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ちょうど荒木さんの「今日も雨ですね」という言葉に、店長が「また台風来てるみたいだよ」と答えたところだった。引き戸を開けた僕を二人が振り返る。

「おかえりリッ君。雨大丈夫だった?」

「はい」

僕は雨粒を振り払った傘をきれいに畳んだ。ギリギリ本降りになる前に帰ってこれたようだ。

「あ、瀬川君。お茶淹れるよ。ホットでいい?」

シャーペンを置いて立ち上がった荒木さんに僕は礼を言った。服についた滴を叩き落とす。本棚の前にいた店長は手にしていたファイルを元通りにすると、ぶらぶらとソファーの方へ戻った。

僕が部屋に入ってすぐに荒木さんが温か紅茶を持ってきた。彼女は「風邪引かないようにね」と一言添えると店の方に帰って行った。

紅茶を一口飲むと、雨で冷えた身体が少し温かくなった。僕は細長いため息をひとつつくと、パソコンの電源を入れた。




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