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回転職

その針は曲がっていた、

いやネジ曲がっていた。


その曲がった針は、仕事に飽き飽きしていた。

毎日同じ時間、同じ距離だけ回り続ける。

果たして、自分に意味はあるのだろうかと考えていた。

毎日働いている。それでも誰かに感謝された記憶は、一度もなかった。

時を刻むより、自分という存在を刻みたかったのかもしれない。


針は転職を決めた。

面接では、何時を指せるかを聞かれた。

針は、そのすべての時間を履歴書に刻んでいた。


その後自己PRを求められたので、

「デジタルに関心があります」

ただそれだけを答えた。


それを聞いて唸った採用担当は曲がった針よりずっと細かった。


針は面接に受かり、転職に成功した。


どうやら採用担当は、針の曲がり方を個性として評価したようだった。

新しい職場で曲がった針は正確さではなく、ただ速さを求められていた。


ただ早く、誰よりも早く……。


目に止まらない速さで回転する曲がった針は、ある日、自身が光を帯びていることに気がついた。

はじめは喜んだ。

しかし、針は光を帯びるほど、時間から遠ざかっていた。

それでよかった。

時計の針だったときよりも確実に人に見られていた。


なんだ。

曲がったままでよかったのか。

その答えを知る者は、もう誰もいなかった。



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