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Free 〜フライパンから始まるエトセトラ〜 作者:もじゃ
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16.ギルドにて

「ここがギルドだよー!」

「でっか……」

「だよなー!」

 雑談しながらしばらく歩くと、巨大な建造物が現れた。
 まずは壁。高さ3メートルほどの壁が左右に何百メートルあるんだ? というレベルで伸びていた。
 そして、誰もいない門をくぐり抜けるとそこには学校の運動場何面分? という広さの空き地が眼前に広がる。
 ところどころにカカシのような物が並んで立っているところをみると、訓練をする場所か何かなのだろう。
 実際、広場のあちこちで何かしている集団が目に入る。

 私達はそれを横目に、奥にそびえ立つ建物、すなわち冒険者ギルドへと歩を進めた。
 国会議事堂を彷彿とさせるような建物で、こちらも塀と同じで左右にでかい。
 高さはウチの学校と同じくらいだから、たぶん3階か4階建てくらいなのかな? 窓の位置の高さが、ときおりずれているのでよくわからない。

 そして現在、私達は建物の目の前まで歩いてきたのだが、眼前に迫るその圧倒的な迫力に、3人で口を開けっぱなしにしながらそれを見上げていた。そこでふと違和感。

「私はともかく2人は初めてじゃないんでしょ? なんでリアクションが一緒なのよ」

「だってー」

「なー」

 2人はお互いに顔を見合わせると頷き合いながら同時に言い放った。

「「じっくり見たことなかったから!」」

「さいですか……」

 仲がよろしいことで。

「とにかく中に入ろー。案内よろしくね」

「もち!」

「おうよ!」

 さて、目の前の階段を数段登った先には入り口があるのだが、なにせこの横幅である。横を見れば他にも同様の入り口を複数確認することができた。
 まぁこの大きさで入り口1つは使いづらいもんね。納得だ。
 改めて見れば門も複数箇所確認できる。
 出入りしやすいのはいいんだけど、何かあった時は大丈夫なのかな? 全部閉めるだけでも大変そうだ。まぁギルド自体が比較的街の真ん中にあるからきっと大丈夫なんだろう。
 と、そんな余計なお節介を考えたりしながら私は2人の案内の下、ギルド内部へと入っていった。



「ひっろ……」

 わかっていたことだが、中もだだっ広かった。
 そして、それを埋め尽くすようにプレイヤーで溢れかえっていた。
 凄い喧騒だ。
 そりゃそうだよね。『Free』には何万人というプレイヤーがおり、現在進行系でまだまだ増え続けているのだ。
 ギルドのこの広さも頷けるというもの。むしろ、それを考えればまだ狭いくらいなのかもしれない。
 この分だとギルドにプレイヤーが入り切らなくなる日もそう遠くない気がする。とはいえ、今ここにいるプレイヤー達もいつまでも【ニューデール】に居座ることもないだろうし、もしかしたらバランスよくばらけていい感じに落ち着いたりするのかもしれない。まぁ私が考えることでもないか。
 人でごった返す光景を眺めながら私はそんなことを思っていた。

 入り口から両サイドに視線をやると、おそらく待ち合わせなどに使うのであろう、丸型テーブルの周りを椅子がぐるりと取り囲んだセットがこれでもかと配置されている。
 そこに座って各々談笑したり、何かを食べたり飲んだりしているプレイヤーの姿もこれまた多くいた。

 飲食オッケーなの? と一瞬思ったが、入り口側の壁際には、ところどころにバーカウンターが設置され、その奥には、ピシッとした格好のバーテンダーっぽい人達が立っているところを見ると、おそらく大丈夫なのだろう。
 まるで、本格的なバーみたいだ。今にもシャカシャカとカクテルとかを作りだしそうな雰囲気。もちろん、行ったことなんてないんだけどね。未成年だし。

「あっちが依頼を受けるところで、そっちが倒したモンスターを処理してくれるところ、そんであっちが……なんだっけ? シズク知ってる?」

「さぁ? 昨日来たときはなかったような? んー覚えてねぇ!」

「そんな自信満々に言わなくても……」

 入ってきただだっ広い部屋の奥側3分の1くらいのところから横にズラッとカウンターが設置されており、各種要件に応じた受付が配置されてあるようであった。
 天井から吊り下げられているパネルには『クエスト』『モンスター』『趣味』などの様々なパネルが。まるで役所みたいだね。

「って趣味!?」

「あ、ホントだ」

「なんだありゃ」

 趣味ってあれだよね? 自己鍛錬のやつ。あれって何かギルドで処理するようなことあるの? 趣味は趣味だと思うんだけど。
 並んでいる人を見れば黒々とした筋骨隆々の人が多い。そして、異様なタンクトップ率。中にはポージングをしながら会話している姿も……うん、近寄らないでおこう。

 2人によると昨日までは無かったかも? という話なので運営が用意したのか、もしくはNPCが自主的に……ということなのだろうか。
 後者だとしたら、この世界のNPCは柔軟性も持ち合わせているらしい。さすが高性能AIだ。伊達にプレイヤーを罵ったりしてくるわけじゃないね! ……思い出したら少し腹が立ってきた。ぐぬぬ、システムめ。今に見ておれ。

「とりあえず、並ぼう!」

「そだね」

「だな」

 3人揃って『モンスター』と書かれたパネルの受付に並ぶ。

「シズクもここなんだ?」

「だな。さっきまで北門から行った先でちょろっとやってきたからな」

「誘ってくれればよかったのに」

「ん~まぁソロでどこまでやれるか試したかったからなー。それにまだカノン達がログインしてなさそうな時間帯だったし」

「なーる」

 そうこうしている内に、私達の順番が回ってくる。思いの外早かったので少し驚いた。

 さて、いくらになるのかなー?
 あとアレが処理できますように。


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