【第11話】拠点確保に向けて
科学の国トルゴラム、会議が紛糾していた。
「先遣隊、偵察部隊が全てやられただと、信じられない」
目の前にある映像を見て誰もが唖然とした。
たった一人の子供に倒されたのだ。この映像は遠方からの撮影で修正などされている形跡もなかった。
トルゴラトリアム王は思案する、剣の国が動いたのか、あれが剣帝なのか。考えないと不味いな。
「当面は、待機!これは徹底させろ。先走ることがないように。
攻撃拠点を増やし複数で同時に攻め混む」
剣帝が強くとも、複数を同時に攻撃すれば対応できないだろう。
「それで捕虜の交渉についてはいかがいたしましょうか?」
「仕方がないが、交渉に応じるしかないだろう。その分の金額はのちほど必ず回収する。」
屈辱で、怒鳴りたい気持ちだが王として冷静に対応する。
戦車部隊も投入すべきだなと考えて指示を出した。
「さすが調停者、皇帝様。あのときは正直ダメかと思いました。」
リーシュの父で領主のラインハルトが感謝を伝える。
領主の屋敷にて、歓迎の食事が振る舞われていた。食べれるようになりたいなぁ
「ふりかけご飯がない」タクトが凹んでる。回りがあわててる。
そんなものあるはずがないのに、ポテトみたいなのがありご機嫌を回復。この世界料理についてはいろいろあって余計に体がないのに腹が立つ。
「セー?」タクトがセリカがいないのに気づいたみたいだ。
セリカに知り合いが訪ねてきたらしい。リーシュがちょっと沈んだ顔をしてるのが気になる。
たしか借金があって大変だったんだよなぁ
ちょっと気になるので、少し見に行くことにした。
最近創成したスキル、「妖精」を使ってみる。名前をつけたのおれだが、小さい妖精を作り出す。分身のようなスキルだ。虫くらい小さいので気づかれない、偵察にはいいスキルだ。
セリカがいる部屋に入る。おれには無意味だが、魔法で、防音、探知不可の部屋になっているみたいだ。
商人のような格好の小太りの男が偉そうに座っている。
「今回は少しお金をもらえましたので、お支払い致します。」
「このくらいでは、利子にもなりませんよ」偉そうに男がお金を取り上げる。
申し訳なさそうにするセリカ。
ちょっとイラッとするが我慢した。
「あなたの母親も困っていますよ、早くどうにかして欲しいものです。母親の変わりにあなたが戻ってきてくださってもいいんですがね、領主様も喜ぶでしょう」
セリカの顔が青ざめる。
「皇帝の養育係とは、よく逃げたものですね」男がイラついた感じでまくし立てる。
「皇帝におねだりしてもう少しお金をもらってくることですね」
「これ以上は.....」
「なら母親や、妹がどうなってもいいんですかね?」
黙りこむセリカ。
「次は今の倍はお願いしますよ」
セリカが落ち込んでいる。
小太りの男は帰って行った。
イラつく男だなぁ。でも何か弱みがあるみたいだ。母親が人質になっているのか?とりあえずこの状況はほっとけない。
領主と言ってもここの領主じゃない気がする。
リーシュが事情を知っている気がする。話を聞くことにする。
リーシュには口止めされたが、事情を教えてくれた。
セリカの母親はエルフで、非常に長生きしており見た目はセリカに似ており髪の色がシルバーと金色の間みたいな色。
人間の男性と数十年前に結婚。エルフとの結婚は大変珍しくて、嫉妬されることが多かったとのこと。領主も目をつけたときには、夫も高齢になっており、領主の力で貴族であったが追い込まれて行ったとのこと。
高齢の夫の治療薬、生活のために
仕方なく借金をした。その事を知った夫が領主にたてついた為に処刑されて、セリカの母親も罪人になる。借金もあり領主のいいなりとのこと。
ここまで、聞いてすぐにでも助けに行こうと考えたがリーシュに止められた。
大きな理由が2つあり、
1つ目は、領主が、王との血縁関係にあり権力的にはラインハルトよりも上だとのことで、リーシュ達はセリカを保護するだけしかできなかった。
2つ目は、レイゾクの指輪をつけられているとのこと。これは主の命令に反すると、その者に罰を与えたり命をも奪う効果がある。
科学の国で犯罪者に使うものだそうだ。
もし外した場合は、その指輪に登録した人の命を奪うとのことで家族や大事な人を登録するそうだ。
これは慎重に動かないといけないな。ここであることを思いついた。そろそろ自分の領地が欲しいと考えていたところだ。セリカのためが一番だが、領地を奪ってやろうと計画を考えることにする。
まずは、あいつに話を聞きに行くか。光となり移動のスキルを使う。




