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7月13日分から、しばらく更新停止します。更新再開は必ず行いますので、お待ち頂ければ幸いです。

竜人は頷きましたわ。

「よろしい。材料はある」竜人たちの何人か(厳密には「何人」という単語は不適切かも知れませんけれど)が材料を仲間たちから集めて、目の前に置きましたの。

竜人たちが集めている間、メイベルは小声で、「もう引き返せねぇな」と言いましたが、確かにその通り引き返せませんわね。

目の前の薬草は種類別に置いてあり、私はメニュー画面からスキルを選択しましたわ。

前にいる竜人は私に話しかけましたわ。

「いくら作れる?」

「7つですわ」

「失敗することもあると聞く。最大で7つと言うべきだな」

失敗することもあるんですのね。オズワルドも私も失敗したことはなかったので、少し驚きましたわ。

「いいえ、7つですわ」眉をしかめられましたが、別に気にしませんの。

この≪異能≫に、失敗など無いのですから。

一気に7つ、作って見せますわ。


計りもない中で、薬草を握り茎を折り調合していくことを、竜人はどう見るかしら。

顔を上げると、驚き、というよりは怪訝そうな表情を浮かべているようですわね。


手が動き続けている間に彼らの表情を盗み見ていますが、表情はほとんど人間のそれに似ていますわね。

不思議ですわ、ここまで人間のような生き物を人間と認めないなんて。



7包出来た時、竜人たちは戸惑いを隠せない表情をしていましたわ。

計りも無しに作った物は本当に解毒剤なのかという問いが出るのは、まあ当然のことですわね。

彼らは顔を見合わせていましたわ。

表情からして、担がれたのだと憤慨する者、そうとは限らないと半信半疑でいる者の2パターンかしら。


問題は、それらが解毒剤であることをどうやって説明するか、なのですけれど。

まさか、自分で毒を飲み込んで解毒しろとでも言われるのかしら。

「作り終わりましたわ」

私がそう言うと、前にいる竜人が、こちらに近づいて来ましたわ。

「確かめさせてもらう」

「コパ、受けとれ」

囲んでいる方々の一人が、前にいる竜人――コパになにかを投げ渡しましたわ。コパはそれを受けとると、こちらに近づいて来ましたの。

後退りをしようか迷ったのですけれど、結局そんなことをせずに、座ったまま近づくことを受け入れましたわ。

直感ですけれど、そんなことをする必要がないように感じましたの。

コパは、薬をつまむと、先ほど仲間から受け取ったルーペで一つ一つ見ていますわ。

薬を拾っては見て一瞬間があり、薬を戻し、次の薬を拾う、その繰り返しをしているんですの。


コパは全部見終わって、一言だけ、私たちに言いましたわ。

「確かに受け取った。この薬は貰う。望み通り当方は何もしない」

竜人たちから7人が目の前に来て薬を拾うと、それを合図にコパは背を向けて去っていきましたわ。

他の竜人たちも、私たちに背を向けて、熱帯雨林に紛れ去っていきましたの。

見えなくなったのを確認して、私たちは全員ため息をつきましたわ。


ギズロフは困り顔で言いましたの。

「姉ちゃんよ、あんなことしたらどうなるか分かってんのか?下手したら拉致されてたぞ」

「でも、下手をしたら殺されてましたわ」

メイベルが吐き捨てるように言いましたわ。

「あんなものただの脅しだ。マジにとって余計なことしやがって」

ギズロフは石の上に座りこみましたわ。

「あぁ、気疲れしたぜ。姉ちゃん、もうこんなことは止めてくれよ。町中では特にな」

「どうしてですの?」

「竜人に援助しちゃいけないとリコリスからお達しが来てる。今みたいに物を贈ったら取っ捕まるぞ」

「そうですの?」

豚が久しぶりに口を開きましたわ。

「まあ、僕らが黙っていれば問題ないし、結果オーライじゃないですか」

ギズロフは「何が結果オーライだ」と豚の首を締めていますわ。

豚がギズロフの手を叩いている姿で、私たちが死線を越えたことを実感しますわね。

ロキシーが口を開きましたわ。

「これから、どうする?」ギズロフは豚を解放すると、立ち上がりましたわ。

「水晶竜がいる以上、ここにいる理由はねぇな。帰るか」


私たちはそのまま、カクテラまで来た道を戻ることとなりましたわ。

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