47.とあるグループメッセージにて
イメージ的にはここから2章になります。
ということで、少しばかり新しい試みを。
私の中で、掲示板はどうしてもオープンなイメージが強く。
環那達以外の展開をどう進めるか悩んだ末、こういう形になりました。
実験的な意味合いが強いので、ご意見、ご指摘、ご感想などあればいただけると幸いですm(_ _)m
【我ら森同盟】
弓エルフ:えと……これでいいのかな?
ちゃんとみんな誘えてるかなぁ?
弓エルフ:誰かいる?
弓エルフ:まだいないか。
戦士 :いるぞ。
木こり :おるよ。
名無し :今入った。
弓エルフ:おーよかった。
ちゃんと誘えてたね。
戦士 :まぁ別に掲示板でもいいだけどなー。
現状、ほとんど変わんねぇし。
弓エルフ:そこはほら、せっかく知り合ったよしみということで。
名無し :向こうじゃ話せないこともあるだろうから、ある分には別にいいんじゃね?
弓エルフ:そゆことそゆこと。
戦士 :っていうか名前ってこれでいくのか?
せっかく、これ作ったんだからプレイヤーネームでもいいような?
最初が弓エルフだったんでそれに合わせたけどさ。
弓エルフ:そう言われればたしかに……
名無し :わかりゃあ別になんでもいいんじゃね?
どうせ俺らにしか見れないんだし。
戦士 :それもそうか。
木こり :そういや、森にいく途中、なんか見たことねぇ動物が平原をウロウロしてたな。
弓エルフ:見たことない動物?
木こり :ああ、シカやら大きなトリ? やら。
名無し :何ゆえ疑問形?
木こり :遠くてよく見えなかった。
名無し :老眼か……
木こり :ホントに遠かったんだよ!
それにまだ20代だよ!
戦士 :それだよそれ! 俺が見た集団にはシカとかトリとかもいたはず!
名無し :ほー。
弓エルフ:でも、そんなに大きい集団ならすぐに見つかりそうなもんなのにねー。
なんなら今から探しにいってみる?
木こり :あー俺デスペナ中。
名無し :やっぱり死んでたんだな……
戦士 :あれほど気をつけろって……
木こり :いやだって、伐採できたのが嬉しくてよ……
つい、調子に乗って切るのに夢中になってたら後ろからオオカミに……
戦士 :あーあ。
言わんこっちゃねぇ。
木こり :面目ない……
弓エルフ:じゃぁデスペナ終わったら見に行く感じにする?
名無し :オッケー。
戦士 :あいよー。
木こり :治ったらまたここに書き込むわ。
弓エルフ:はーい!
じゃあそれまでは自由行動ってことで!
ちなみにあと大体どれくらい?
木こり :たぶん2時間くらいだと思う。
その間で、リアル用事済ませてから、木売ってくるわ。
弓エルフ:おー!
高く売れるといいねー!
戦士 :期待してるぜ!
名無し :値段交渉、折れんじゃねぇぞ?
木こり :お前ら……単に奢られてぇだけじゃねぇか……
弓エルフ:ソ、ソンナコトナイヨー
戦士 :アア、ソンナコトナイ。
名無し :ナイナイ。
木こり :変なところで妙なチームワーク見せやがって……
まぁいいわ、とにかく行ってくる。
弓エルフ:いてらー!
戦士 :あいよー。
名無し :オッケー。
弓エルフ:ねぇねぇ! それよりさ……1つ気になることがあるんだけど。
戦士 :どした?
木こり :なんかあったか?
名無し :重大なことか?
弓エルフ:私達、今は4人共目の前にいるんだから、別にこれで会話する必要なくない?
木こり :……
戦士 :……
名無し :……
・・・
【シズクお姉様ファンクラブ(非公式)@いつの日か公式に!】
会長 :お姉様が帰ってきましたわ!
副会長 :どこ!?
会長 :東門からですわね。
副会長 :あーまた外したー!
会員3 :やはりこちらが本命でしたか。
会員5 :キャーッ! お姉さまぁー!
会長 :誰かをおぶっていらっしゃるわ!
会員3 :どうやら一緒によくいる方のようですね。
会員5 :う、羨ましい!
会長 :我慢なさい。直接、接触することは厳禁ですのよ。
あくまで見守るだけ。
それが我々ファンクラブのモットーなのですからっ!
会員5 :でも私はもうっ! 私はぁもうっ!
会長 :会員5!? 接触は厳禁ですのよ!
会員3 :まさか……暴走!?
副会長 :会長! 5を! 5を止めてください!
・・・
【闇夜に潜む輩達】
骸 :インベントリ使っての万引き、やたら警戒されてないか?
シャチ :ああ、商品に近づいただけで店員がその場から離れやしねぇ。
骸 :もうしばらくはバレねぇ予定だったのに……
シャチ :あーあ、せっかくのいいシノギが……
鴉 :バカか。
そもそも、てめぇらが安物をホイホイ盗り続けるもんだから、異変に気づいた店員に警戒されちまったんだろうが。
シャチ :そりゃそうかもしれねぇけどよ……
骸 :にしても、まさかサービス開始4日目でここまでなるなんて思わなかったんだよ。
誰か他のプレイヤーがNPCに告げ口したんじゃねぇか?
鴉 :これだけいれば、そういう奴が現れてきてもおかしくはないな。
骸 :はっ! やってらんねー!
シャチ :はぁ~こんなことなら思い切って、高けぇアイテムをケースごと盗ってくりゃよかったぜ……
鴉 :少し予定は早まるが、そろそろいい頃合いなのかもな。
骸 :お? ってことは?
シャチ :やるのか? PK。
骸 :やっちまうか! 装備も充実してきたしな。
鴉 :いや、その前にまずは街の外でアジト作りだ。
じゃないと、ログアウトすら気軽にできなくなる。
例の紋が出てからじゃできないことをまずやるべきだ。
シャチ :たしかにそれはそうなんだけどよぉ……
でもなぁ……あー早く殺りてー!
骸 :あれ? そういや、ギンの野郎、最近見ねぇよな?
なんかあったのか?
シャチ :さぁ? 俺は知らねぇけど。
一昨日辺りから見なくなったな。
鴉 :……アイツなら辞めたよ。
シャチ :え? まじかよ。
骸 :唯一の【窃盗】スキル持ちだったのに……もったいねぇ。
鴉 :俺に『肉が喉を通らねぇ』って来たのが最後のメッセージだったな。
意味はまったくわからなかったが、きっと体調不良かなんかだろう。
シャチ :んなこといって、ホントはリアルで捕まってたりして。
アイツ、リアルでもよく似たことやってたんだろ?
骸 :ああ、自慢してたな。
鴉 :まぁ消えた奴のことをあーだこーだ言っても仕方ないんだ。
とにかく、まずはメンツ集めだ。
それからアジトの候補探し。
PKするのはそれからだな。
シャチ :先は遠そうだなぁ……あーめんどくせー!
骸 :β時代の奴テキトーに誘ってはみてるんだが、いい返事が返ってこねぇんだよなぁ。
別にあいつらにこだわらずに、それっぽい場所に行きゃいくらでもいるからいいんだけどよ。
とりあえず、その辺あたってみるわ。
シャチ :じゃぁ俺は、警備の薄い店探すかー。
さすがに全店あんな警備ってこたーねぇだろ。
鴉 :よろしく頼む。
俺は、NPCと話をつけてくる。
骸 :了解。
シャチ :交渉事は全部リーダーに任せるわー。
・・・




