反抗
微妙な時間に寝たので初投稿です。
滅びゆく世界。
俺はどうすればいい?
俺はどうすればよかった?
どうすることもできない。
俺たちは主人公どころか脇役だ。知らぬところで遠大な計画は進行していたのだ。
もう止めることは出来ない…
「俺は…」
その時、俺の心に一つの言葉が浮かんだ。
最近聞いた言葉。
「諦めるな…」
マーレが助けてくれた時の言葉。
今思えば諦め逃げ続ける人生だった。
人から逃げ引き籠り現実から逃げゲームを繰り返す。
16年ほどだがそれでも立派な人生だ。
俺も、どうせならやるとこまでやろう。
こんな時くらい、俺は俺の足を動かそう。
そして死ぬその寸前まであがいてやろう。
諦めてやるものか。
「すぐに結界を解除しろ。警告だ。」
俺は銃口を少女に向けた。
緊張はしている。しかし、心は穏やかだった。
少女は変わらずに笑っている。
不気味に冷たい。気持ち悪い笑み。
「やだだよ!まだ世界は破壊と再構築の途中。理想の実現の半分も進行してないよ。」
少女はそう言うと俺たちに笑いかけた。
「……飯山。」
「おい。マジかよ!」
飯山も理解してくれたか。
俺はアサルトライフルを後方に投げた。
「話そう!お前のしたいことはわかった。だがとても許されることじゃない。
俺はお前を止める。何か文句はあるか?」
少女は、とても面白そうだと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「いいね!私もそうだと思った!」
やはりこいつもFPSゲーマーか?
少女は陰に置かれていた銃を手に取った。
「文句はあるよ!文句だらけさ!!誰も理解してくれない!誰も私を理解しない!」
少女の手に持つ銃。
それは俺も想定外のものだった…
MG42…ドイツ軍が第二次世界大戦中運用した汎用機関銃。7.92㎜弾を使用し弾はベルトリンクになっている。特筆すべきはその連射速度、なんと分/1200発。1秒間に20発も撃てるのだ。
ただ大きさも少女が持つにはあまりにも大きい。全体のバランスがとれていない。
しかし少女は軽々と持ち上げ、バイポッドをグリップ代わりにして構えた。
「飯山!!」
俺が叫ぶとほぼ同時、飯山は手榴弾を投げた。
刹那、世界は光に満たされる。
部屋を満たす銃声。
絶え間ない鉄の暴風。
出来事は一瞬、だが俺にはそう感じなかった。
* * *
「何が起きているの!?」
山田さんは焦っていた。
唐突に始まった世界の異変。
地面に亀裂が入り夜空は煌めく流星に覆われる。
「夜の魔法だけではない!闇の世界の魔法!
世界を浸食する魔法だ!だからか!
世界を夜で覆い、月で魔力を補給したのは前段階にすぎなかったのか!」
ダフは全てを悟り目に涙を浮かべた。
「これは一大事になりましたね。私は国に戻り竜王に話を伺いましょう。
竜王なら世界の崩壊に何ら手をうてるかもしれません。」
竜族の男はそう言うと再び竜に姿を変えた。
「待って!私も行く!」
山田さんは竜族の男に向かい言った。
竜族の男は頷いた。
空から見えるのは浸食される世界。
闇は地を這い世界を飲み込む。
光などない。
あるのは広がる夜のみだった。
初投稿でした。
MG42すこ




