第19話:悲しみを乗り越えて(2)
「・・・」
じっと来るであろう拓也を待つミナモとモエ。
「すみません・・・」
突然そう告げたミナモ。
「ミナモさん?」
「全て私が原因なんです・・・拓也さんやモエさん・・・そしてヴァンさんも・・・」
そう言うミナモ。
「・・・みんなそんな事思ってないと思いますよ・・・多分ですけど」
そう告げるモエ。
「私は私の意思でついて行くことを決めました。拓也さん達だって同じです」
そんな事を言うモエをじっと見ているミナモ。
「私も疲れちゃってるんですかね・・・気持ちが負けちゃってましたね」
そう言うミナモ。
「ありがとうございますモエさん。これでまた・・・」
そこまで言った時、ミナモは周囲の状況に気付いた。
「複数の気配が近くに・・・」
そう告げた時、二人の視界に複数人の男達の姿が入ってきた。
(気付かなくちゃいけなかったのに・・・ここで捕まったら・・・拓也さんやヴァンさんの頑張りが・・・)
そう思うミナモ。
「あの・・・ミナモさ・・・」
モエが言い終わる前に、ミナモはモエの手を掴んでいた。
「逃げますっ」
そして一気に駆け出すミナモ。
それを見て男達も急ぎ足気味に向かってきていた。
ここに到達するまででも体力・気力共に消耗しているミナモ。
そんな中の限界の力で走っていた。
しかしながら、男達の方が確実に力も速さも上回っていることはミナモにもわかっていた。
だからこそ捕まれば終わりだと知り逃げていた。
「ミナモさん・・・疲れてるのに・・・」
「モエさんこそ・・・私が体力万全で飛べる事が出きれば・・・」
そんな話をしている間にも、距離を縮めてくる男達。
「拓也さん・・・」
と、ミナモが諦めかけていたその時突然男達の動きが止まった。
「あれ・・・どうしたんでしょうか」
疑問に思うモエ。
と、男達の前に一人の青年が姿を見せた。
「ミナモさん・・・あれって・・・」
驚いているモエ。
「ここはあいつが管理してる階層だ。能力者はともかくお前達がいると邪魔になる」
そう男達に告げたのは雷の能力者・レイドであった。
「しかし・・・侵入者を捕らえるよう・・・」
男の一人がそう言うと
「なら俺が受け継ぐ。お前達は他の警備に回れ」
「了解しました」
レイドの指示を受け、この場から離れていく男達。
「さてと・・・」
男達からミナモ達に視線を変えるレイド。
(相手は一人になりましたけど・・・状況は逆に・・・雷の能力は拓也さんの風と同じように速さがある能力・・・)
モエを自分の後ろにいさせて守ろうとしているミナモ。
「動く気がないならこちらから行く」
と、レイドからほとばしる雷撃。
それは、ミナモ達の周囲を駆け巡っていった。
「・・・ミナモさんっ!」
突然ミナモの手を取り駆け出したモエ。
その行動に驚くミナモ。
「疲れてますけどまだ走れますから」
そう言うモエ。
「まだ走れるのか・・・意外と持久力はあるのか・・・なら追わせてもらおうか」
そう告げるとレイドも行動を開始するのであった。




