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婚約破棄された私ののんびりできない国造り  作者: 青。
外伝

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75話 おかしな交渉

いよいよ交渉のための日程が決まったところで、向こう側から突然場所の変更を求めてきた。

場所は諸国連合本部、そして交渉責任者は勇者本人だそうだ。


諸国連合までは馬車で一ヶ月、政務があるのでラノールドではなく私が行く形になる。

当初はラノールドが行こうとしたものの、会いたい人の指定が向こうから出ていたらしい。



それ以外の人間は認めないとして。




道中は随分と辛い旅になった。

一瞬で移動できたら良かったのに………そんな考えが頭をよぎったがすぐに自分が否定する。


そんなことはできないと。







いよいよついた諸国連合の本部はすでに変な空気があった。

そんな卓の上座に、勇者は座っていた。



と思うといきなり駆け寄り、


「あかり!!!久しぶり!」


とても友好的な態度を示しているようだった。

一方のあかりはなんというか、苦虫を噛み潰したような表情だった。


勇者と周囲に呼ばれている人間はよくみると、黒い髪に黒い瞳、そしてあかりによく似ているようだった。

勇者は周りの人が止めるのも聞かず、諸国連合側の人間を一人残らず追い出してしまった。


思わず


「知り合い?」


と聞くと、私をまるで見ていないようで、相手にもしていないようだった。

それをあかりが咎めると、やっと私を認識したかのように、ひどく形式的な礼をされたのみだった。


疑問に思いあかりをみると、あかりはやはり苦々しい表情のまま、席を外すことを伝えると、私を連れて外に出た。



「アメリア様、あの人は私の妹なのです。なんというか、私以外興味がないようで」


「ちょっと待って、あかりは姉妹なんていないんじゃないの?だってあかりは魔人でしょ?人と同じ構造をしてるけど」


自分で言っていて違和感があった。

魔人ってなんだろう?自分でその答えを見つけるより先にあかりが口を開く


「場所、時代が違えば扱いも変わる。私が捨てられた時、私は自分の精神を代償として魔力を中和した。そして魔力を受け入れることになった。まあ、結果的にはそうなる運命だったのでしょう」


なにもわからない。頭にもやがかかったようだ。

それでも、アメリアの口から言葉が途切れることはなかった。


「アメリア様に名前をつけていただき、魔力を与えられたことで体は正常に戻ったと認識し、全てが元に戻った。でも、魔力を溜め込んだ体はそう簡単に元には戻らなかった。代償がなくなったことで、私は魔力に蝕まれた」


「妹がなぜきたのかはわかりませんが、おそらく魔法で呼び出されたのでしょう。同じような体でも、同じような魔力量でも、同じような実力でも、時代が違うだけでこんなに違うとは」



そこから先は、よく分からなかった。

自分が自分じゃないみたいに体が、口が勝手に動いて言っていた。


「勇者についての詳細な魔力の波を教えて。さっきはよく分かんなかった」


自分でなにを言ってるか分からないのに、変だよね。





そのあとは本当に記憶がない。

ただ、気がついた時には交渉がまとまっていて、諸国連合は今後私たちの国を一切攻撃せず武器も持たない代わりに経済の支援を行うこと。

そして、勇者を諸国連合が運用することが認められたらしい。



交渉は私がやったってあかりが言ってたけど、そんなわけ………………ね?

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