仄暗い森の奥から
今日初投稿です。
「お久しぶりです、異国の皆さん。里の危機に駆けつけていただいたことを心より感謝します。」
老年のエルフに迎えられ、俺たちは里に案内される。
とりあえず、今村の周りで何が起こっているのかを聞くことにした。
「ここ数か月。魔法学校を中心として瘴気が広がりつつあります。あなたたちがかつて戦った、影のような生物も頻繁に姿を現すようになりました・・・。
私は近々、この里に良からぬ事が起こるのではないかと不安なのです。」
彼はため息交じりにそう呟く。確かに、森もエルフの里もやけに暗かった。
まだ昼になったばかりだというのに、視界が悪い。
村の中でも灯りをつけている家が何軒か見られた。
「このまま奴の動向を黙って見ていれば何が起こるか分かりません。かつて森を切り開いたように、我々の里も消され、奴の物になってしまうかもしれない・・・。」
確かに。大ババ様は何をするか分からない怖さがあった。出会ってからまだ少ししか会っていない俺たちを本気で殺そうとしたり、仲間であるはずのマーレを裏切ったり、田辺を犬にしたり。
「でも、これだけ色々やってるなら王国にバレそうなもんだが・・・。」
そう、飯山の言う通り。俺もそれが気になった。
フリッツは魔術都市を知っているようだったし、王都内には少なからず魔法使いもいた。
大ババ様が何をしようといているかは分からないが、王国に止めてもらえば良いのではないか?
ジャスミンやフリッツに話せば王様に話をつけてくれそうな気もするが。
「相互不干渉主義・・・。」
隣にいたマーレがぼやく。
俺達は詳しく内容を聞かせてもらう。
「結論から言うと、王都は魔法学校には一切関与できない。」
魔法学校は創立後、各国から生徒を育て、名だたる魔法使いを輩出してきた。
その功績は偉大なものであり、全世界における魔法学校の地位は瞬く間に向上した。
「全盛期は兵力、資金力、発言力。そのどれもが大国に劣らなかった。」
そんな時に魔法学校が各国と結んだのが相互不干渉条約だった。
お互いに干渉をしないことで、互いにやりたいようにやる。
王国は領域内に危害が及ばなければ、何があっても見て見ぬふりをする。
「王国の領域って・・・どこからだ?」
「さぁね。ただ、ここから数百キロ離れたところにある国が、わざわざ魔法学校に注意を促すなんて面倒なことはしないんじゃない?」
マーレは諦めたように首を横に振る。
「となると王国の力は借りられない。俺たちの力で何とかするしかないってことか・・・。」
自分たちで何とかしなければならない。そのことが分かった俺たちは、まずはエルフとの連携を強化することにした。彼らは土地勘に優れ、弓術の腕もある。戦車と連携すれば遠距離から一方的に戦うことができるはずだ。俺たちが来たことで、戦力にも余裕が生まれ、魔法学校の見張りは複数人体制になった。影に襲われるものも減った。日に日に暗くなっていく森の様子とは対照的に、エルフの里は士気も高まり、活気が戻りつつあった。
できればこのまま何も起こらないでほしかった。俺たちの思い過ごしであってほしかった。
だが、里の危機は唐突に訪れた。その日は朝から夜のように暗かったのを覚えている。
2章は色々欲張っちゃった感が否めない。しっかり全部解決させねば。




