同じ場所に置かれていた。いや、僕は思い直す。それは僕に判断できることではない。何せ僕はもう十年近くこの部屋に立ち入ってはいないのだから。

姉の部屋のカーテンが半分開いていた。窓からオレンジ色の光が射し込んでいる。カーテンを開けっ放しで出て行くなんて、姉はやはりずぼらだ。とはいえ僕も、この家を出て行くとなったらカーテンなんか閉めないし片付けだってしないだろう。

僕はきっと逃げるようにこの家を出るはずだ。

姉の部屋のドアを静かに閉めた。静まり返った空間に、パタンという音がこだまする。一歩も足を踏み入れていない姉の部屋に、僕の痕跡など何ひとつなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ