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第10話:螺旋階段の戦い(1)

本部の能力者、ディオ・レイドとの戦いを乗り切った拓也。


だが、何か釈然としないものが心の中にあった。


しかし、ここで立ち止まっていても仕方がないので街に戻りミナモ・モエと合流する拓也。


「拓也さん!」


拓也の無事な姿を見て喜ぶミナモとモエ。


拓也も二人が無事なのを確認してとりあえずほっとしていた。


「拓也さん、大丈夫だったんですか」


そう聞くミナモ。


「あぁ、色々あったけどな・・とりあえずすぐに下の階層へ向かおうぜ・・こんなに本部の能力者が動いていたら危ないからな」


そんな訳ですぐさま街を出る拓也たち。


「何だか慌ててますね拓也さん・・」


そう感じたモエ。


「でも、本部の人と何度かこの階層で出会ってますから急いでこの階層を出たい気持ちはわかりますよ」


そう言うミナモ。


(それだけじゃないんだけどな・・ディオがあのままでいるとは限らないし・・あそこでの状況を知って他のやつが来ないって保証はないしな)


そんな事を考えながら先を急ぐ拓也。


しばらく通路を進んでいくと先にかなり広い場所を見つけた拓也たち。


「何だ・・街でもないのに・・広い空間だな・・」


そう言う拓也。


「あっ、ここですよ。下の階層にいける場所」


突然そう告げたモエなのであった。


「何だ・・階段?」


広いフロアにあったのは下の階層に続いていると思われる螺旋状の階段だった。


「こんなに目立ってたんですね・・下の階層に行ける場所って」


そう言うミナモ。


「でも、お婆ちゃんが言ってたんですけど・・逆に危ないらしいですよ」


そう言うモエ。


「確かにな・・これだけ広く大きな階段だし・・周りには隠れる場所もない・・すぐ見つかるだろうな」


そう考える拓也。


「でも、ここしか階層移動は出来ないですよ・・」


そう告げるモエ。


と、辺りをしっかりと見渡す拓也。


「とりあえず周りにはそんなに人はいない・・ただの通行人っぽいし」


そう言う拓也。


「モエさん、地下世界の人ってここ普通に通れるんですか?」


尋ねるミナモ。


「お婆ちゃんが言うには見張りの人はいるみたいで・・怪しくなければ通れるみたいですよ」


「って、俺たちじゃまず止められそうだな・・」


「拓也さん、どうしましょう」


そう言うミナモ。


「・・・ミナモ・・今の力でモエを抱えて飛べるか?」


「えっ、多分・・モエさんの身体の大きさなら何とか飛べるかもしれませんけど・・」


そう答えるミナモ。


「なら、この作戦で行こう」


と、拓也は自分が考えた作戦をミナモとモエに話すのであった。


「!?」


拓也から説明を受けたミナモは驚いていた。


「そんな事・・拓也さんが危険・・」


「あぁ、それにミナモ達の方も安全じゃない・・本当はもっと何か良い方法を考えたいんだけど・・」


そう言う拓也。


「拓也さん・・」


そう呟くモエ。


「わかりました・・私必ずモエさんを守って下の階層まで辿り着きます」


そう言うミナモ。


「すまないな・・」


そう告げると真剣な表情になる拓也。


「拓也さん・・何か考えがあるんですか?」


尋ねるモエ。


「一応な・・上手くいけばだけど・・それとミナモ達にはなるべく俺より先に進んでいてくれ・・巻き込まれたら大変だからな」


「はい!」


そして、準備をするミナモとモエ。


「しっかりつかまっていてくださいね・・私も本来の力が出せないのであれですけど・・」


と、小さな天使の翼を出現させるミナモ。


「それいつまで出せるんだ?」


「時間制限はありませんけど・・この状況だと敵の攻撃を受けたら消えてしまうかもしれません」


そう告げるミナモ。


「わかった、攻撃は俺が止める・・それじゃ作戦スタートだ」


そう言い行動を開始する拓也たちなのであった。


「まずは私たちから・・モエさん・・」


「はいっ、大丈夫です」


そう答えるモエ。


「それじゃ拓也さん・・」


「あぁ・・」


そして、モエと共に地下第二階層へと続く螺旋階段内へと突入するミナモ。


「次は俺だ!」


それとほぼ同時に螺旋階段内へと飛び出した拓也は思い切り辺りに風の力を放った。


「何だ!あの男は!」


螺旋階段を警備していた本部の男達が拓也の存在に気づいた。


そして、拓也が相手を引き付けている間に螺旋階段中央の空洞部分を降りていくミナモとモエ。


「あの、ミナモさん・・これって・・飛んでるって言うより・・落ちてませんか?」


そう聞いてきたモエ。


「確かに急降下しているだけですけど・・スピードを落とすのは下の階層に近付いてからじゃないと・・」


そう考えるミナモ。


そして、上では拓也が引き付けるのと自身がここを突破するために奮闘していた。


「なぎ払え!」


刀を振り風の力で男たちを吹き飛ばしていく拓也。


「能力者が出てきたら厄介だからな・・ミナモ達が上手く下に到着したら俺も早く行かないとな・・」


下へと向かいながら本部の男達と戦っていく拓也なのであった。

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