死者の湖と青の楽園
前回までの場所から二人仲良く歩いていると
「さっそくだけど囚人君質問するよ」
「何ですか?」
雨宮に質問された。
「君は乗り物とかに強い方かな?」
「は?」
何言ってるんだこの人
「今から向かうとこがあるんだけど君から見てちょうど左かな?」
何故疑問系
「まあ、見てみて」
雨宮にそう言われて左を向くと中央に黒い城が浮かぶ湖が見えた。
「今から向かうとこなんだけど、実は湖の上にあるあの城なんだけどね、船でしか行くことができないんだよねー」
あー、なるほど
「だからこそ船酔いが心配で」
「多分大丈夫ですよ」
まず乗り物に乗ったことがあるか無いか記憶が無いけど
「そりゃよかった」
雨宮は僕の手をつかむと
「早く行こう! 久々の船!」
とても楽しそうに笑いながら走り出した。この人子供みたいだな
数分後
「着いた!」
いや、雨宮さん貴方にとっては軽く走った程度なんだろうけど僕にとっては全力疾走と一緒なんですよあの走りは……
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
「あ、おーいきみー」
雨宮は近くにいた看守の服の人に手を振りながら「おつかれー」と話しかけた。相手は雨宮に対して「お疲れ様です!」と大きな声で答え敬礼した。それにしもこの人、一応身分が上なのかな? 話が終わったようなので聞いてみよう。
「あの、雨宮さん」
「なんだい?」
「雨宮さんはもしかして幹部とかだっ……」
「そうだよ」
まだ最後までいってない
「僕はこれでも幹部の一人狂気使いの雨宮ハルヒって言われてるんだー」
あ、本当に幹部なんだ
「まあこんな位は、彼には関係ないけどね⭐」
彼?
「雨宮さん!」
僕のちょうど左から看守の服の男か走ってきた。
「申し訳ありません」
息も切らさず直ぐに報告する。仕事人だ。
「どうしたの?」
「たった今船が全艦沈んでしまったと情報が入りました」
「わーお……笑えねー」
何があった?!
「仕方ない……あれだして」
「あれですか?」
「うん」
「かしこまりました、少々お待ちください」
そういって男はまたどこかへ走っていった。
「……雨宮さん」
「なんだい?」
「何故船がしず……」
「いつものことさ!!」
しばらくして約10分
「雨宮さん!」
さっきの男が走って戻ってきた。
「用意できました!」
「OK⭐」
「こちらです」
「行くよ囚人君」
そう言われて雨宮の後をついていくと
「久しぶりだなー青の楽園に乗るのも」
そこには青い二人乗り用水上バイクが置いてあった。ちなみに僕専用と大きく文字が書かれている。
「さあ乗って!」
「あ、はい」
雨宮はいつの間にか青い看守の服から青いウエットスーツに着替えてバイクに乗っていた。その後ろに乗ると
「マッハで飛ばすよ!!」
バイクがギュルルと音をたて始めた。
「安全運転でおねがぁぁ?!」
さあ命懸けのショータイムだ!!




